会社都合で退職を余儀なくされ、生活の安定が脅かされた経験は少なからずの人があると思います。
私はそれまでは、自分が働いていた会社がなくなることは「テレビのドキュメンタリー番組の話」程度にしか考えていませんでした。
しかし、2014年にそれを肌感じた時に、当たり前にもらえていた給料の重みを初めて知ることになりました。
明日の生活が強烈な不安に襲われる日々の繰り返し、いつ支払いをしてもらえるのかわからなくなる不信感、「不安」と「不信」が間断なく増え続ける毎日は地獄そのものでした。
その時に「やむなく」とはいえ、生活のために選んだ手段としての「キャッシング」には多少なりとも救われました。
皆さんも勤め先が今後、破産や父さんの危機に見舞われることもあると思いますが、まずは慌てずに対策を考えて見てください。
思いのほか、打つ手はたくさんあります。
2014年6月、転職でIT系の会社に入社しました。
エンタメ系のコンテンツを開発しているベンチャー企業です。
しかし、入社した月の末に全従業員を呼び出されて社長から言われたのは、「取引先との関係が切れてしまい、資金ショート起こしそうです」との説明でした。
また、給与に関しても「キチンとするけど、少し遅延してしまう」とのことでした。
なんとか1ヶ月目の給与は満額支払いをしてもらえましたが、それ以降の分は支払われずそのまま入社2ヶ月が経過し、8月初旬に言われたことは「全社員の雇用ができなくなり、役員への役員報酬も支払えなくなりました」とのこと。
即ち、全従業員全員の会社都合退職でした。
この時点で25万円/月×2ヶ月で合計50万円の給与が未払いの状態となっており、わずかな貯金では個人的な財布が資金ショートすることは目に見えていました。
また、この時既に別で100万円の借金があり、4万円/月の返済もあったため、非常に経済的に追い詰められていました。
もちろん転職活動はしましたが、それと並行して当面の生活費を確保するために選んだ方法。
それは、キャッシングローンでした。
給与口座が三菱東京UFJ銀行であったこともあり、そのまま三菱東京UFJ銀行カードローンで申し込むことにしました。
銀行系を選んだ理由は、総量規制対象外のため年収の制限がないことと、給与受取口座で使っていた銀行のキャッシングローンということもあり、「審査のハードルが低いのは?」と漠然と考えていたからです。
案の定、50万円の融資はすぐに受けることができ、当面の生活に困ることなく転職活動を行うことができました。
しかし、肝心の転職において大きな失敗を犯してしまいました。
「職を見つけること」に必死すぎて「待遇」の部分をあまりにも見なさすぎた会社選びをしてしまったことです。
結果的に給与がかなり下がり、当時既に抱えていた借金の返済と合わせて大変な負担がのしかかってしまいました。
2017年現在、古い借金は35000円/月、新しい借金は1万円/月ずつ返済しています。
ただし、新しい借金は利息込みの定額払いのため、実際の元金は5000円ずつしか減っておらず、自動引き落としだけでは先が遠い返済計画になっています。
現在は、その反省を活かした転職を行い、ようやく勤め先の給与が大幅に上がったことで、金銭的に余裕ができました。
今後は、勤め先の給与から少しでも捻出して、月額返済とは別で随時返済をしていくつもりです。
その見通しがたった今は、決して返済生活を苦とは思わなくなり、果たすべき責任と考えられるようになりました。
10年続く会社は全体の1割程度と言われている昨今、給与の心配は多くの社会人の不安の種になっていることと思います。
その中で「借金」というのをネガティブなものではなく、危なくなった自分の経済的な支えになってくれるツールとして考えてみると良いと思います。
もちろん返済の義務は負いますが、過度の負担にならなければ、一度お金を借りた経験は無駄にはならないと思います。
50万円と決して負債額としては大きくなかったので、過払金請求は考えずにこのまま「返済」という名の責任と向き合うことにしました。
何より、過払金請求を行うリソースすら、「稼ぐこと」に全て注ぎたいという思いがありました。
まだ時間はかかりますが、できる限り「負債額を減らす」のではなく「稼ぎを増やす」ことで、清算していきたいと考えています。
しかし、決して無理は禁物であり、私は「稼ぎ」の目処がたったからこそ「過払金請求」をしなかっただけであり、手段にこだわらずに清算をしていく人は、士業士の方の助言をよく聞いて「過払金請求」を含めた全ての可能性を信じて見ていただくことをお伝えしておきます。