過払い金

アコムの過払い金請求いくら戻る?デメリットは?特徴と対策・費用と期間

アコムからお金を借りたことがある人は、過払い金が発生している可能性があります。アコムに過払い金請求を考えている人なら誰もが気になる、アコムの対応や、アコムの過払い金の返還率と返還期間、アコムに過払い金請求するデメリットなどをまとめました。アコムから過払い金を取り戻す前に、アコムの過払い金請求の特徴をおさえて賢く請求しましょう。

アコムの過払い金請求の特徴

  • 三菱東京UFJ銀行系なので経営は安定
  • 過払い金請求の交渉はスムーズ
  • 過払い金の返還期間は早い

アコム株式会社は、消費者金融最大手の1つです。アコムは三菱UFJフィナンシャルグループで、経営状態は安定しているので過払い金を取り戻すのは比較的スムーズです。老舗の消費者金融なので、長期にわたって取引をしている人が多いのも特徴です。

1995年(平成5年)7月から「むじんくん」という自動契約機を導入しており、当時は「ラララむじん君♪」のテレビCMで一躍有名になりました。「ちょっと寄ってく?」「いぃねぇ♪」という気軽なノリのCM効果もあって、無人契約機で取引を始めたかた人も多いかと思います。2007年(平成19年)6月18日以前に取引を始めた人は、過払い金が戻ってきたり、残っている借金が減る可能性があります。

アコムに過払い金請求してから過払い金が返還されるまでの期間と回収率の目安

アコムの過払い金請求を弁護士・司法書士に依頼した場合

話し合いによる交渉(任意交渉)の場合

回収率の目安

80%~

返還されるまでの期間

2ヶ月~

裁判した場合

回収率の目安

100%+過払い利息
(※過払い利息…過払い金に年5%の遅延損害金を付した場合)

返還されるまでの期間

4ヶ月~6ヶ月

自分でアコムに過払い金請求した場合

話し合いによる交渉(任意交渉)の場合

回収率の目安

40%~

返還されるまでの期間

4ヶ月~

裁判した場合

回収率の目安

80%~

返還されるまでの期間

6ヶ月~

アコムに過払い金請求するデメリットとメリット

アコムに完済していて過払い金請求する場合のデメリットとメリット

デメリット

今後アコムからの借入れができなくなる

アコムに過払い金請求すると、アコムカードは自動的に解約処理となり、以降アコムから新規借入れをすることはできなくなります。他の貸金業者であれば借りることができます。

アコムカードにショッピング機能が付帯されている場合(アコムマスターカード)は、キャッシング機能と併せ、ショッピング機能も解約扱いとなり利用できなくなります。

注意:ショッピングの支払い残高が残っていると借金とみなされるため、完済扱いにはなりません。ショッピングの支払い残高のほうが過払い金より多いと、ブラックリストにのるというデメリットがあります。デメリットを避けてスムーズに手続きしたい場合は、ショッピング枠もあせて完済してから過払い金請求するようにしましょう。

メリット

アコムからお金が戻ってくる

アコムに過払い金請求する一番のメリットは、お金(払い過ぎた利息)が戻ってくることです。きちんと完済していれば、アコムからお金を借りられなくなるということ以外、デメリットはありません。時効を迎えて過払い金請求できなくなってしまう前に、はやめに行動にうつすことをおすすめします。

アコムに返済中で過払い金請求するデメリットとメリット

デメリット

過払い金よりも残りの借金のほうが多かった場合、ブラックリストにのる

アコムに返済中で過払い金請求した場合、発生した過払い金は残りの借金に充てられます。過払い金で借金が0になる場合は完済した場合と同じでアコムから借りられなくなる以外にはデメリットはありません。

問題は過払い金請求後に借金が残った場合ですが、信用情報に影響があります。いわゆる世間でブラックリストにのるといわれる状態になり、一定期間、新規借入れができなくなるほか、クレジットカードの審査が通らなくなります。住宅ローンや車のローンなどローンの審査にも影響します。

メリット

  • 過払い金で借金が減る(はやく完済できる)
  • 過払い金が多く発生していれば借金がなくなることもある

アコムに返済中で過払い金請求する一番のメリットは借金が減ることです。過払い金のほうが多く発生していれば、借金がなくなる可能性もあります。

信用情報への登録は、5年程度で削除されます。信用情報に登録されている間は新規借入れやローンを組むことができませんが、たとえ借金がある状態でローンを組めたとしてもさらに借金を重ねることはますます生活を苦しくするだけです。収支のバランスを見直すきっかけにし、5年ほどは借金の返済に注力するといいでしょう。

アコムの過払い金請求を弁護士・司法書士に依頼する場合のデメリットとメリット

デメリット

  • 弁護士や司法書士に支払う費用が発生する
  • 事務所によって当たりはずれがある

当然ですが、弁護士や司法書士などの専門家にアコムの過払い金請求を依頼するには費用がかかります。相談料・着手金は無料とし、取り戻した過払い金の20~25%を成功報酬として受けとる事務所が多いようです。

医者に専門医がいるのと似たようなもので、弁護士や司法書士にも得意分野があります。依頼する事務所を間違って過払い金請求をあまりやっていない弁護士や司法書士に依頼してしまうと、手続き完了までに時間がかかったり、取り戻せる過払い金の額が少ないなどのデメリットが考えられます。専門家に依頼する場合は、過払い金請求の実績が豊富で、質問にしっかり答えてくれる事務所を選びましょう。

メリット

  • 専門家がすべて代わりにやってくれるので本人は過払い金の振り込みを待つだけ
  • 専門家が交渉してくれるので個人でやるより多くの過払い金を取り戻せる可能性が高い
  • 家族や周囲にバレない
  • 返済中の場合、督促が一旦ストップする

アコムの過払い金請求を専門家に依頼する一番のメリットは、楽をしてより多くの過払い金を取り戻すことができるということです。家族に借金を内緒にしている場合でも、誰にも知られないように手続きをおこなうことができます。

また、アコムに借金を返済中の場合、弁護士や司法書士にアコムの過払い金請求を依頼した時点で督促がストップします。毎月の返済に追われている人は精神的に楽になれます。

自分でアコムに過払い金請求するデメリットとメリット

デメリット

  • 時間と手間がかかる
  • 発生している過払い金の額よりも不当に低い金額で和解を迫られる可能性がある
  • 家族に過払い金請求の手続きがバレる可能性がある
  • 返済中の場合、個人で過払い金請求しても督促はストップしない

アコムの過払い金請求を自分でやる場合、アコムに取引履歴を取り寄せて過払い金の計算をするところから、面倒な手続きのすべてをやらなければなりません。アコムの担当者と直接交渉をしなければならない苦労もあります。

アコムの担当者は対応は丁寧ですが、相手が個人だと主張を曲げず強固な姿勢をみせる可能性があります。少ない金額で妥協しないように気をつける必要があります。

最初の交渉で納得いく金額の提示がされなかった場合、裁判をしたほうがより多くの過払い金を取り戻せますが、裁判所にいくのは平日の昼間です。平日の昼間働いている人は仕事を休まなければなりません。

メリット

  • 専門家に払う費用がかからない

自分でアコムに過払い金請求する一番のメリットは、弁護士や司法書士に払う費用がかからなくて済むということです。時間的も精神的にも余裕がある人は自分でアコムに過払い金請求することを検討してみてもいいでしょう。

アコムに過払い金請求する際にかかる費用

アコムに過払い金請求の裁判をした場合の裁判費用

印紙代

裁判をするために裁判所へ支払う手数料。
請求する過払い金の額によって印紙代の金額も変わります。

郵便費用

裁判所が相手方(被告)に書類を送る際に使う切手代。
各裁判所によって金額が違いますが東京地方裁判所で6,400円、大体6,000円前後です。

代表者事項証明書の発行にかかる費用

代表者が商業登記簿に登録しているかの確認書類。手数料で600円かかります。

アコムの過払い金請求を弁護士、司法書士に依頼する場合

基本報酬(定額報酬)

貸金業者1社ごとに発生する費用。相場は貸金業者1社あたり2万円~3万円程度ですが、基本報酬をとらない事務所もあります。

成功報酬(解決報酬・過払い報酬)

取り戻した過払い金の額に応じて支払う費用です。取り戻した過払い金額の20%程度が相場です。成功報酬には日本司法書士会・日本弁護士連合会で決められている上限があり、裁判をする、しないで金額が変わります。

成功報酬の上限
  • 話し合いで解決した場合⇒返還される過払い金の20%
  • 裁判で解決した場合⇒返還される過払い金の25%

減額報酬

アコムに返済中で過払い金請求した場合に、借金を減額した額により発生する費用です。相場は減額した金額の5%~10%です。事務所によって減額報酬をとらないところもあります。事前に確認しましょう。

司法書士や弁護士に支払う交通費や日当

裁判に代理で出廷してもらうにあたり交通費や日当がかかる事務所があります。発生しない事務所も多くありますので事前に確認しましょう。

過払い金請求の費用の内訳は事務所によって様々です。後から聞いていない手数料などを請求されて困ったことにならないよう、正式に依頼する前に費用の内訳を確認し、納得してから依頼するようにしましょう。

アコムに過払い金請求する方法・手続きの流れ

過払い金請求を自分でやる場合も専門家に依頼した場合でも基本的な手続きの流れは同じです。弁護士や司法書士に過払い金請求を依頼した場合はすべての手順を代理でやってもらえます。

1.取引履歴を取り寄せる

アコムに過払い金請求するには、まずアコムから取引履歴を取り寄せます。取引履歴とは、アコムからいついくら借りて、いくらの利息を払って返済したか、すべての取引の記録です。過払い金がいくら発生しているか計算をするために必要な書類です。

アコムの過払い金請求に関する窓口
  • アコム総合窓口:0120-07-1000
    (アコムに関する全般的な窓口)
  • 取引履歴の取得:0120-07-1000
    (電話で本人確認「氏名・住所・生年月日」後、郵送または店舗での直接受け取り)
  • 請求書の送付先:03-3222-2666
    (東京公的応対センター(審査第二部):東京都千代田区富士見2-15-1)

2.過払い金の引き直し計算をする

アコムから取り寄せた取引履歴をもとに、法定利息にのっとって利息の再計算をします。これを引き直し計算といいます。

3.アコムに過払い金返還請求書を送る

引き直し計算をして過払い金の額が算出できたら、アコムに過払い金返還請求書を送ります。過払い金返還請求書に決まった書式はありませんが、過払い金の額と住所氏名、振込先口座番号と、返還請求に応じなかった場合の訴訟の意思表明を書いて内容証明郵便で配達証明をつけて送ります。

4.アコムの担当者と交渉する

過払い金返還請求書を送った後には通常、アコムの担当者から電話連絡がきます。そこで過払い金の額について和解交渉があります。アコム側はまず全額返還に応じることはありません。提示された金額と返還期日に納得いけば、そこで和解成立ですが、納得いかない場合は裁判となります。

5.過払い金請求の裁判をする

アコムとの過払い金請求の裁判に必要な書類
  • アコムに訴えの内容を述べた訴状
  • 裁判所やアコムに過払い金が発生する事実を証明する証拠を伝えるための証拠説明書
  • アコムとどのような取引がおこなわれたかを証明する取引履歴
  • 過払い金がいくら発生しているかを証明する引き直し計算書
  • アコムの会社情報が書かれた登記簿謄本(資格証明書)

アコムに過払い金請求する際の争点
アコムとの取引途中に、一度完済してから数年後また借りたなどの空白期間(取引の分断)があるケースや、一度カードを「解約」してから再契約しているケースでは過払い金の額について争点になる場合があります。

また、取引途中に返済が厳しくなって、アコム返済窓口に自分で支払いの猶予などを相談し、利息をカットまたは減額してもらった経緯などがあるケースでは、請求できる過払い金の額が上下する場合があります。

6.貸金業者から過払い金が返ってくる

裁判で勝訴、または裁判外で和解が成立すれば過払い金が戻ってきます。

自分でアコムに過払い金請求する際に気をつけるべきポイント

引き直し計算を間違わずにする

引き直し計算を間違えてしまうと、取り戻せる過払い金の額も低くなってしまう可能性があります。複数の取引がある(一度完済したあとにまた借りている)場合や、他の貸金業者からも借入れがある場合などは特に間違えないよう慎重に計算しましょう。

返済中に自分で過払い金請求しても督促は止まらない

アコムに返済中の場合、自分で過払い金請求をしても督促は止まりません。督促がストップするのは専門家に依頼した場合だけですので注意しましょう。

不当な和解条件でアコムと和解しない

アコムは、弁護士や司法書士が介入した場合と個人で過払い金請求をしてきた場合とでは対応を変えてきます。自分で過払い金請求をする場合、低い金額で和解を迫られるケースも多いので注意が必要です。

過払い金請求の期限を過ぎないようにする

過払い金請求には完済した日から10年という時効があります。時効をすぎてしまうとどんなに多くの過払い金が発生していても1円も取り戻せなくなってしまいます。過払い金請求には多くの手続きをふむ必要があり、その間にも消滅時効が迫ってしまいますので、一日でも早く行動に移しましょう。

同居家族にバレたくないなら弁護士・司法書士に依頼するのがベスト

自分で過払い金請求する場合、当然ですが直接アコムとやり取りをしなければなりません。携帯電話で連絡がとれない場合は自宅にかかってきたり、書類のやり取りで封書が自宅に届きます。借金をしていた(している)ことを家族に内緒にしたい場合は、自分でやるのではなく、弁護士や司法書士に依頼することをおすすめします。

アコムに過払い金請求する際のリスクと注意点

過払い金が返ってこないリスク

過払い金請求の期限が過ぎてしまわないように注意

過払い金請求の時効は、借金を完済した日から10年です。10年を経過すると時効が成立し請求できなくなります。過去にアコムから借入れをしていて完済から時間が経過している方はお急ぎください。

アコム倒産のリスクは?

過払い金請求は、請求先の貸金業者が倒産してしまうと1円も回収できなくなってしまいます。

有名なところでは武富士は過払い金請求のあおりを受け、さらに総量規制により利用者の減少などの理由から経営状況が悪化し倒産しました。現在では武富士から過払い金請求をすることはできません。

アコムの経営状況は、銀行系消費者金融で三菱東京UFJ銀行の傘下にあるので非常に安定しています。すぐに倒産するリスクは少ないでしょう。過払い金請求の対応も今は他社に比べ良いですが、経営が悪化すれば過払い金を支払うことを渋ります。そうなる前に、アコムで過払い金が発生している方ははやめに手続きすることをおすすめします。

悪徳弁護士・悪徳司法書士に依頼しないように注意

残念ながら世の中には悪徳な弁護士や司法書士事務所が存在します。取り戻した過払い金を着服してしまうなどの不正行為をおこなう事務所があるので注意しましょう。和解書(アコムと和解した過払い金返還額と返還期間)を提出してもらえるかどうかなど、最初に確認しましょう。

過払い金の返還金額が少なくなるリスク

弁護士、司法書士の報酬が高い

過払い金請求を専門家に依頼した場合、報酬を払う必要があります。発生した過払い金の20%~25%を成功報酬として支払うのが相場ですが、よくわからないまま相場以上の報酬を払ってしまうケースもあるので情報収集も必要です。過払い金の有無に関わらず基本報酬をとる事務所は避け、相談料や着手金が無料の事務所を探すといいでしょう。

アコムでの借入ができなくなるリスク

アコムに過払い金請求をすると、アコムのカードは利用停止になり、アコムから借入ができなくなります。ただし、完済したあとの過払い金請求であればブラックリストにのるわけではないので、アコム以外の貸金業者からは借りることができます。

DCキャッシュワンなどのグループ会社からの借入れに注意

アコムの借入れを完済していてもDCキャッシュワンの借入れが残っている場合には完済扱いになりません。信用情報(ブラックリスト)に登録されるリスクを避けたいなら、DCキャッシュワンからの借入れも完済しておきましょう。

アコムマスターカードのショッピングの支払いも完済しておくこと

アコムではマスターカードというお買い物併用型のクレジットカードも発行していますが、ショッピングの支払いが残っていた場合、過払い金で相殺されます。それでもショッピングの支払いが残ってしまった場合はブラックリストにのる可能性があるので注意しましょう。

アコムが保証会社になっている銀行からの借入れにも注意

バンクイックやじぶん銀行のカードローン等はアコムが保証会社になっています。信用情報(ブラックリスト)に登録されるリスクを避けるには、これらの借入れも完済しておくことをおすすめします。

アコムとは?アコムの会社概要

最近では女優の永作博美さんをCMに起用し、「はじめての~アコム」というキャッチフレーズでも有名なアコム。自動契約機を初めて導入した消費者金融で、「むじんくん」でもおなじみです。赤に白抜き文字のロゴが特徴です。

三菱UFJフィナンシャルグループの連結子会社になっており、倒産リスクは極めて低いでしょう。平成28年5月9日の平成28年3月期決算短信においても、平成27年4月から平成28年4月までの間に、約145億円の純利益を出していることが記載されています。
前年より営業収益、純利益ともに上昇しています。株価、業績ともに好調で支払能力は問題ない会社です。

アコムの会社概要

商号 アコム株式会社
ブランド アコム
本社所在地 東京都千代田区丸の内2-1-1 明治安田生命ビル
資本金 638億3,252万円
貸金業者登録番号 関東財務局長(10)第00022号
関連 三菱東京UFJ銀行カードローン(バンクイック)、DCキャッシュワン、じぶん銀行カードローン