過払い金の請求は自分で行うことも専門家に依頼することも可能ですが、どちらであってもどういった手順で進んでいくのか気になるのではないでしょうか?
特に時効が迫っている場合はスピード面も意識しなければなりませんので、特に知っておくべきといえるでしょう。
もちろん、裁判をするかしないかといったことも時間に大きくかかわりますから、その点もあらかじめ知っておくといいです。
本稿では、過払い金請求に関する手続き・流れ・目安についての説明を行っていきます。
最初に決めるのは過払い金請求を自分でやるか専門家に依頼するか
最初に自分で過払い金の請求をするのか、専門家に依頼するのかを決定しなければなりません。
自分で行う場合は専門家への依頼料を浮かすことができるものの、準備の手間が掛かりますし、貸金業者との交渉に対応できる豊富な知識も必要になってきます。
一方で専門家に依頼する場合は、費用は掛かりますが手続きや交渉を任せることができるため、請求時の負担が大幅に減って楽になりますし、スピード面も自分だけの請求より上回る可能性が高いです。
結局は自分に合った方法を選択するのが一番で、例えば時効まである程度期間があるため自分で請求を行う、というように状況を考慮して決定するといいでしょう。
過払い金請求の手続きの流れ
1.貸金業者から取引履歴を取り寄せる
最初に行うのは請求対象の貸金業者に相手取った取引履歴の取り寄せです。
取引履歴にはこれまでの借金の記録があり、ここから過払い金を算出します。
「ちゃんと履歴をくれるのか?」と不安を覚える人もいますが。貸金業者は要求された場合応じなければならない法律があるため、この点は大丈夫です。
ただいつ取り寄せられるかという点は貸金業者によって違いあり、早いと一週間で届きますが、一カ月以上掛かるところもあります。
時効が迫っている場合は無駄にできる日数がありませんので、早めに行うようにしましょう。
2.過払い金がいくら発生しているか計算
取引履歴が届いたら、過払い金がいくら発生しているのか計算します。
過払い金の算出を行う計算法は引き直し計算と呼ばれ、
「実際に支払った返済額-利息制限法(15%~20%)に基づいて返済した場合の返済額」
の引き算です。
引き直し計算で算出された値が発生した過払い金であり、これを基にして請求を行います。
ただ、この引き直し計算はいざ行ってみると面倒で、途中で行き詰ってしまう人もいるなど初見では難易度の高い計算方法でもあります。
自分で行う場合は、無料の引き直し計算ソフトを公開しているホームページからソフトをダウンロードして使用してみるいいでしょう。
3.貸金業者に過払い金返還請求書を郵送
発生した過払い金の額を導き出したら、貸金業者相手に返還請求書を送付します。
過払い金返還請求書については雛形を用意しているホームページにありますので、それを利用して作成するのも手です。
また、書類に関しては内容証明、配達証明つきで送付してしっかりと意思表示を示さなければなりません。
4.貸金業者の担当者と直接交渉する
lass=”contentsTxt”>過払い金の返還請求を行うと、貸金評者との話し合いに段階が移行され、過払い金の金額を決定していくことになります。
貸金業者の担当者は「全額払えない」等の、支払いを少なくする旨の主張を行うことが多く、自分自身もしっかりと自己主張を行うことが重要です。
過払い金請求に関する知識が求められるのはこのためで、相手のペースにならないように事前に情報をしっかりと整理しておき、交渉に臨めるようにしておくようにしましょう。
5.話し合いで和解できなかった場合、過払い金請求の裁判をする
交渉を行っても平行線が続く場合は、裁判に結果を委ねることになります。
裁判の場合は必要な書類も話し合いより増えますし、裁判所に何度も足を運ばなければならなかったり、訴訟に関する費用も必要になります。
ノーリスクで行うことはできませんので、よく考えて決断しなければなりません。
もちろん、時間に関しても話し合いで解決した時よりもはるかに掛かりますから、その点も考慮の材料となるでしょう。
なお、裁判所に訴状を送って受理された時点で過払い金請求の時効は0になりますので、時効が迫っている時にストップする方法としても裁判の選択肢は挙がってきます。
6.過払い金が返還される
話し合いもしくは裁判で結論が出ると、後は過払い金が実際に入金されるのを待つことになります。
しかし、この返還までの時間もどのような手続きを踏んだかどうかで変わってきますので、注意しなければなりません。
話し合いでの解決がなされた時は数カ月程度で返還が行われるものの、裁判の場合は最悪1年以上に掛かる可能性があります。
裁判は判決が出るまでの時間も掛かりますから、早めに解決したい場合は話し合いでの結論がいいものの、こちらに関しても時効や交渉に関する考慮が求められるので、判断が難しいです。
過払い金請求ができなくなる可能性があるので早めの行動を!
前述の通り過払い金には時効があります。
期間は最終取引以降10年で、最終取引は基本的に借金を完済した日とされます。
時効が過ぎてしまうとごく一部の例外を除いて請求することはできなくなるので、請求を行う際は時効も意識しなくてはなりません。
過払い金は消費者金融やクレジットカード会社が利息制限法を超える「グレーゾーン金利」適用していた、2007,08年に発生しているので、多くの人の過払い金が時効に近づきつつあるのが現状です。
また、時効が来ていなくても請求対象となる貸金業者が倒産している場合は請求することができません。
近年、多くの貸金業者が過払い金の支払いによって業績が悪化していますので、経営状態に関しても気を付けておかなければならないのです。
倒産していなくても経営状況の悪さから全額返還が行われないということもありますので、請求のゆっくりとしたペースで行ってもいいことはありません。
以上の要素から過払い金は早めに請求した方がいいため、自分で行うにしても依頼するにしても早めに行動を起こすようにしましょう。
まとめ
弁護士や司法書士事務所では過払い金請求に関しては無料で相談を受けてくれるところもあり、自分で行うのか正式に依頼するのかを決めていなくても様々な意見を聞くことができるようになっています。
「一人で過払い金の請求は難しいかもしれない」と思っている人はもちろんのこと、「出費を増やしたくないので一人で行いたい」と考えている人も、まずは専門家に相談をして今後の行動を決めたらいかがでしょうか?