過払い金

楽器にかけた借金

借金理由:楽器には良いものを長く使いたいため

属性1:年代 10代
属性2:性別 男性
属性3:職業 フリーター
属性4:住まい 神奈川県

弾き語りへの憧れ。躊躇せず借金

中学から高校生の時にかけて、僕の家庭は母親が喧嘩っ早いため、些細な事で夫婦ゲンカが多く、僕は自分の部屋で耳を塞ぎながら閉じこもっていました。母親は酒癖が非常に悪く、喧嘩はエスカレートしていき、やがてリビングから食器や花瓶の割れる音が聞こえてきました。住まいは集合住宅でした。そのため、隣近所に喧嘩をしている様子が筒抜けでした。

夫婦ゲンカの延長で僕に八つ当たりをするようになりました。成績の悪さを問い詰められ、僕は暴力を振るわれるようになりました。顔に殴られたアザが消えないまま登校していた時期もありました。性格は内向的になり、友達ともうまく話ができなくなっていきました。

暗い性格だった高校生の時、CDをツタヤで借り、カセットテープにダビングしていました。そのダビングされたカセットテープを、アルバイト代で買ったカセットウォークマンで、聞いて通学するのが日課でした。すると1人のアーティストにのめり込むようになり、人気のない所では歌いながら通学していました。学校生活より、通学時間が何よりも楽しみでした。

家でCDを買った時、母親から捨てられた出来事もあったので、到底買う気にはなれませんでした。カセットウォークマンを机の奥の鍵のある引き出しに大切に保管していました。

やがて学校は夏休みに入り、ウォークマンで音楽を聴きながら電車に乗って新宿を散策していました。夜の20時になり、辺りの店が閉店し、次々とシャッターを閉めていきます。もう遅いし帰ろうかなと思った矢先、新宿の大ガードの前で人だかりがありました。

そこではアコースティックギター片手に歌っているお兄さんがいました。ちょうど僕のいつも聞いているアーティストを演奏していて、僕は足を止めて聴き入るようになりました。そそくさと帰宅を急ぐサラリーマンが多い中、この時間はゆっくり過ぎていく気がしてとても心地よかったです。お兄さんも地面を揺るがすほどの心に響く歌声で、一瞬にして虜になりました。

僕も好きな歌を人に届けたいと素直に思うようになり、迷うこと無く決意することにしました。

夏休みなので、翌日すぐに新宿の楽器屋に足を運びました。アコースティックギター売り場では、高いものから安いものまでいろいろなギターがありすぎて、どれを決めようか迷いました。とりあえず安いギターでいいやと手にしたギターは10万円でした。

後にもっと安いギターが別のフロアにあることを知りましたが、躊躇せずにそれを購入しました。現金がないので、ローンで購入しました。石橋楽器のショッピングクレジットであり、高校生でも親の同意を得てローンが組めました。親の了承は父を頼みました。月々5000円の24回払いになりました。僕はアルバイトのお金から支払いをしました。

僕は無我夢中でギターを弾き、だんだん弾き語りに慣れていきました。友達も多く出来て、始めて良かったと今でも思っています。始めて10年くらいすると、初めて買った僕のギターが弾きづらくなりました。雨の中も構わずギターを濡らせてしまったことが災いしました。僕はまた新しいギターが欲しいと思うようになっていきました。

出来もしないのにいろいろ買いすぎた。借金をしてまで…。

僕は社会人になり、仕事の休日を利用して、新しいアコースティックギターを見に楽器の街・御茶ノ水に電車で行きました。いろいろなギターを試奏して、とても惚れ惚れするギターに出会いました。定価は30万円でした。

僕はその時は貯金を10万円していて、全てを頭金にして、再度ショッピングクレジットを組みました。会社はアプラスです。無事審査は通り、今度は1万円の24回払いで無理のない返済計画を立てました。

音楽の関連費は、これだけならば負担は少なかったのですが、ギター弾き語りがいろいろできるので、他のいろいろなアーティストに興味を持ちました。そしてこのギターを購入したさらに5年後、ピアノの弾き語りもしたくなってヤフーオークションで電子ピアノを購入しました。電子ピアノは54,000円でした。

僕の弾き語りはスタジオ練習もしていて、マイクやYouTube撮影用のボイスレコーダー、ハーモニカ、譜面台、スコア等にもお金をかけ、だいたい月平均2~3万円の機材等の出費がありました。さらに歌がうまくなりたくてヴォーカル教室に通うようになりました。教室に通うことは懐が痛まないのですが、欲が出てやりもしないのにあれこれ機材を買うのはさすがに無駄だと思いました。

いろいろ購入したけど、初心にかえると僕はギターだけで十分だとわかりました。あれこれ買った機材は売るか処分して、部屋のスペースを広くすることに専念しました。機材にお金をかけたところで、上達ができるわけでもありません。そう考えた時、今まで集めた機材が意味のないものに見えてきました。今はあぐらをかいて、部屋でギターを弾くことが僕の一番の楽しい瞬間です。