借金理由:教習所の学費のため
属性1:年代30代後半
属性2:性別 男性
属性3:職業 トラックドライバー
属性4:住まい 神奈川県
トラックドライバーとしての出発。
僕は高校を卒業してから特にやりたいことがなく、いろいろなアルバイトを掛け持ちしていました。実家を出て物心がついたときから一人暮らしをしていて、1つの仕事では生活できなかったから掛け持ちをせざるを得なくなりました。
掛け持ちをすると、制服が貸与されているところでは着替える手間が2倍になります。給料明細も2社以上もらっていたので管理が大変でした。それに見合った給料もらえていればまだ良いのですが、なかなかそうはいかないのが現実でした。
最初はフリーターの生活スタイルで不満は無かったのですが、同年代の友人が結婚したり、子宝に恵まれて家や車を買ったのを目の当たりにした時、あぁこのままではマズいなという気になっていきました。現に幸せそうな友人はみんな正社員でしっかりとしていました。
僕は惨めな気持ちになり、結婚式に呼ばれても同じように明るく振る舞うことができませんでした。仮に出来たとしても、作り笑いをしている自分自身に憎しみすらおぼえるほどでした。
友人と比べて、車の免許を取得するのもとても時間がかかりました。初めて行った教習所は中退する運びになりました。そして、親に出してもらった教習所の学費を踏みにじりました。一度自動車学校を中退していて、諦めきれず重い腰を上げ再入学をしました。
しかもスルガ銀行の運転免許取得ローンを利用しました。中退とローンで総額70万円くらいは教習所に費やしました。もともとの怠け癖が出たのが災いしました。これはすべて借金となり、その後の僕を苦しめました。毎月1万3千円くらいの返済額となりました。
こんな情けない免許取得の経歴があったのですが、手にした自動車の運転免許は僕にとっては宝物でした。車の購入こそしなかったものの、家の近くにレンタカー屋さんが3店舗ぐらいあったので、よく借りてドライブをしました。今まで見えなかった世界が見えて、とても楽しい日々でした。
この運転の仕事っていいなぁ。フリーターを辞めていっそのことドライバーの仕事でもやってみようかなと頭をよぎりました。仕事仲間と距離を持ちすぎるのも嫌な性格なので、やがてこの仕事にする決心が固まりました。
いろいろと求人を見ていくと、未経験でもOKな求人が多かったのです。求人数も結構な数があり、選び放題な感じがしました。ぼくは自宅から近い会社を選び、そこに応募することになりました。今までの違反点数を聞かれ、その後二言三言話をしながら面接は終了しました。結果はその場で合格でした。
うれしい気持ちを胸に勤務を開始しました。持ち前の明るさを行かしてしばらく楽しい勤務が続きました。
社会保険未加入→支払いで借金
運転の会社に入社して1ヶ月が過ぎ、初めての給料日に差し掛かりました。きつかったけど汗水たらして働いたので、この日を待ちわびました。しかし、嬉しいだけではすまないことがわかりました。給与明細を見ると、この会社は社会保険(住民税・健康保険)の加入がありませんでした。控除されていた項目は、雇用保険の5,000円のみでした。
面接の時に気づかなかった僕もいけないのですが、会社はどこでも社会保険に加入していると思いこんでいたので、すごくどんでん返しをくらった気分になりました。あわてて上司に相談すると、「社会保険は加入する【方向】でいます。」という回答が返ってきました。いつに加入するのかと問い詰めてもわからないという一点張りでした。あぁこの会社はみんなこれで騙されているなと僕は悟りました。
会社が社会保険料を払わない以上、国民健康保険や国民年金を僕自身で払うことになります。それはわかっていたのですが、僕はつい魔が差してしまって、のらりくらりと支払いをしないようになりました。そのお金は飲み代やカラオケ・洋服代などで消えていきました。最初の頃は悪いとわかっていても、時間が経つにつれて、支払い義務よりも娯楽の方が楽しいので、罪悪感は麻痺して自分で払っていくのがバカらしくなりました。
そんな楽しい日々が長く続くはずがありませんでした。支払いをしなくなって1年後に自宅のポストに保険料の督促状が届くようになりました。それでも支払いをしなかった自分に役所は最終通告の手紙を送るようになりました。それでやむを得ず役所に出向き、未払いの保険料の総額をみると、国民健康保険料だけで36万円の未払金がありました。これに遅延損害金が28,000円程加わり、合計すると40万円弱です。これは毎月2万5,000円ずつ1年以上かけて支払いました。
国民健康保険の未払い金は以前フリーター時代に免除申請をおこなっていたので、少なくて済みました。合計14万円ほどでした。これも毎月1万円ずつ返済の約束をしていたので、相当大変でした。その間は遊ぶことを制限して、返済は三菱東京UFJ銀行のカードローンのバンクイックから補填して支払いました。
この会社に入って3年半位になりましたが、保険料を自分で払うのは非常にバカバカしいと感じ、見切りをつけて辞めることにしました。働けば働くほど無様な自分に嫌気が差したのです。勢いで働いた3年半、いい勉強代になりました。