債務整理

民事再生とはどんな方法?債務整理における民事再生について解説

民事再生とは、3つある債務整理の方法のうちの1つです。債務整理には任意整理、自己破産、そして民事再生があり、民事再生は裁判所に申立を行い、認可が下りると借金が大幅に圧縮される方法です。

個人における民事再生手続きは「個人再生」とも呼ばれており、同じように裁判所へ申立を行う自己破産とは異なり、財産を所有できるため、借金は減らしたいけれど住宅を守りたい、という方が多く選択しています。では、具体的に民事再生とはどのような仕組みなのでしょうか。

この記事では民事再生について、メリットをふまえてわかりやすく解説していきます。

民事再生のしくみとは

民事再生を行う場合には、裁判所に申立を行う必要があります。どこでも申立ができるわけではなく、現在住んでいるエリアを管轄している裁判所の破産係に申立を行う必要があるため、事前にしっかりと調べておきましょう。この手続きでは、基本的に現在ある借金が5分の1ほどに圧縮することができ、任意整理よりも大幅に減額できるのが特徴です。

民事再生の申立方法とは

民事再生に関心がある、借金の返済に困っている場合にはまず司法書士・弁護士に相談をすることをおすすめします。司法書士や弁護士などの専門家に相談し、現在の収入状況や債務状況、家族構成などをお話ししたうえで、民事再生が可能かどうか見極めていきましょう。

また、民事再生を行うには、司法書士や弁護士への費用、裁判所の申立費用の他、必要書類を集める雑費が発生します。必要書類は、戸籍謄本や住民票、登記簿や車検証など多岐に渡るため、抜け漏れのないようにしっかりと専門家にサポートしてもらいながら進めていくとよいでしょう。

すべての準備が済んだら、司法書士や弁護士から受任通知を債権者に発送します。この段階で督促が止まります。その後、債権額の調査などを行い裁判所に必要書類を整えて申立を行います。

民事再生の申立後の流れとは

裁判所に民事再生の申立を行うと、必要書類の審査が行われます。裁判所によってはこの段階で個人再生委員が選出され、面談が行われます。個人再生委員とは、民事再生ができるかどうかを見守る、サポーターのような存在です。

裁判所が再生手続き開始決定を出すと、今後のスケジュール表が公表されます。このとき公表されたスケジュールに沿って、今後どのように借金を返済していくかを記した再生計画案を提出したり、債権認否一覧表を提出していきます。それらすべてに問題がないと判断され次第、再生計画の認可決定が下されます。

再生計画の認可決定が終わると、ようやく返済開始です。基本的に再生計画は3年以内で終わる計画を求められますが、場合によっては5年の計画が認められるケースもあります。申立から認可決定までは5か月~1年ほどが目安です。

民事再生の大きなメリット

民事再生とは裁判所に申立を要する手続きのため、事件番号や氏名は自己破産時と同様に官報に掲載されます。この点はデメリットなのですが、メリットもあります。民事再生のメリットとは、以下の3つのとおりです。

民事再生の3つのメリット

メリット① 借金の大幅減額ができる

任意再生とは異なり、大幅な圧縮が出来るので、返済のメドがつきます。3年で返済が終われば、後から債権者に再度督促される心配もありません。

メリット② 財産を手放さなくて良い

自己破産は所有できる財産には限度があり、住宅や車を処分される可能性があります。一方の民事再生は条件をクリアしていれば、返済額は大きくなりますが財産を所有することが可能です。

メリット③ 「住宅ローン特則」を使える

住宅ローンはそのまま据え置いて、他の借金を圧縮することができます。つまり、住宅ローン先は債権者に加えなくて良いので、住宅が競売にかけられる心配がありません。家族との住まいを守りたい方は自己破産を避け、民事再生を選択しています。

煩雑な民事再生は法律家へ相談を

民事再生とは、自己破産に比べると財産も所有できる手続きです。また、法律家に相談をして手続を進めることで、煩雑な書類の作成や債権者とのやり取りも一任できます。民事再生は生活再建のチャンスといえるでしょう。

民事再生を含む債務整理は、司法書士や弁護士が介入した段階で受任通知を送るため、つらい督促から解放されます。特に返済が既に滞っている方は、訴訟リスクも高いため、早期にご相談するのがおすすめです。

プロである法律家に相談をすることで、場合によっては過去の借入が消滅時効の援用ができるケース、過払い金を回収し大幅に借金が減るケースもあります。自分がどのケースに当てはまるかは、法律家に相談し調査をしてもらって初めてわかります。

借金に関する相談は非常にデリケートな問題であり、相談しにくいと感じる方も多いと思います。しかし、返済に困り悩んでいると、雪だるま式に債務超過に至ってしまい、取り返しがつかなくなってしまうことも。そうなる前に、まずはプロの法律家へ気軽に借金の相談を始めてみませんか?