過払い金

見栄を張りすぎた結果、借金をすることに。

借金理由:格好つけすぎが仇となり、気がつけば借金生活。

属性1:年代 20代
属性2:性別 男性
属性3:職業 カラオケ店でアルバイト
属性4:住まい 東京都足立区

オシャレに目覚めた

僕は小学校の時辺りから、勉強もスポーツも昔から苦手で、何の取り柄も無い自分がいました。それでもクラスメートに目立ちたい気持ちは人一倍でした。それゆえ人の目線が気になり、最初は荒削りですが、ファッションを意識するようになりました。といっても小学生時代は行動範囲に限界があり、近所のダイエーの洋服コーナーで、ある洋服の中からいかにオシャレができるか?と考えるのが好きでした。

遠足の日取りが決まってくると、親に「洋服を買って。」とせがんでいた記憶は今でも鮮明に残っています。親も甚だ迷惑だったと思います。親に拒否されても、泣いて粘ったりして何とか買ってもらうまで粘り続けました。そんな自分を振り返ると、本当に腹黒い奴だと今でも思います。遠足などで、「その洋服格好いいね。」とクラスメートから褒められると有頂天になっていました。それだけで一日楽しかったです。遠足の行き先などどうでも良かったし、むしろ記憶にありません。

中学時代も洋服熱は加速していきました。学校は制服で強制されていた分、友達と遊ぶ時にいかに他と差をつけるか?などを自分のコンセプトとして、オシャレしていました。親からは毎月3000円のお小遣いで、もらうとすぐに洋服に消えていくライフスタイルでした。

高校時代からはガソリンスタンドのJOMOでアルバイトを始め、毎月30,000円位の収入がありました。この頃から高価な洋服が買えるようになりました。新宿のマルイで27000円位のシャツを買えるようになりました。それでも着こなしは自己流が多かったせいか、センスは無かったように思えます。

社会人になってから、デートをするようになりました。みなさんもご経験がありますよね?僕は会社内の気に入った女の子(Aさんとします)と意気投合して時々デートをするようになりました。

ここで精神的に痛恨の一撃を喰らうのです。デート当日に寝坊して待ち合わせに遅れそうになります。洋服も選んでいる暇はなく、近くのコンビニに行くようなユニクロのトレーナーにGパンで、シャツをはみ出した格好でAさんに会ってしまいましたのです。デート中は気まずかったのは言うまでもありません。

その数日後、仕事場の他の同僚から、「Aさんがお前の格好はダサいって言ってたよ。」とういうことを耳にしました。直後にすれ違ってもAさんと仲の良い女の子連中が口を聞いてくれなくなりました。

無視されるのは何よりも辛かったです。仮に弁解しても自分の価値を下げるだけです。そこから誰よりもオシャレになってやるぞと怒りとやる気がこみ上げてきたのです。

その日を境に、休日は新宿・渋谷・表参道などのアパレル店をハシゴして自分に合ったファッションをとにかく探していました。素材も気にし始めたのも合わさって、気がつけば地域密着のユニクロやしまむらのようなお店よりも都会の一流ブランド店しか行かなくなりました。

ショップの店員さんから、「どうぞ着てみて下さい。」と言われます。店員さんも気分が乗ってきてあれこれオススメしてきます。全身をコーディネートしてきます。僕を見込み客と感じたのでしょう。

こうなってしまったら、帰るに帰れません。ちょうどオシャレしたかったし、しょうがないか。と自分に言い訳しながら出費していくのです。次第に洋服に限らず、身の回りのもの全てに気を使うようになりました。それだけ出費も増えました。

洋服を買うために借金

「残りこの1着のみになります」と店員さんにいわれて、無くなってしまってはオシャレの機会が無くなると思いました。そこですかさず店員さんから「マルイのカード(現在はエポスカード)はお持ちですか?」と言われ、藁をもつかむ思いでお願いしたのです。

結果として焦る気持ちになってしまい、慌てて店員さんに「お金を降ろしに行ってきます。」といい、一目散にATMに向かいます。周りは何も見えていませんでした。もう洋服が手に入った気分でした。その後問題なく洋服を手に入れ、家でもう一度見てニヤリとするのがたまらなく好きでした。

でもいざ支払いの時になると、毎月の生活費に加えて30,000円~50,000円の洋服代が加算されるのはとても辛いものがありました。給料の範囲内でまかないきれないこともあり、他のオリコカードもあったので、そこのキャッシング枠から補填して支払いをしたりして何とかその月はしのいでいました。そのカードもピンチになると、武富士のキャッシング枠から補填して、まるで自転車操業の状態になり、次第に自分の心が泥沼化していきました。

そんな自分がバカらしく思えてきて、ピタッとアパレルの物を買わなくなりました。散財するとわかっているので、しばらくアパレルて店に足を運ばないことに決めました。中には店員さんに無理矢理勧められたのもあり、改めて着てみると陳腐に思えてきて、高価ですが処分したのもありました。お気に入りのものは綺麗にして今でも着続けています。