エイワは神奈川県に本社を置く中小規模の消費者金融です。
過払い金の返還を請求するにあたり、弁護士や司法書士などの専門家に依頼するか、自分で交渉するかが大きな分岐点となります。
専門家に依頼した場合は、解決報酬(成功報酬)として返還された過払い金の20%~25%を支払わなければなりません。その他に着手金をとる事務所もあります。
その点、自分で交渉する場合は情報収集の手間がかかりますが、返還された過払い金のほぼ全てを取得できます。また、手続きの途中から依頼することも可能なので、交渉や訴訟準備などが困難だと感じたら専門家に任せるという選択肢もあります。
本記事を通してエイワに過払い金を請求する際の手順や注意事項などを確認しておきましょう。
エイワの過払い金請求の対象期間と当時の金利は?
エイワでは平成22年頃に、金利およそ28.981%から金利17.9507%に引き下げられました。そのため、平成22年以前の借入契約時に過払い金が生じている可能性があります。
また、過払い金の返還請求ができる期間は、消費者金融との最後の取引(借金の返済も含む)から10年以内なので注意が必要です。
エイワの過払い金請求で多い傾向や特徴
エイワは中小企業のため、アコムやプロミスなど大手消費者金融に比べると資産は少ないです。しかし1961年から続く信用実績を考えると、融資の経営面はしっかりしていると言えるでしょう。
エイワは過払い請求に対して対応が非常に厳しいです。取引履歴の請求や過払い金の返還に非常に時間がかかるうえ、和解交渉では相当の減額を求められます。
また、実際に本人が過払い請求を行ったとき、担当者にお説教を受けて過払い金が請求しづらくなったという報告もあります。
ある程度の過払い金を回収するには訴訟するしかありませんが、ほとんどの場合に控訴が行われ、裁判期間が長くなる傾向にあります。そして過払い金確定後も支払いが一括では無く、何度かに分けて振り込まれることがあり、過去には全く支払われず強制執行された事例もあります。
エイワに過払い金を請求する場合、個人で行うには非常に手間が掛かります。ぜひ弁護士や司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。
エイワに過払い金請求したらいくら戻ってくるかの目安(返還率)
裁判(訴訟)を起こさず、話し合いにより和解した場合
返還率は過払い金の1~2割程度と相当低いです。経験豊富な弁護士や司法書士に依頼した場合でさえ、返還率は3割~4割ほどで、それ以上の額を回収するには訴訟を起こす必要があります。
裁判(訴訟)を起こした場合
返還率は基本的に過払い金の10割が認められますが、和解ではおよそ6割が限界です。エイワは過払い訴訟で徹底抗戦のかまえをみせるため、しっかりとした反論をする必要があります。
エイワから過払い金が戻ってくるまでの目安(返還期間)
裁判(訴訟)を起こさず、話し合いにより和解した場合
およそ3ヶ月~4ヶ月となります。取引履歴の開示が遅く、2ヶ月ほどかかります。請求書を発送してから早ければ1ヶ月ほどで担当者と和解交渉することができ、交渉がまとまれば数ヶ月以内に支払われます。まとまらない場合は裁判へと向かって動き出すことになります。
裁判(訴訟)を起こした場合
およそ5ヶ月~1年となります。どんな場合でも徹底的な主張が繰り返され、訴訟が長引く傾向にあります。いったん判決が出たとしても、ほとんどの場合に控訴が行われ、強制執行されるまで支払いがされない場合もあります。訴訟が長引くのを嫌う場合は6割ほどで和解を成立させることも可能です。
エイワに過払い金請求するデメリット
エイワを利用できなくなる
過払い請求を行うとエイワカードは自動的に解約処理となり今後は使用不可能となります。その後はエイワカードの再発行が出来ない可能性があります。
しかし完済した取引の過払い金請求であれば、過去の返済で延滞などが生じるなどしていない限り、再びカードが発行される傾向にあります。
エイワに返済中で過払い金請求する場合はブラックリストに注意
借金が残る場合は信用情報(ブラックリスト)にのる
エイワに過払い金額で相殺できないほどの借金を返済中の場合、それでも過払い金を返還請求した時はブラックリストに載ることになります。
ブラックリストはエイワだけではなく全ての金融機関で共有され、もし登録された場合はキャッシングや新規クレジットカードの発行ができなくなり、ショッピング・自動車・住宅ローンなどの利用も5年間制限されることになります。
過払い金で借金がゼロになれば信用情報(ブラックリスト)にのらない
返済中に過払い金を請求し、今現在の借金が全て相殺された場合はブラックリストに載ることはありません。返還請求を行う前に、先ずは過払い金の正確な計算を行い、現在の借入残額と比較しておきましょう。
エイワに過払い金請求する注意点
過払い金を早く返還して欲しい方
エイワは過払い金の支払いが遅いことで有名です。訴訟で過払い金と支払日が確定したとしても、支払われない場合もあります。その際は強制執行されるまで待つ必要があるため、エイワから過払い金がいつ支払われるか判断できないというのが現状です。
すぐに過払い金が必要な方は、減額に応じて和解を成立させる必要があるので注意が必要です。
エイワに過払い金請求するなら時効に注意
過払い金請求の時効
過払い金請求の権利は、最後の取引から10年で消滅してしまうのでご注意ください。過払い金請求の時効は借入した日ではなく、最後に返済した日からカウントされます。
また、完済した後すぐに新規借入をおこなっていた場合は、併せて1つの取引とみなすか、別々の取引とみなすかで過払い金請求の時効のカウントが始まる日が異なるので、過払い訴訟の争点となる場合があります。
エイワでは訴訟の際、ここを争点として強気な主張が行われるため、しっかりとした反論が求められます。
時効が間近に迫っている場合
最も手軽な方法としてエイワに内容証明郵便を送付する「催告」を行います。催告は過払い金請求を行うという意思表示です。催告によって時効の進行が停止している半年間の間に、改めて過払い金を請求する手続きを取ります。
エイワでは取引履歴や担当者からの連絡に時間が掛かる傾向にあるため、一刻も早く過払い請求の手続きを取る必要があります。
エイワに過払い金請求する流れ
【1】エイワから取引履歴を取り寄せる
電話で取り寄せる
電話にてエイワに「契約内容を確認したいので、契約当初からの取引履歴が欲しい」と伝えます。本人確認の後、受け取り方法を指定しますが、取引履歴を取得するまでおよそ2ヶ月かかります。
また、エイワでは10年分の取引履歴しか開示されません。10年以上のとりひきについて過払い請求を行う場合は、過払い金を推定して計算する必要があります。計算が複雑になる可能性が高いため、弁護士や司法所になどの専門家に頼むことをおすすめします。
FAXか郵送で取り寄せる
以下のURLから取引履歴開示請求書をダウンロードし、必要事項を記入してエイワに送付します。ここでは例として名古屋消費者信用問題研究会のフォーマットを紹介しています。2ヶ月ほどで取引履歴がエイワから送られてきます。
http://kabarai.net/format/index.html
もちろん弁護士や司法書士に依頼した場合は取引履歴の取得の手続きも全て任せることができます。
【2】過払い金の計算(引き直し計算)をする
引き直し計算とは
引き直し計算とは取引履歴を元に正確な過払い金を計算することです。引き直し計算は通常パソコンを使い、エクセルや専門の計算ソフトを用いて行います。
無料の引き直し計算ソフト紹介(TDON、名古屋式、外山式)
よく利用されているソフトとしてTDON、外山式、名古屋式の3つが上げられます。
TDONは有料ソフトですが、パソコンにエクセルが入っていなくても利用でき、試用期間の7日間は無料です。外山式・名古屋式はエクセルの試用が必須ですが、無料で利用することが出来るのが特徴です。また公式サイトではよくある質問などがまとめられています。
外山式(現:アドリテム司法書士法人)
名古屋式(名古屋消費者信用問題研究会)
【3】エイワへ過払い金返還請求書を送る
過払い金返還通知書の書き方
書き方などに厳密な規定はありませんが、ここでは名古屋消費者信用問題研究会のフォーマットを紹介します。過払い金返還通知書のフォーマットを以下のURLからダウンロードし、必要事項を記入します。
http://kabarai.net/format/index.html
内容証明郵便にて送付する
封筒(形式自由)1通と記載した過払い金返還通知書をコピーして合計3部、引き直し計算の表をプリントアウトして3部、そして内容を修正する際に必要な印鑑を持って郵便局へ行きます。内容証明郵便を扱わない郵便局もあるので、事前に調べておきましょう。
内容証明郵便の郵送には内容証明料430円、書留料430円、任意で配達証明料430円がかかります。また、請求書類が1枚増えるごとに260円の費用が追加されます。
【4】電話での話し合いによる交渉(和解交渉)
過払い金請求書を送付後、1ヶ月ほどで担当者から連絡が来ます。そしてエイワでは過払い金の1~2割ほどの非常に低い金額を目安に和解の提案をしてきます。それ以上の回収率を望む場合には、和解するにしろ訴訟するにしろ弁護士や司法書士に依頼することが望ましいです。
過払い請求で弁護士や司法書士に依頼した場合の一番のメリットはこの和解交渉ですが、エイワでは和解での過払い金の回収率はおよそ4割が限界です。また、他の業者に比べ自身で訴訟を行うのは困難を極めます。訴訟を見据えた場合も必ず専門家に依頼しましょう。
この交渉で和解が成立しなかった場合は裁判を起こすことになります。
【5】過払い金返還請求訴訟の提起(裁判)
裁判に必要な書類
・訴状
・取引履歴
・引き直し計算書
・登記簿謄本
・証拠説明書(提出を求められない事も多い)
訴状と証拠説明書は以下のURLからフォーマットをダウンロードし、必要事項を記入します。
訴状
証拠説明書
登記簿謄本は法務局でエイワの本店所在地を用紙に記入することで取得出来ます。その際費用として600円かかります。
裁判費用
裁判所から貸金業者に訴状を郵送する代金が6000円ほどかかります。
さらに返還請求額に応じて印紙代がかかります。具体的な金額は以下のURLを参考にして下さい。
http://www.courts.go.jp/vcms_lf/315004.pdf
訴訟の提起
提訴はエイワ本社の所在地である神奈川裁判所か、自身の住所を管轄する裁判所に行います。そして請求金額が140万円以下の場合は簡易裁判所に、140万円を超える場合は地方裁判所に提訴します。過払い金の利息は上記金額には含まないので注意が必要です。
訴訟を起こした後は月に1度ほど口頭弁論が行われます。裁判はだいたい平日の午前中に行われますが、事前に出席できる期日に設定しましょう。もちろん弁護士や司法書士に依頼すれば裁判も代理で行ってくれますし、自身が出席する必要もありません。
【6】過払い金額の和解交渉
大半は第2回口頭弁論までの間に担当者から連絡があり、さらなる和解交渉をすることとなります。ここで納得いく金額・日程の提示があれば、判決を待たずに裁判外で和解を成立させることも可能です。
エイワでは和解が成立するとしても6割ほどが限界です。また、判決では基本的に過払い金の満額が認められますが、支払日はかなり遅いです。過去の事例では強制執行まで支払いが行われなかったこともあるため、支払日が遅いと不都合な場合には和解に応じるしかありません。
【7】過払い金の返還
裁判での勝訴もしくは裁判外での和解がまとまれば、ようやく過払い金が返還されます。弁護士や司法書士事務所に依頼した場合、そこから報酬が引かれて事務所から振り込まれることになります。
ライフやアイフルといった消費者金融と同様に、エイワへの過払い請求は、個人では特に難しいとされています。低い金額での和解交渉を望むとき以外は弁護士や司法書士に依頼するのが無難でしょう。また、一度和解交渉をしてみて納得がいかない場合などは途中からでも、ぜひ専門家に相談しましょう。
エイワの会社概要
商号:株式会社エイワ
本社所在地:〒220-0023 神奈川県横浜市西区平沼1-7-12
問い合わせ:0120-810-453