消費者金融等で話題になっている過払い金ですが、買い物やお金を借りることができるクレジットカードに関しても、利息制限法を超える金利で返済をしていた場合は請求することができるようになっているのでしょうか?
請求できるなら本来払わなくていいお金を払っているわけなので、当然過払い金の請求をするべきです。ただ、クレジットカードにおける過払い金請求については注意点もあるので、その点も知っておかなければなりません。
本稿では、クレジットカード利用の過払い金の請求や注意点に関して記載していきます。
クレジットカードの利用で過払い金請求ができるケース
結論から言いますと、クレジットカードの「キャッシング枠」に関しては過払い金の請求対象となりますので、過払い金を請求することが可能となっています。
キャッシング枠であるならリボ払いの返済であっても対象となり、過払い金の発生自体もリボ払いを行った時が多いです。
請求できるのは法廷内での金利の適用がなされていなかった2007年以前のものとなり、2008年から現在に至るまではどのクレジットカードも法定金利が適用されていますので、そもそも過払い金自体が発生せず請求はできません。
クレジットカードの利用で過払い金請求ができないケース
一方で、ショッピング枠での利用部分は過払い金の対象になりせんので、請求することはできません。
詳しくは後述しますが、ショッピング枠を完済していない状況では過払い金の請求自体できない以外にもややこしいことがありますので、しっかりと頭に入れておかなければなりません。
過払い金が発生している可能性のあるクレジットカード会社と当時の金利
エポスカード
かつては「マルイカード」と呼称されていたエポスカードですが、2007年以前はキャッシング枠の金利が20%を超えていため、過払い金の発生率が高いです。
イオンカード
2007年以前は20%前後の金利を適用していたので、過払い金が発生している可能性があります。
セゾンカード
セゾンカードは2007年以前に25%前後の金利を適用したこともあり、過払い金発生の可能性が高くなっています。
オリコカード
オリコカードは25%以上の金利を適用したことがあるなど、過払い金発生の可能性が高いです。
OMCカード(セディナ)
OMCカードは28%前後の金利を適用していたため、過払い金発生の可能性があります。
OMCはセディナ合併元となったため、請求するのはセディナになりますが、セディナの場合同じくクレジットカードを発行していたセントラルファイナンスとクオークも合併元となっています。
そのため、この2社のクレジットカードを利用していた人も、過払い金請求する際はセディナを対象とすることになるのです。
この他にも2007年以前に高い金利を適用していたカード会社がありますので、2007年以前に自分がキャッシング枠を利用していたカード会社の金利をチェックしておくことをお勧めします。
クレジットカードの過払い金請求をする際の注意点
ショッピング枠利用で残高がないかどうか注意
クレジットカードにおける過払い金を請求する際には、ショッピング枠における残高が残っていないことをしっかりと確認しておく必要があります。
この状態で過払い金を請求すると債務整理として扱われてしまい過払い金とショッピング残高どちらが多いか関係なく相殺され、最悪ブラックリストに載せられてしまう可能性があるのです。
このようなことにならないため、残高が残っていないのかをチェックしておくことはもちろん、公共料金の引き落とし等の月額決済に過払い金の請求対象のカードを利用している場合は、引き落とし先を変更しておく必要があります。
ちなみに、借金の有無に関わらず「過払い金を請求したらブラックリストに載っていまい、以降クレジットカードを作成することができないのでは」と考える人がいます。
過払い金は借金が無い状態で請求すれば信用情報には影響しないものとされていますので、残高の完済をしっかり済ませておけば請求してもブラックリストに載る心配はありません。
過払い金請求をしたクレジットカード会社のカードは使えなくなる
クレジットカードにおける過払い金を請求した場合の注意点として挙がるもう一つのポイントは、請求したカード会社のクレジットカードが解約扱いになるということです。
クレジットカードを一つしかもっていない場合持っているクレジットカードが無くなり非常に不便になりますので、別の会社のクレジットカードを請求前に申し込んで作成しておくのがベストとなります。
もちろん、既に完済している状態ならば過払い金を請求していても他のクレジットカーを作成できますから、「請求前に申し込まないといけない」と焦る心配はありません。
過払い金請求の時効が成立する日がはっきりしない
過払い金を請求する際は「期限」に関しても注意しなくてはなりません。
過払い金の請求は「完済以降10年」という時効が存在しますので、それまでに請求しなければ権利を失ってしまいます。
クレジットカードの場合、前述の通り過払い金が発生するのは2007年以前となりますから、2017年現在はほとんど時効になってしまう可能性があると考えてしまいます。
しかし、これに関しては非常に曖昧なところがあり、完済して10年経った後もカード会社との取引が成立していると看做されて過払い金が請求できるケースがあるのです。
例を挙げると、クレジットカードの年会費を払い続けている、キャッシング枠を完済した後に再び新たなキャッシング利用を行うといったもので、10年以上経過しても請求が可能と判断される可能性があります。
しかし、必ず上記の事例が時効とされないかというとそういうわけではなく、詳しいことは専門家に相談する必要があります。
とはいえ、もう請求できないと思っていた過払い金を請求することができる可能性もあるということなので、すぐに諦めたりせず行動することも大事です。
リボ払いは過払い金が多く発生している可能性が高い
前述でも少し触れましたが、過払い金はリボ払いを利用していた場合に発生する可能性が高くなっています。
特に定額利用の場合は利用額が増えても返済額が変わらず、結果的に返済する回数が増えてしまうことが影響してくるのです。
金利は借金を返済する時に応じて掛かってくるものですから、当然返済回数が増えれば増えるほど払う利息も多くなってきます。
これが、リボ払いを利用したときに過払い金が発生しやすい理由です。
結論としては、2007年以前にリボ払いでキャッシング枠の返済を行っていた人の場合、法的金利を越えた返済をある程度のスパンで行っていたと考えられ、過払い金が発生している可能性が非常に高いと言えます。
もちろん、ショッピング枠を利用している人は対象外であり、法定金利でキャッシング枠のサービスを行っているカード会社もありますから、しっかりと状況整理するため専門家の意見を求めることがベストです。
2007年以前にキャッシング枠を利用していた+リボ払いを積極的に行っていた人は、司法書士や弁護士の方過払い金について調べてもらうといいのではないでしょうか。