過払い金請求をしたいけれど、ブラックリスト入りを考えると怖くなってしまう人も多いと思います。
また過払い金請求をしたことで、信用情報機関のデータに傷がついてしまって、一時的にクレジットカードが使えない状態になるかもしれないという不安もあります。
借金問題なのでなにかと不安を感じてしまいますが、ブラックリストと過払い金についての正しい知識を身につければ、安心して過払い金をゲットすることができます。
過払い金請求によるブラックリスト入りの廃止
2010年の4月19日までは、過払い金請求をすると個人信用情報の「契約見直し」という項目に登録されていました。
この項目に情報が記入されると新規借入やクレジットカードを作るのが難しくなるというブラックリスト状態が続くことになります。
しかし払いすぎたお金を取り戻すだけで、ブラックリスト入りすることは良くないということで、金融庁が「契約見直し」の項目への登録を事実上廃止して現在にいたっています。
契約見直し扱いされないことで、過払い金請求がやりやすくなりましたが、一定の条件をクリアしていないと、債務整理とみなされてしまい、ブラックリスト入りすることがあります。
借金完済してればブラックリスト入りは回避できる
借金返済が完全に終わっていれば、ブラックリスト入りすることはありません。借金がすでに返済されているので、返済能力は十分に認められるということです。
ブラックリストというのは、返済能力や信用力に問題がある場合に記載されるので、完済後の過払い金請求はこれにはあたらないという理由です。
現在、借金に苦しんでいる人の場合は、返済が完了している業者だけを選んで過払い金交渉をするとブラックリスト入りすることはありません。
返済が終わっている業者から払い戻された過払い金で、他の借金の負担を軽減することもできます。
返済中でも過払い金で借金がなくなれば問題なし
借金を返済中の業者に対して過払い金請求をする場合は、払い戻されたお金で借金がゼロになれば、ブラックリスト入りを回避できます。
過払い金請求の交渉は、自分でもできるのですが、借金が残ってしまうと、任意整理として扱われるので、ブラックリストの「異動」欄に契約変更の発生日が記載されます。
さらに交渉をするために必要な貸金業者との取引履歴などの資料を収集しなければならないので、時間と労力がかかります。
個人で交渉をする場合に問題なのは、金融知識や交渉経験が豊富な業者に主導権を握られて、思ったよりもお金が戻らない可能性があることです。
借金返済中の過払い金請求は、業者としっかり交渉をして、確実に借金ゼロを目指さなければならないことから、弁護士や司法書士などの専門家に依頼するのが一般的になっています。
一時的にブラックリスト入りすることもある
返済中に過払い金請求を行うと、一部の貸金業者の中には、信用情報機関に申し出をして、個人信用情報に債務整理の登録がされることがあります。
債務整理の登録がされても過払い金請求の手続きが完了して、借金ゼロになれば、債務整理の情報は削除されて、完済をした日付などが登録されることになります。
一時的にブラックリスト入りをして困るのが、クレジットカードの更新をする場合です。
過払い金請求の交渉が完了すれば、問題なくクレジットカードを更新できますが、それまでの期間は更新することができないおそれがあります。
しかし全ての貸金業者がこのような対応をするわけではないので、業者によっては、債務整理の登録をしない場合もあります。
新規借入やクレジットカード更新が心配な場合は、弁護士などに相談をしたり、個人信用情報のデータ開示をして確認してみると良いでしょう。
個人で過払い金請求してブラックリスト入りする事例
専門知識を持つ司法書士などに依頼をすれば、確実な過払い金交渉をすることができますが、個人でする場合にはクレジットカードや請求先の金融業者の情報に細心の注意を払うことが重要です。
よくある失敗例としては、クレジットカードのキャッシング枠の過払い金請求をして、完済したと思っていたら、実はショッピング枠の支払いが残っていたというケースです。
クレジットカードの過払い金は、キャッシング枠とショッピング枠両方同時に完済しないとブラックリスト入りするので、慎重に手続きを進める必要があります。
もうひとつ注意しなければならないのは、貸金業者の合併です。借金を完済した業者と借金返済中の業者が実は吸収合併で同じ会社になっている時などにブラックリスト入りの危険性があります。
自分の力で過払い金交渉をして、ブラックリスト入りも回避できたはずなのに審査に全て落ちる人は、これらのミスがなかったか確認をしてみましょう。
ブラックリスト正しく理解して過払い金請求
ブラックリストを恐れるがあまり、過払い金請求や任意整理などが遅れてしまって取り返しがつかなくなることもあります。
過払い金が発生する任意整理は、今ある借金を減らすことができるだけではなく、貸金業者からの督促をストップさせる効力もあります。
たとえブラックリストに載ったとしても、借金の負担が軽くなれば、精神的にも楽になって、自分らしい人生を送ることができます。
クレジットカードで、滞納を何度も繰り返していると、クレヒス(支払履歴)の状況が悪くなって、審査に落ちまくることもあります。
滞納を何年も繰り返すのならば、借金の負担が軽くなって、5年程度で信用情報が回復する任意整理を選択した方が良い場合もあります。
自分ひとりでは判断するのが難しい場合は、自治体の無料法律相談や弁護士事務所の無料相談などを利用してアドバイスをしてもらうこともできます。
ブラックリスト入りを回避できないときの対策
司法書士や弁護士に相談をした結果、ブラックリストに載るのを承知で過払い金請求をするケースも多くなっています。
ブラックリストに載ると5年間はクレジットカードを利用することができません。
またクレジットカードがないとネットでの買い物が全て現金振込みなどになって不便な思いをするかもしれません。
しかし収入があって、銀行口座にある程度の預金があれば、クレジットカードのように使えるデビットカードを作れます。
デビットカードは銀行口座の残高があれば買い物や、毎月の引き落としにも利用できるのでクレジットカードの代用品として使うことができます。
デメリットとしては、買い物をしたときに銀行残高が不足する状態が継続すると、保証会社に遅延金を支払わなければならないことで、遅延が長くなれば、ブラックリストに載ることもあります。
貸金業者からは過払い金発生のお知らせはない
借金問題は早めに対処しないと多重債務などを引き起こして最終的には破産にまで追い込まれるかもしれません。
借金返済中に過払い金が発生していることを知っておけば、借金をゼロにして、持ち金をプラスにできる可能性もあります。
しかし貸金業者は過払い金について通知してくれることはないので、自分で行動をして、借金を減らす努力をしなければなりません。
「権利の上に眠るものは保護に値せず」という言葉が示すように、過払い金請求ができる権利があっても、自分で行動をしないひとを法律は助けてくれません。
ブラックリスト入りを回避することも大切ですが、自分の人生を見つめ直して、借金を減らすために行動をすることも非常に重要です。