過払い金

バイクでのさすらいの旅。かかる費用は借金で賄う

遠く離れた場所へ行きたい。お金のことは気にせずに…。

僕は実家の神奈川県を出て、新聞配達の正社員をしながら東京で一人暮らしをしていました。「専業」と呼ばれる新聞の正社員の仕事は、配達はもちろんのこと、集金・営業・チラシ配布・折込みチラシセットなど多岐に渡りました。めまぐるしいほど忙しいのに続けてこられた理由は、家賃がかからないことでした

僕の住んでいた所は国道同士が重なる交差点のすぐ近くで、排気ガスで晴れた日も景色が淀んでいました。住宅も高層マンションが数多く立ち並び、人と行き交ってもみんなが他人と思えるほど人が多かったです。

僕の勤めていた新聞販売店には専門学校が近くにあり、新聞奨学生として学生らが毎年5~6人入ってきます。社員・奨学生含めてずっとみんなと仲良くしていましたが、入って3年目に、奨学生に無視されるようになりました。仕事の場所取りを巡って口論となりました。相手は女性(Fとします)で、当日寝坊していました。特に決められた場所のルールなどなかったし、早い者勝ちだったので、空いているスペースで作業していたら後から来てここは私の場所だと反論してきました。何度説得しても無理でした。明くる日、Fとその同期の女性の奨学生に睨まれ、僕は居場所を失って行くことになりました。僕は仕事に行くのが次第に嫌になりました。

バイクツーリングに目覚めた。関連用品の借金

僕はいつも都内を一斉に走るバイクに憧れを抱き、朝刊と夕刊の空き時間に教習所に通うようになりました。14万円の出費で、その時は貯金していたのですぐに支払いを済ませ卒業し、無事に免許を取得することができました。

「こんな排気ガスに包まれた街は嫌だ、仕事の嫌な日々から解放されたい。」その気持を抱えたまま僕は400ccのバイクを購入する決意をしました。車両価格は60万円で、オリコのショッピングクレジットを組みました。毎月16000円の5年払いでした。任意保険に加入し、年間25000円ほどかかりました。ここまで
は仕事の給料でなんとか支払っていける金額でした。

日に日にバイクにハマるようになり、僕は休日になるとバイクでツーリングするようになりました。通常の洋服では走行に支障が出るため、僕はウェアにお金をかけるようになりました。転倒したときのことを考えると装備は大事だと思いました。内訳としては、ヘルメット4万円・ジャケットに4万円(夏用
25000円)・グローブに1万円・ブーツに25000円などです。これを一気に購入しました。ここからいまある預金からは支払いするのが困難となり、モビットで借り入れをして支払うようになりました。その後もツーリング用バッグ・マップホルダーなどを購入して、毎月5万円はバイクの費用に消えていきました。その度にモビットで借り入れをしていくのです。

返済もしていたのですが、返済額のほうが多くなっていき、返済額が膨れ上がっていくようになりました。でも会社の辛さを考えると、僕にはバイクしかないと思い込み、どんどん依存するようになるのです。

僕はどんどん人気の少ない田舎を目指して走るようになりました。現地の1泊3000円くらいの安いライダーハウスに泊まり、温泉で疲れを癒やすのが日課になりました。

東京から福島・新潟・愛知・姫路など遠出することにハマりました。その度に高額な高速料金がかかりました。ETCをつけていなかったため、現金を用意して料金所で支払うのですが、一度に3万円くらい借り入れすることが多かったです。それもモビットから借り入れました。

休日は非常に満喫していたのですが、返済日が近づくにつれて、このお金どうやって工面しようと不安に押しつぶされてきました。バイクにお金をかけすぎだしもうやめようかなという気持ちにもなりました。
しかし今までバイクにお金をかけてきた物を売り払ったとしても雀の涙程度の売却金額しかなかったので、所有しつづけることにしました。

バイクに乗って現地の風俗を満喫したりして、生活は荒れていました。ここでも一度に5万円使うこともあったので、モビットに借り入れた額は当時の限度額80万円一杯に届きそうな勢いでした。

このままでは自分がダメになることを予感しました。すると僕は地元の友だちに近況報告をして、バイク関連の借金のことを打ち明けました。将来の結婚の事や老後の生活資金はどうするんだと厳しく指摘され、僕は身の縮こまる思いでした。なんだかバイクに異常にお金をかけてきた自分が陳腐に思えてきて、そ
の2ヶ月後に大切にしてきたバイクを売る覚悟ができました。バイクの売却金額は25万円になり、それをモビットの返済に回しました。そして毎月27000円の返済金を50000円に引き上げ、1年半程して完済しました。

バイクでいろいろなところに行けたのは楽しかったです。独身の若い頃しか出来ない優雅な時間でした。
しかし、趣味はほどほどにしなきゃいけないなぁと強く実感しました。これからはなるべくお金のかからない趣味にしたいと思っております。