過払い金

わかっちゃいるけど止められない!コンサート中毒で負った借金の数々

コンサートの感動。借金地獄の始まり

僕は新聞配達の正社員で、朝刊の配達後に必ず立ち寄っていたコンビニがありました。今は無きAmPmです。
きっかけは、このコンビニに新聞を納めていたことから始まりました。
この配達コースを担当すると深夜3時くらいに配達するのですが、いつも担当していた店員さん(Eとします)は黒髪のロン毛で、少々ドレッド風の雰囲気も醸し出していました。

いかにも音楽好きなことが肌で感じ取れました。これはお近づきになりたいと僕の本能が騒ぎました。
勇気を出してお話をすると、人柄はとても良く、想像通り音楽好きな方で話に花が咲きました。ロン毛なのでレゲェっぽい音楽のコアなファンだと思いましたが、いざ蓋を開けてみると、ハードロックから演歌まで幅広いジャンルが好きだとわかりました。音楽全般が好きだということが共通していて、これならいつまでも語れると感じました。朝刊の配達を終え、後は家で寝るだけだったので、いつもここで30分~1時間くらいじっくりお話しました。Eさんも決して嫌な顔をすることなく僕とずっと話をしてくれました。

ある日、コンサートに一緒に行きたいですねとお話したところ、Eさんは快く了承していただき、コンサートに行く運びとなっていくわけです。当時僕は彼女もいなくて、コンサートに行きたかったのですが、一緒に行ける相手がいなかったため、とても嬉しいお返事に有頂天になりました。キツかった日々の仕事の疲れが一気に取れた気がしました。

コンサート関連の借金の内訳

コンサートに行こうと誘ったのは僕の方なので、チケットの手配は僕が全て行いました。10年前の相場で
は、チケットの相場は国内アーティストで6500円~9000 円くらいで、海外アーティストは10000円~15000円くらいでした。チケットの販売日にゲットできれば定価で買えたのですが、人気のチケットだと受付開始時間の直後にも電話やネットが繋がらなくて、やっと繋がったと思ったら、売り切れになっていたことが多かったです。チケットが欲しいファン以外にも転売業者が軒を連ねており、申込みを連打してもチケットが取れない状況でした。

僕は何としてもチケットを手にしたかったです。友達の喜ぶ顔が見たかったです。そこで辿り着いたのはヤフーオークションでした。そのページを開いてみると、ほしいチケットがたくさん出品してありました。その中の1つにとても良い前から7列目の良席が出品されていました。少し躊躇しましたが、友達との約束を破るわけにはいかなかったので、この出品者から購入することに決めたのです。

最初の出品価格は定価の8400円でした。オークションの終了時間が近づくに連れて他の出品者が落札金額を釣り上げてきます。意地でもチケットを取っ手やるぞという気合はすごいものがありました。結果落札したのですが、落札金額は23000円になりました。これはチケット1枚あたりの落札金額なので、2枚だと46000円になりました。これに送料が650円くらいかかりました。とても手痛い出費になりました。

コンサート当日は見やすい席で手拍子と完成と拍手喝采でとても良い時間を過ごしました。Eさんには定価の8400円だけを請求しました。僕はEさんに嘘をつき、定価で購入したことにしました。本当に定価で買えたのかと聞かれましたが、徹底してそうだと貫き通しました。

しかしとてもこの落札金額は現金で払えませんでした。僕は以前のアイフルの借金の30万円を完済しておりました。当時はクレジットカードを1枚も持っておりませんでした。クレジットを新規発行するか、アイフルを再度申し込むかで悩みました。借りるのはいけないと思いつつも僕は借り入れをしました。

コンサート終了後はとても気分が良いので、必ず居酒屋で打ち上げをします。これも楽しいですが、これも出費がかさみます。毎回5000円くらいかかります。僕がチケットの手配をしているので、Eさんが気を遣って奢ってくれることもありました。次のコンサートに行きたい場所を話し合うのです。

これを機に、コンサートへ行く機会が増えました。1~2ヶ月に1回行っていて、正規料金の支払いが出来ないチケットも多々ありました。アイフルで借りてチケット代を割高で買うというお金をひどく無駄遣いをしていました。借り入れの照会をすると、20万円近く利用していて、僕は驚愕してしまいました。

しばらくしてEさんもフリーターだったので、向こうの方から「もうコンサートは終わりにしましょう。」という結論がでました。僕もそっと胸をなでおろす気持ちになり、納得して別れました。

その後はEさんは勤めていたコンビニをやめて、今は行方がわからくなっています。10年以上の月日が流れましたが、ふと元気にしているのかな?と思う時があります。「いろいろお金を出させてごめんなさいね。」と今度会ったときに謝っておきたい今日この頃です。