過払い金請求をしたいけど、弁護士費用が支払えるか不安な方のなかには、法テラスを利用することを考えている方もいるかもしれません。
ただ、法テラスで過払い金請求をした場合、どのぐらいの費用がかかるのか気になっていませんか?
この記事では、
- 法テラスで過払い金請求を行う3つのメリット
- 法テラスで過払い金請求を行う際のデメリットや注意点
- 法テラスで過払い金請求をした場合と弁護士に依頼した場合の比較
などなど、法テラスでの過払い金請求について解説します。
この記事を読むことで、法テラスと弁護士事務所のどちらの方法で過払い金請求をしたら良いのか理解できるようになります。
法テラスで過払い金請求を行う3つのメリット
法テラスでは、過払い金請求に関する相談を行ったり過払い金請求を行ったときにかかる費用の立て替えができます。
では、法テラスで過払い金請求を行った場合、どのようなメリットがあるのでしょうか?
過払い金請求を法テラスで行うメリットは以下の3つです。
- 1回あたり30分、合計3回まで無料で弁護士や司法書士に相談できる
- 費用が統一されており、実質負担額0円で請求できることもある
- 請求費用の立て替えや分割払いでの支払いが可能
1回あたり30分、合計3回まで無料で弁護士や司法書士に相談できる
法テラスでは、弁護士や司法書士に無料で相談できます。相談時間は1回あたり30分、回数は3回までと決められています。
直接弁護士事務所や司法書士事務所で相談した場合、無料で相談できる事務所もありますが、30分あたり5,000円〜1万円前後の相談料を取られる事務所もあります。
しかし、法テラスで過払い金請求の相談をした場合は、無料で相談が可能ではあるものの3回までと回数に制限があります。
費用が統一されており、実質負担額0円で請求できることもある
法テラスの制度を利用して過払い金請求をした場合にかかる費用は、ある程度統一されています。
まず、法テラスの制度を利用した場合にかかる費用は、以下の2種類の規定により決まっています。
- 法務大臣より認可を受けた業務方法書に記載の代理援助立て替え基準
- 民事法律扶助業務運営細則第36条の1および第36条の2
過払い金請求については、
- 任意整理や特定調停をした後に過払い金請求をするケース
- 過払い金請求のみを行うケース
いずれのケースにおいても、業務方法書の任意整理事件・特定調停事件に記載されている費用があてはまります。
金融機関など債権者の数 | 実費 | 着手金 |
---|---|---|
1社〜5社 | 2万5000円 | 11万円 |
6社〜10社 | 2万5000円 | 15万4000円 |
11社〜20社 | 3万円 | 17万6000円 |
21社以上 | 3万5000円 | 19万8000円 |
※実費や着手金は債権者の数により記載の金額よりも減額されることがあります。
次に民事法律扶助業務運営細則第36条3項および第36条の2では、以下のように定められています。
第36条3項 前二項の不当利得返還請求において、当該受任者が案件を処理した結果、過払金が回収された場合には、業務方法書第50条による追加支出の手続に準じ、交渉による回収のときは回収額の15パーセント(消費税別)、訴訟による回収のときは回収額の20パーセント(消費税別)を報酬金として決定する。ただし、報酬金の額(消費税込)は、回収額に基づき業務方法書別表3の代理援助立替基準により算出される不当利得返還請求事件の実費、着手金及び報酬金の合計額(消費税込)を上限とする。
第36条の2 業務方法書別表3の1(6)⑮に規定する任意整理事件・特定調停事件における実費等及び着手金の基準額(同表の1(6)⑮の実費等備考欄及び着手金備考欄第1項に基づき調整された金額を含む。)は、同表の(注)4の規定に基づいて減額する場合には、債権者数に応じ、以下の額とする。
債権者数1社 実費等10,000円 着手金33,000円
債権者数2社 実費等15,000円 着手金49,500円
債権者数3社 実費等20,000円 着手金66,000円
債権者数4社 実費等20,000円 着手金88,000円(引用元:民事法律扶助業務運営細則|日本司法支援センター)
民事法律扶助業務運営細則第36条3項によると、過払い金が回収について、交渉により回収額が決定した場合と訴訟により回収額が決定した場合では報酬金の割合が異なると明記されています。
また、業務方法書に定められている、任意整理事件・特定調停事件における着手金や実費などについては、金融機関など債権者の数に応じて減額されることがあります。
減額された場合の実費や着手金については以下の通りです。
金融機関など債権者の数 | 実費など | 着手金 |
---|---|---|
1社 | 1万円 | 3万3000円 |
2社 | 1万5000円 | 4万9500円 |
3社 | 2万円 | 6万6000円 |
4社 | 2万円 | 8万8000円 |
このように法テラスで過払い金請求をした場合にかかる費用は、業務方法書と民事法律扶助業務運営細則により定められています。
ただし、地域により若干の幅はあるため、お近くの法テラス地方事務所に問い合わせをして確認を行ってから制度を利用することを推奨します。
なお、過払い金請求が認められた場合、多くの金額を取り戻せる可能性があります。
取り戻した金額が多ければ、その費用で弁護士や司法書士への報酬などを賄えることもあるのです。
法テラスを利用すれば、実質負担額0円で過払い金請求ができる可能性があります。
請求費用の立て替えや分割払いでの支払いが可能
法テラスでは、経済的に余裕のない方でも過払い金請求などを行えるように、弁護士や司法書士への着手金や実費などを限度額の範囲内で立て替えてもらうことが可能です。
この制度を民事法律扶助制度と呼びます。
また、立て替えた費用は、援助の開始を受けた後に分割で支払うことができ、経済的に余裕のない方でも、安心して返済ができます。
民事法律扶助制度を利用した場合の返済方法
返済期間 | 原則3年以内 |
返済開始日 | 契約締結2か月後 |
返済日 | 毎月ごと |
返済金額 | ・毎月5000円〜1万円ずつ返済 ・毎月の返済額について減額や増額されることもある |
さらに、事件終了後に以下のような事情がある場合は、立て替えてもらった費用の全額もしくは一部の返済を免除される可能性があります。
- 生活保護を受けている場合
- 生活保護は受けていないが収入を得るのが難しいと認められた場合
立替金の支払いを免除してほしい場合は、過払い金請求の事件終了後、「償還免除申請書」と必要書類を法テラス本部の免除係へ提出する必要があります。
法テラスで過払い金請求を行う3つのデメリット
法テラスでも過払い金請求を行うことができますが、デメリットもあるので注意が必要です。
事前にデメリットについても把握してから、法テラスと弁護士や司法書士のどちらの方法で過払い金請求を行うか決めても遅くありません。
法テラスで過払い金請求を行う場合、以下の3つのデメリットがあります。
- 取り戻した過払い金の15%以上を必ず報酬として取られる
- 着手金がかかる
- 過払い金請求が得意でない弁護士や司法書士が担当すると、取り戻せる金額が少なくなることもある
1.取り戻した過払い金の15%以上を必ず報酬として取られる
法テラスで過払い金請求をすると、過払い金額のうち以下の割合に相当する金額を報酬として支払わなければなりません。
- 和解など交渉による回収は15%
- 裁判による回収は20%
法テラスの民事法律扶助制度を利用すれば、弁護士や司法書士よりも過払い金報酬額を抑えられる可能性があります。
ただし、弁護士や司法書士よりも法テラスを利用した方が、必ず過払い金報酬額を抑えられるわけではありません。なぜなら、弁護士事務所や司法書士事務所のなかには、過払い金報酬を15%以下に設定している事務所もあるからです。
過払い金請求にかかる費用を抑えたいのであれば、法テラスの費用だけではなく、弁護士事務所や司法書士事務所の費用と比較して決めた方が良いです。
2.着手金がかかる
法テラスの制度を利用して過払い金請求をした場合、必ず着手金がかかります。
たとえば、金融機関など債権者の数が1社であれば3万3000円前後、2社であれば4万9500円前後かかります。
一方で、弁護士事務所や司法書士事務所に依頼した場合、着手金を無料にしている事務所も珍しくありません。
そのため、法テラスを利用した場合の着手金が、必ず弁護士事務所などの着手金よりも安くなるとは限らないのです。
3.過払い金請求が得意でない弁護士や司法書士が担当すると、取り戻せる金額が少なくなることもある
法テラスで民事法律扶助制度を利用すると、過払い金請求の担当弁護士・司法書士を選べません。
過払い金請求の分野に強くない弁護士や司法書士が担当者になった場合、取り戻せる過払い金額が想定していた金額よりも低くなる可能性があります。
では、なぜこのようなことが起きるのでしょうか?
その理由は、過払い金請求で想定した金額を取り戻すためには、以下の2つが必要だからです。
- 金融機関など債権者との交渉力
- 過払い金請求の実績
過払い金の請求先である債権者側にも弁護士がついています。
豊富な知識や交渉力がない弁護士や司法書士が担当してしまうと、債権者側の言い分が通ってしまうため、取り戻せる金額が減ってしまうことがあるのです。
そのため、法テラスを利用する方の多くは、先に弁護士や司法書士に相談をして法テラスの制度を利用することがほとんどです。
弁護士や司法書士を通して法テラスを利用すれば、担当の弁護士や司法書士をそのまま過払い金請求の担当者にできます。
その結果、弁護士費用を抑えながら、より多くの過払い金を取り戻すことができるのです。
法テラスで過払い金請求を依頼する際の注意点
法テラスで過払い金請求を依頼する際には、以下の点に注意しましょう。
- 法テラスを利用するためには条件を満たす必要がある
- 審査に通るために多くの書類を揃えなければならない
- 金融機関からの督促や取り立てが止まるまで時間がかかる
これらの注意点は、必ず法テラスを利用する前に確認しておく必要があります。
1.法テラスを利用するためには条件を満たす必要がある
法テラスで「過払い金についての法律相談」「弁護士や司法書士費用などの費用を立て替える代理援助や書類作成援助」を利用するためには、条件を満たす必要があります。
法律相談 | 代理援助および書類作成援助 | |
---|---|---|
収入額が一定額以下 | 必要 | 必要 |
訴訟で少しでも勝てる可能性がある※ | 満たしていなくても良い | 必要 |
民事法律扶助の趣旨に適している | 必要 | 必要 |
※和解も含む
まずどちらの制度を利用する場合でも、申込者と配偶者の収入額が同居している世帯人数に応じた以下の金額以下でなければ利用できません。
人数 | 手取り月収額の基準 | 家賃又は住宅ローンを負担している場合に加算できる限度額 |
---|---|---|
1人 | 18万2000円以下 | 4万1000円以下 |
2人 | 25万1000円以下 | 5万3000円以下 |
3人 | 27万2000円以下 | 6万6000円以下 |
4人 | 29万9000円以下 | 7万1000円以下 |
(引用元:無料法律相談のご利用の流れ|法テラス)
さらに、申込者と配偶者が以下の資産を保有している場合は、それらの時価と現金・預貯金の合計額が基準額以下でなければ利用できないです。
- 不動産(自宅や訴訟中のものは除く)
- 株式
- 債権(国債や社債など)
- 手形
- 小切手
なお、法律相談を利用する場合は、現金と預貯金の合計額で判断を行います。
人数 | 資産合計額の基準 |
---|---|
1人 | 180万円以下 |
2人 | 250万円以下 |
3人 | 270万円以下 |
4人以上 | 300万円以下 |
(引用元:無料の法律相談を受けたい|法テラス)
代理援助や書類作成援助を利用するためには、訴訟で少しでも勝てる可能性がなければ利用できません。
したがって、過払い金として認められる借金がないような場合は、代理援助や書類作成援助を利用することは不可能です。
また、どちらの制度も民事法律扶助の趣旨に適していなければ利用できません。民事法律扶助の趣旨に反する行為とは、以下のような行為のことです。
- 宣伝のために利用したい
- 相手への報復のために利用すること
このように法テラスは、定められた条件を満たした方しか利用できないので、利用する前に条件に該当するかどうか調べておく必要があります。
もし、法テラスの利用条件を満たさないのであれば、自分で過払い金請求をするのではなく、弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。
2.審査に通るために多くの書類を揃えなければならない
法テラスの利用条件に該当した場合でも、審査に通るために多くの書類を用意しなければなりません。
そのため、法テラスの制度を利用するために必要な書類については、事前に知っておく必要があります。
まず法律相談をする場合に必要な書類は援助申込書のみです。以下の情報を記入して提出してください。
- 住所・名前・収入などの個人情報
- 同居している家族の名前や住所など
- 金融機関など債権者の会社名や住所など
一方、代理援助や書類作成援助を利用する場合は、申込時および審査時に提出しなければならない書類が多いです。
申込時に必要な書類 | ・住民票(世帯主全員分)※ ・援助申込書 ・資力申告書(生活保護受給者以外) ・債務一覧表 |
---|---|
審査時に必要な書類 | ・収入に関する証明書 ・財産に関する資料(固定資産評価証明書など) ・本人確認書類 |
※マイナンバーの記載がないもの
さらに、必要書類に加えて、印鑑や口座の通帳も必要です。
また、資力を証明する資料については、申込者の状況により提出書類が異なります。
いずれかの提出が必要な書類 | 必ず提出が必要な書類 | |
---|---|---|
会社員など給与をもらっている方 | ・直近2か月分の給与明細および直近の賞与明細 ・源泉徴収票 ・課税証明書 ・非課税証明書 |
なし |
生活保護の受給者 | ・生活保護受給証明書 ・生活保護決定書 ・生活保護受給者証 |
なし |
自営業をしている方 | ・確定申告書の写し(直近1年分で収受印があるもの) ・課税証明書 |
なし |
年金を受給している方 | ・年金振込通知書 ・年金払込通知書 ・年金証書 |
なし |
無職 | ・雇用保険受給者証明書 ・離職票 ・解雇通知 |
直近の非課税証明書 |
(引用元:民事法律扶助のしおり|法テラス日本司法支援センター)
一方で、過払い金請求を弁護士や司法書士に依頼する際には、以下の書類を揃えるだけなので楽です。
- 本人確認書類
- 印鑑
- 金融機関など債権者との契約書
- 借入や返済をした際に発行される取引明細書
なぜなら、債権者との交渉や訴訟を起こす際に必要な書類の作成は、弁護士・司法書士事務所が代行するからです。
このように法テラスを利用する場合、多くの必要書類を提出しなければならないので、手続きの手間や時間がかかります。
3.金融機関からの督促や取り立てが止まるまで時間がかかる
法テラスに行き、代理援助や書類作成援助などを利用した場合、金融機関など債権者からの督促や取り立てが止まるのに時間がかかります。
その理由は、法テラスを利用する際の審査に2週間〜1か月前後もかかるからです。
- 援助申し込み
- 法律相談の申し込み
- 法テラスの事務所で法律相談
- 制度の書類を揃えて申し込み
- 代理援助や書類作成援助などの審査
- 審査通過後、担当の弁護士や司法書士が決定
- 費用の立て替えが可能になる
- 弁護士や司法書士が金融機関など債権者と交渉
- 和解or裁判により取り戻せる過払い金が決定
- 立替金の返済を行う
そのため、法テラスで代理援助や書類作成援助を利用した場合、債権者からの督促や取り立てが止まるのに時間がかかります。
しかし、事前に弁護士や司法書士に相談をした上で、申し込んだ場合は、話が別です。
なぜなら、弁護士や司法書士が代理援助や書類作成援助の審査結果がわかる前に、債権者に対して督促や取り立てを止めるための受任通知を送るからです。
そもそも、弁護士や司法書士が援助が決定する前に、受任通知の通達などをしてはならないという規定はありません。
したがって、過払い金請求の費用について心配している方は、いきなり法テラスに行き相談をするのではなく、まずは弁護士や司法書士に相談すべきです。
ただし、援助の決定がされない限り、一切仕事に着手しない弁護士や司法書士もいるため、必ず相談時に受任通知の通達時期について聞いておきましょう。
過払い金請求は法テラスと弁護士に依頼した場合ではどちらが費用を抑えられるのか?
法テラスで過払い金請求を行った場合と法テラスを利用せずに弁護士に直接依頼した場合では、どのぐらい費用が変わってくるのでしょうか?
この章では、以下のケースにもとづき、どちらの方法を利用した方が過払い金請求の費用を抑えられるのか解説します。
なお、
- 過払い金請求をする際の費用
- 取り戻せる過払い金の割合
- 支払わなければならない過払い金報酬の割合
については、あくまでも概算です。
弁護士事務所により費用が違う場合があるため、過払い金請求をする際には、事前に費用の見積もりを依頼してから選びましょう。
過払い金請求額の合計 | 300万円 |
---|---|
過払い金請求を行う債権者数 | 3社 |
和解をしたとき取り戻せる過払い金の割合 | ・法テラスの場合は60% ・弁護士に直接依頼した場合は80% |
裁判で取り戻せる過払い金の割合 | ・法テラスの場合は80% ・弁護士に直接依頼した場合は100% |
和解成立時の過払い金報酬の割合 | 15% |
裁判時の過払い金報酬の割合 | 20% |
法テラスで依頼した場合
法テラスで3社分の過払い金請求の依頼をした際にかかる費用は、実費など2万円+着手金66000円+過払金報酬額です。
そして、法テラスの担当弁護士(過払い金請求に強くないケース)が債権者との交渉の結果、和解で解決した場合と裁判で解決した場合にかかる費用を計算すると、今回のケースでは以下のような結果になります。
和解の場合 | 裁判の場合 | |
---|---|---|
取り戻した過払い金額 | 180万円 | 240万円 |
すべての費用の合計額 | 35万6000円 | 56万6000円 |
過払い金額から法テラスへの費用を引いた金額 | 145万4000円 | 183万4000円 |
法テラスに依頼した場合、和解よりも裁判の方が弁護士費用が高くなります。その理由とは、裁判は和解と比べて手続きが増えるからです。
しかし、和解よりも裁判で取り戻せる金額の方が高いため、裁判で決着をつけた方が多くのお金が手元に残りやすいです。
また、先に弁護士事務所に相談を行ってから、法テラスを利用すれば、過払い金請求を得意としている弁護士に依頼ができます。
過払い金請求を得意としている弁護士なら、取り戻せる過払い金額も多くなるので、直接法テラスから制度を利用するよりも、手元にお金を残すことができるのです。
弁護士に依頼して法テラスを利用しなかった場合
弁護士に依頼した場合、支払うべき費用は弁護士事務所により異なります。この記事では相談料と着手金が無料の弁護士事務所のケースで考えてみましょう。
相談料 | 0円 |
---|---|
着手金 | 0円 |
基本報酬 | 1社あたり3万円 |
過払い金報酬額 | ・和解の場合は過払い金額の15% ・裁判の場合は過払い金額の20% |
実費 | 1社あたり2万円 |
弁護士事務所に過払い金請求の依頼を行った場合の費用は、以下のような結果となります。
和解の場合 | 裁判の場合 | |
---|---|---|
取り戻した過払い金額 | 240万円 | 300万円 |
すべての費用の合計額 | 51万円 | 75万円 |
過払い金額から弁護士費用を引いた金額 | 189万円 | 225万円 |
まず、基本報酬として3社で6万円、実費が3社で9万円かかります。
さらに過払い金報酬額を加えると、法テラスを利用する場合よりも弁護士費用が多くかかります。
ただし、過払い金請求を得意としている弁護士事務所に依頼した場合、取り戻せる過払い金額が多くなる可能性が高いです。そのため、弁護士費用を支払っても、多くのお金が残るのです。
過払い金請求をするときに弁護士事務所を選ぶポイント
過払い金請求をする場合、法テラスから紹介された弁護士よりも、過払い金請求を得意としている弁護士事務所で依頼したほうが、多くの過払い金を取り戻すことが可能です。
では、過払い金請求をするときに弁護士事務所を選ぶためには、どのようなポイントがあるのでしょうか?
具体的には、以下のような基準や選び方で弁護士事務所を選ぶと良いでしょう。
- 着手金が無料
- 直接相談できる事務所を選ぶ
- 複数の事務所から相見積もりを取って弁護士事務所を決める
- 過払い金返還の実績があるなど、過払い金請求を得意としている事務所を選ぶ
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着手金が無料
弁護士事務所によっては、過払い金請求の着手金を無料に設定している事務所も多くあります。
着手金がかかる弁護士事務所を利用すると、債権者1社につき1万円〜2万円前後がかかります。そのため、過払い金請求の債権者が複数ある場合は、費用が高くなりがちです。
着手金が無料の弁護士事務所を利用すれば、債権者が複数あっても着手金は無料です。弁護士費用を抑えるためにも、着手金が無料の弁護士事務所を選びましょう。
直接相談できる事務所を選ぶ
弁護士事務所のなかには、過払い金請求についての相談をしたときに事務員が担当するケースもあります。
ただ、事務員に相談後、弁護士が相談にのってくれない場合は、注意が必要です。
なぜなら、事務員の方は専門的な知識があるとは限らず、過払い金請求についての正しい解決方法を教えてくれない可能性があるからです。
過払い金請求について相談をするときは、必ず弁護士に直接相談できる事務所を選ぶべきです。
複数の事務所から相見積もりを取って弁護士事務所を決める
過払い金請求にかかる費用は、着手金や基本報酬だけでなく、過払い金報酬額も事務所ごとに異なります。誤って相場よりも高い弁護士事務所を利用した場合、手元に残る過払い金が少なくなります。
そのため、1社だけに相談するのではなく、複数の弁護士事務所から見積もりを取ってから検討した方が良いでしょう。
弁護士費用については、各弁護士事務所のホームページで公開されていたり、弁護士事務所に相談をすればわかります。
過払い金返還の実績があるなど、過払い金請求を得意としている事務所を選ぶ
過払い金を多く取り戻すためには、過払い金返還の実績があるなど過払い金請求を得意としている事務所を選ぶべきです。
過払い金請求を得意としている事務所を調べるためには、過払い金請求に成功した件数だけでなく、過払い金の返還率についてホームページなどで公表されていないか確認しましょう。
過払い金請求を得意としている弁護士事務所は、過払い金請求のノウハウが豊富にあるため、金融機関など債権者との交渉を有利に進められます。
当然、過払い金請求を専門としていない事務所よりも取り戻せる過払い金の額も多くなるのです。
おわりに
法テラスの制度を利用して過払い金請求を行えば、弁護士や司法書士に支払う費用を抑えられます。
しかし、法テラスに直接行って制度を利用することはおすすめできません。なぜなら、過払い金請求を得意としている弁護士や司法書士を選べないからです。
過払い金請求で多くのお金を取り戻したいのあれば、以下の2つの方法で請求をしましょう。
- 弁護士事務所に相談した後に、法テラスを利用して過払い金請求を行う
- 弁護士事務所に相談して、過払い金請求を行う
また、過払い金請求をする際は、なるべく費用がかからない弁護士事務所を選ぶべきです。