過払い金を請求して、本来払うべきでなかったお金を取り戻したいと考えている人は多いと思われます。
しかし、過払い金請求のためには手間の掛かる準備や手続きが要求されますし、貸金業者側との交渉もしなければなりません。
このような高いハードルを越えるためにサポートしてくれるのが、司法書士や弁護士といった専門家の方々です。
とはいえ、依頼したいと思っても報酬をどれだけ支払うのかという点に不安を覚える人もいるのではないでしょうか?
本稿では、過払い金請求における弁護士・司法書士費用の内訳及び相場をまとめましたので、参考にしてくだされば幸いです。
過払い金請求に関しては相談料・初期費用が無料の事務所もある
専門家への依頼と聞くと、相談の段階で相談料が発生するから気軽に相談することができない、と考えている人もいるのではないでしょうか?
過払い金請求に関しては相談料を無料にしている事務所もありますので、探してアドバイスをもらうということも可能です。
また、依頼に関しても最初からお金を取らない初期費用0円で受け付けているところもあり、過払い金が戻ってくるのか不透明な状況で依頼を渋っている人にとっては見逃せない要素です。
相談料・初期費用0円を打ち出している事務所はとりあえず話を聞いてもらいたい人にうってつけであり、気軽に専門家の話を聞いてみたいなら、このような法律事務所を探してみるといいでしょう。
とはいえ、中には悪徳な法律事務所も存在しますので、その点に関しては注意しなければなりません。
過払い金請求にかかる主な費用
相談料
相談料は前述の通り、無料で受け付けてくれるところを選んだ方がいいです。
近年では無料の事務所が増えていますので、見つけることが簡単になっているのではないかと思われます。
着手金
着手金とは、前述の初期費用にあたる料金です。
こちらも無料で受け付けている事務所が増えているため、相場に関しても0に近くなってきているといえるでしょう。
基本報酬(定額報酬)
基本報酬とは、過払い金請求を行うごとに発生する料金です。
成否にかかわらず発生する料金ですが、相場は数万円となっているので、そこまでの出費には至りません。
中には無料で受け付けている事務所もあります。
成功報酬(過払い報酬)
成功報酬は戻ってきた過払い金に掛かる手数料のことで、過払い報酬ともいわれます。
成功報酬の相場は戻ってきた過払い金の20%となっており、20%下回ると相場よりも安いといえるでしょう。
一方で、成功報酬は話し合いによる交渉で解決したのか、裁判に至ったのかで料金が変わってくるので気を付けなければなりません。
手間の掛かる裁判になると交渉時よりも数パーセント手数料が上がりますので、その点は注意しておく必要があります。裁判した場合の成功報酬の相場は、取り戻した過払い金額の25%です。
どこの事務所も成功報酬についての記載がありますので、裁判になったときの料金もしっかりとチェックしておきましょう。
裁判費用
裁判を起こした場合には裁判費用が発生します。
裁判所に対して収入印紙等で合計1万円以上の支払いが必要になりますが、これに関しては多くの人が知っているのではないかと思われます。
問題は裁判を起こしたことによる専門家への費用です。
成功報酬の割合が裁判に至ると増加するというのは前述の通りですが、この他にも様々な名目の料金を要求する事務所もあり、知らないうちに支払金額がどんどん増えていくという可能性もあります。
これに関しては事務所によって詳細異なるというのが現状なので、事前に細かい料金の発生は聞いておき、メモしておいた方がいいかもしれません。
その他・実費
前述の裁判のための収入印紙や郵便に加えて、交通費などの支払いが実費にあたります。これについては請求しない事務所も多くありますが、事前に確認したほうがいいかもしれません。
少ないとはいえ長引けば長引くほど支払うお金が増えていきますので、少しでも節約したいと考えている方は実費についての出費もしっかりと管理しておく必要があるでしょう。
減額報酬金
減額報酬とは、借金の返済中に過払い金請求を行った際に、借金を減らすことに成功した場合に発生する手数料のことです。
減額報酬の相場は10%前後となっていますが、完済後の過払い金請求については0円としている場合が多いです。返済中に過払い金請求を検討中の方で、できるだけ安く済ませたいと考えているなら確認しておく必要があります。
過払い金請求は費用を払ってもでも依頼するほうがいいのか?
ここまでは料金について記載していきましたが、結局のところ過払い金請求時には費用を払ってでも専門家に依頼すべきなのでしょうか?
結論から言えば、支払う価値は十分にあります。
そもそも過払い金請求に関しては支払いを渋る貸金業者との交渉を行いますので、専門的な知識が無ければ対応することはできません。
対応できずに満足のいく過払い金請求ができないということもありますから、知識が豊富な専門家に頼むということが有力な選択肢になってくるのです。
また、依頼せずに自分で請求する場合は費用を浮かせるメリットに目が行きがちですが、書類の準備・過払い金の計算・貸金業者との交渉といった時間も手間も掛かる工程を一人こなさなければならないということも考えなければなりません。
手間が掛かるのはまだしも、時間に関しては過払い金に時効が存在するという観点から見ると無視できない問題になってきます。
過払い金の時効は最終取引日(基本的には借金を完済した日)から10年ですが、過払い金が発生する可能性があるのは、貸金業者が「グレーゾーン金利」を適用していた2007年以前の借金です。
2017年現在多くの人の過払い金が時効を経過している、または近づいてきており、時間を掛けすぎて請求できないというリスクも孕んでいます。
起こすと余計に報酬を支払うことになる裁判に関しても、個人で行うと自分が常に平日の裁判に出席しなければならず、仕事が多忙な場合はかなりの負担が掛かってしまうのです。
専門家に依頼する最大のメリットは、大きく負担が掛かってしまうポイントを任せることができるという点にあり、お金を支払ってでも頼む価値がある要素となります。
とはいえ、自分で交渉することによって専門家への費用を一切掛けないというのは、しっかりと過払い金を取り戻せれば大きなメリットになりますから、様々なポイントを考慮して自分がどうするべきか決定するといいでしょう。
少なくないお金の問題ですから、後で後悔しないようにしっかりと取り組むことも大事なことです。