以前存在していた「グレー金利」。法律の隙間を縫ったこの今や完全に違法といえる金利を、多くの消費者金融やクレジットカード会社は債務者に課していました。「過払い金請求」とは、その取られ過ぎていた金利分を取り返すための、債務者が持つ正当な権利の主張です。
そこで今回は、そんな法外な金利を取っていた会社の1つ、「アプラス」の企業概要や現在の状況、過払い金請求への対応やそれにかかる時間等など、詳しく説明してまいります。
アプラスフィナンシャルとは
少々ややこしいですが、現在株式会社アプラスと名乗って企業活動しているのは、2009年にアプラスクレジットとして新設されて翌年初代アプラスが行っていた事業を引き継いで初代の屋号を継承した2代目、初代は1956年10月に設立された大阪信用販売(株)を源流として誕生したもので、2代目アプラスに信販事業を、ローン事業を「アプラスパーソナルローン」譲ってからはアプラスグループの最上位企業、株式会社アプラスフィナンシャルと名乗り、グループ企業を統括しています。
アプラスグループの直近の経営状況
2004年まではUFJ銀行系列でしたが、それ以降は新生銀行の完全子会社となっています。これにより同銀行の先進的な業務効率化や組織の再編を取り入れて、会社の大幅な改革を断行中です。
アプラスグループ全体では、2015年3月の決算では、連結で約40億円を超える純利益を出しているところを見ると、組織改革はおおむね成功し、現時点でも健全な経営を続けているようです。
アプラスフィナンシャルの過払い金請求の対象期間と当時の金利は?
現在は大手銀行傘下で、何も無かったかの様にクレジットカード業務やローン信販業務を行っているアプラスですが、2007~8年より前の段階では、29%に近い金利をキャッシングでは取っていたので、アプラスが発行していたプロパークレジットカードである「新生カード」や提携カードでキャッシング利用した方には、過払い金が発生している可能性が非常に高くなっています。
具体的に把握までこれはアプラス側の出してきた資料での情報ですが、新規カード会員に対しては2007年4月1日契約分から金利を正当な利率に引き下げ、既存会員に対しては2008年3月末までに段階的に引き下げたことになっています。しかし、既存会員の中には2009年半ばでもまだ29%越えの金利を取られ続けていたとの情報もあるため、念のため2008年以降の取引についても確認しておく必要がありそうです。
また、これは当然といえば当然ですが、2004年に新生銀行の子会社になる前、UFJ銀行系列だった時代のキャッシングでも29%を超える金利を取っていたのでこちらも過払い金が発生している可能性は高いと考えます。
アプラスの過払い金請求で多い傾向や特徴
上記で説明した通り、少々会社の分割、統合、改名等で以前は過払い金請求先が分かりにくいのが特徴です。というのも過払い金が発生していた当初、その業務を行っていたのは初代アプラスで、現在はその事業を同グループ内の2代目アプラスとアプラスパーソナルローンバラバラに引き継いでいるからです。2010年という過払い金請求問題が一気に世の中に浸透していた時期のこの分割統合は、過払い金請求の複雑化を狙ったのではないかとすら思える行動で、事実以前はこのことがよく争点に上がり、和解や裁判の長期化が懸念されていました。
しかし、現在は落ち着き、当たり前のことですが例え2代目アプラスに請求した事案が、アプラスパーソナルが引き継いだものであっても、しっかりとグループ内で連絡が行き、履歴開示などに応じてくれるようになっています。
アプラスフィナンシャルから過払い金が返還されるまでの期間の目安
裁判(訴訟)を起こさず、話し合いにより和解した場合
新生銀行グループの看板もあるので、過払い金返還請求に対してアプラスもパーソナルも比較的親身な対応をとってきます。返還にかかる期間も、提示額を妥協して受け入れ、スピード解決を望むなら2~3ヶ月という非常に早い解決も可能なようです。
裁判(訴訟)を起こした場合
一方、和解金額に納得がいかない場合、訴訟を起こすことになりますが、この場合でも話し合いで出た和解額に上乗せした早期和解案を提出して、できるだけ事を早く済まそうとしてきます。その場合は4~6ヶ月程度の時間がかかりますが、当然再度和解案を蹴れば、更に時間はかかってきます。
アプラスの過払い金請求の回収率の目安
裁判(訴訟)を起こさず、話し合いにより和解した場合
話し合いによる和解を基本的には重視してくる傾向があり、満額の7割から8割の比較的高い和解金額を提示してきます。しかし、過払いの発生していた期間が長期にわたりその引き戻し金額が高額で、和解案の割合に納得いかないケースも多く、そうなると裁判に突入することになります。
裁判(訴訟)を起こした場合
訴訟を起こした場合、ほとんどのケースで満額に近い過払い金を回収できている様です。ただ、過払い金に対して発生する年5%の延滞金については認めないケースも多くあるようです。
アプラスフィナンシャルに過払い金請求する時の注意点
ショッピング枠での利用がある場合は注意
アプラスは、基本的にはクレジットカードのキャッシング枠利用分に過払い金が発生しています。ここで注意したいのはそのクレジットカードについているショッピング枠での利用は過払い金の対象ではないということです。
ショッピング枠での利用は極端なことを言えば例えどれだけの金額の利用があったとしても、それは単なる「立て替え金」としてみなされるのです。しかも、キャッシングで乗り養分に対して過払い金が発生していてその請求をした時、このショッピング枠での利用があれば戻ってくる返還金でその利用分と相殺されます。つまり過払い金返還額が50万円あったとしても、ショッピングで30万円の利用があれば、手元に残るのは20万円ということになります。
しかもこのように相殺されたときはよいですが、仮に過払い金でショッピング分が相殺できず残ってしまった場合、このことが単なる過払い請求ではなく、「債務整理」の一環として捉えられ、信用情報に「事故事案」として最大5年間残ってしまうことになります。そうなるとその期間新たなローンやカード発行は非常に難しくなるので注意が必要です。
アプラスフィナンシャルが保証会社になっている借り入れについて
アプラスはそのスタートが信用販売会社であるために実に多くの金融機関の信用保証業務を行っています。ここで例を上げれば正直キリがないので、過払い金を請求する際には、現在自分が銀行や他の金融機関で組んでいるマイカーローンや学資ローン等など必ずその保証会社に「アプラス」の名前がないか全てチェックしてください。
もしアプラスが保証会社に名を連ねている場合、銃器のショッピング枠の利用があった場合と同じ現象が起こる上、「自動車ローン」のように高額の取引になっている可能性も多くあるので、こちらも慎重に考える必要が出てきます。
過払い金請求の時効に注意
過払い金が発生しているのは概ね2008年以前つまり現時点で9年近く時間が経過しているものになってきます。(2016年9月現在)
そのためまだ継続して返済している場合はともかく、完済済みの借り入れについては「完済から10年」という過払い金の返還義務の時効成立が迫っているケースも少なくありません。速やかな対応をとる必要がありますのでアプラスから借り入れた経験のある方はチェックを怠らないようにしてください。
アプラスフィナンシャルの過払い金請求を専門家に依頼するメリット
スピードを重視して話し合いでの和解案にすんなり同意する心積もりでしたら、個人での請求もありです。しかし、個人で請求して満額の回答を得られることはまれなので、時間的余裕と、大きな過払い金が発生している可能性があるときなどは、専門家に依頼したほうが結果多くの金額を回収できることができるケースも出てきます。
また、多くの金融会社と密な関係にあるこのアプラスでは、「注意点」の項目で述べたとおり、過払い金の請求によって返って状況が悪くなる可能性が否定できません。請求自体を依頼する・しないに関わらず、多くの法律事務所が行っている無料相談等を利用して意見を聞くほうが無難だと考えます。
アプラスフィナンシャルの会社概要
株式会社アプラスフィナンシャル
株式会社アプラス
株式会社アプラスパーソナルローン
本社所在地 大阪市浪速区湊町一丁目2番3号
TEL 0570-008-789(総合ナビダイアル)