払いすぎていた利息を取り戻すことのできる「過払い金請求」という手続きは、近年増加するテレビCMや街中の広告の影響もあり、今やとても有名なものになりました。過去に支払ってしまっていたお金が後から帰ってくるというこの手続きはローリスク・ハイリターンであり、実際に過払い金請求をする人数も近年急速に増加しています。
過去の借金に対して過払い金請求できることは有名ですが、クレジットカードの返済の場合にも、通常の過払い金請求と同じく、利息制限法を超える金利で返済していた場合、過払い金請求ができることはあまり知られていません。
クレジットカードの返済であっても、借金と同じく、借りたお金の返済であることに変わりはありませんので、利息制限法を超える利息で支払っていた場合は実は過払い金請求が可能なのです。
ですが、クレジットカードの返済の場合、借金とは違いどんな時でも過払い金請求をすることが可能なわけではありません。状況により、可能な場合とそうでない場合があります。いくつかの注意点がありますので、注意をしましょう。
クレジットカードの過払い金請求ができるケース
まず、クレジットカードの使用において、キャッシング枠は過払い金請求が可能です。
キャッシングとは、クレジットカードで、お金を借りることを指します。本来買い物などの際に使用するクレジットカードですが、キャッシング枠と言って現金を引き出すことも可能なのです。このキャッシング枠でお金を使い、その返済の際に利息制限法を超える利息率で支払っていた場合、過払い金請求を行うことが可能となります。
キャッシング枠の利用であれば、その返済方法は問われませんので、リボ払い等の場合でも通常通り過払い金請求を行うことが可能です。
クレジットカードの過払い金請求ができないケース
クレジットカードの使用において、買い物などで使用する、ショッピング枠の返済の場合、過払い金請求を行うことができません。これは、ショッピング利用の場合、借金ではなく、クレジット会社が一時的にそのショッピングの代金を立て替えているとみなされるからです。
もちろんショッピング利用でも手数料はかかりますが、手数料はあくまで手数料であり、利息でありません。よってクレジットカードのショッピング利用にかかる手数料に対し、利息制限法を超えた分を返還請求するための手続きである過払い金請求をすることはできません。
クレジットカードの過払い金請求をする際の注意点
まず、キャッシング枠に過払いがあり、クレジットカード会社に対して過払い金請求をした場合、そのクレジット会社を以後使うことができなくなってしまうことがあります。
これは絶対ではなく、そのクレジットカード会社にもよりますが、多くの場合、その後の使用ができなくなってしまいます。
生活においてクレジットカードを日常的に使用される場合、その後利用することができなくなってしまうというリスクがありますので注意が必要です。
さらにショッピング枠の残高が多い人は、ブラックリストに載ってしまう可能性があります。これも絶対ではありませんが、クレジット会社の判断や、借り入れの状況によりブラックリストに載ってしまうこともありますので注意が必要です。
実は実際「ブラックリスト」という名のリストはなく、一般的によく言われる「ブラックリストに載る」という状態は、クレジットカード会社や貸金業者などが共有する、信用情報というものに、「当初の契約通りにお金を返済できなかった人」と登録されてしまうことを指します。
ブラックリストに載ってしまうと、その後の一定期間の間、家や車などのローンを組むことや、借金をすること、さらに新たにクレジットカードを契約することなどができなくなってしまいます。この一定期間は、個人の状況やそのクレジット会社にもより変わりますが、一般的には約3年から7年ほどであると言われています。
さらに、通常の過払い金請求と同じく、クレジットカードの過払い金請求の場合も、時効が存在します。通常の場合は最後の返済から10年ですが、クレジットカードの場合時効の計算がやや複雑になることもあります。時効を過ぎてしまいますと、請求ができなくなってしまいますので、早めに手続きを進めましょう。