パチンコで働いて稼いだお金がパチンコで無くなるだけならまだマシだったのかもしれません。
パチンコに注ぎ込む金額はどんどん大きくなり、ついには自分の給料以上に使うようになりました。
それでも最初は同僚に1万円だけ借りたり、食費まで使い込んでしまい
次の給料日までの数日の食費を借りる、といった軽い借金でした。
しかし借金もどんどんエスカレートしていき、僕にお金を貸してくれる同僚は居なくなりました。
パチンコ三昧の生活で日に日に増える借金
20代の時にギャンブルにハマったのがきっかけです。
当時はパチンコ屋でバイトをしていたのでパチンコに関する情報は嫌でも耳に入ってきました。
新台がいつ入る。どの機種が熱い。どこの店はいつからどんなイベントがあるのか。などなど。
お店の常連さんや他のパチンコ屋のスタッフとも仲良くなり情報は毎日どこかしらから入りました。
一緒に働いていた同僚も殆どがパチンコ好きの人達だったのでパチンコ熱は加熱していく一方でした。
仕事が終わると、同僚とパチンコ屋へ行くという毎日。
パチンコ屋で働いて稼いだお金をパチンコで消費する、今となっては本当に馬鹿げた生活を送っていました。
当時は僕の回りの人達の殆どがそういう生活をしていたので、
自分がいかに非常識で馬鹿げた生活をしているのかを自覚する事が出来ませんでした。
それどころか仕事も趣味もパチンコという生活に心地よく思ってさえいました。
パチンコで働いて稼いだお金がパチンコで無くなるだけならまだマシだったのかもしれません。
パチンコに注ぎ込む金額はどんどん大きくなり、ついには自分の給料以上に使うようになりました。
それでも最初は同僚に1万円だけ借りたり、食費まで使い込んでしまい
次の給料日までの数日の食費を借りる、といった軽い借金でした。
しかし借金もどんどんエスカレートしていき、僕にお金を貸してくれる同僚は居なくなりました。
同僚に借金返済を迫られ、軽い気持ちでレイクのカードを作りました。
それでも次の給料日に完済してカードはすぐ破棄するつもりだったのを覚えています。
しかし、カードで簡単にお金を借りれる事でそんな計画はすぐに忘れてしまいました。
カードの借入限度額を、自分の銀行の残り残高のようにさえ考えるようなったのです。
当然のように、カードの借金は大きくなりました。
カードの返済がきつくなってきた僕は、アイフルでもカードを作り借金を重ねるようになりました。
そして借りては返すの繰り返しを8年近く続けてしまったのです。
同僚への借金返済の為にレイクでカードを作りました。
作る事にはあまり抵抗はありませんでした。
手続きも簡単だったので簡単な事だと思っていましたし、
何より次の給料で完済してカードはすぐに破棄するつもりだったからです。
借入額も1.2万円くらいだった事も安易に考えてしまった理由の一つです。
特に罪悪感や不安な気持ちもありませんでした。
それどころか、何故こんなに便利な物を今まで利用しなかったんだろうとさえ思った事を覚えています。
次の給料日で一括返済してカードを破棄する予定だったで、何の抵抗もなく借りました。
でもそんな計画もすぐに翌月に延長しました。
そして今度は半年以内の返済に計画を変更し、年内以内の返済計画に変更。
といった感じであって無いような物になりました。
レイクの借入限度額近くまでくると流石に焦ってきましたが、
アイフルでカードを作ると、まるで自分の隠し貯金を発見したかのように気が大きくなってしまいました。
借金が当たり前の生活
最初のカードの借金は同僚への借金返済や食費などで1.2万程度でしたが、
すぐに気が大きくなりパチンコをする為に借金するようになりました。
それでもパチンコに勝った時は「こっちはカードへの返済分」とお金を避けて置いたりもしたのですが、
パチンコに負けてすぐに使ってしまいました。
そのうちレイクのカードの限度額が近づくとアイフルでカードを作りました。
6年近くパチンコによる借金を増やしましたが、
パチンコ屋を辞めるとパチンコ熱も冷めて借金は一時停滞しました。
その頃には完済するという事をあまり考えないようになり、借りては返すを繰り返すようになりました。
返済だけは遅れないようにしていたので、最大借入額が増えていきました。
すると返済に余裕をもってしまい、借金も限度額同様に増えました。
そして知らず知らずの内に借金が大きくなってしまったのです。
返済額が増えると利息だけを返すのがやっとで元金を減らすのはいよいよ難しくなってしまいました。
この頃になって少ない額の内にしっかり返済しておけばと後悔するようになったのです。
時にはレイクの返済をアイフルで借り入れたお金で済ませたり、その逆をしたりしました。
利息だけの返済になると、ただただ後悔をするだけでした。
元金を減らせないので問題解決にならないのはわかっているのに利息しか返せない。
そんな自分に憤りを感じていました。
でも利息だけは遅らせずに返している事に変な満足感もあったように思います。
この頃はパチンコなんて出来るはずもなく、中古のパチンコ購入して家で遊んで気分を紛らわせました。
食事は友人と遊びに行ったりしない限りは家で食べました。
100万以上も借金がある事は友人にも彼女にも相談できませんでした。
借金を隠している事への後ろめたさは常にありました。
彼女へ借金の悩みを打ち明け、転機が
彼女と同棲し、借金を隠している事への罪悪感に耐えられなくなり、彼女に打ち明ける決意をしました。
彼女にはこっぴどく怒られました。
100万以上の借金があった事ではなく、今まで彼女に隠していた事をです。
自分も何故今まで相談しなかったんだろうと思いました。
人に相談する事によってこれ程気持ち的に救われるのかと泣きそうになりました。
借金は8年くらいずっと続いている事、現在は殆ど利息のみの返済で元金は減っていない事も話しました。
すると彼女は知り合いに相談してみると言ってくれました。
司法書士の知り合いがいるというのです。
顔も知らない、彼女の知り合いに自分の借金の相談に乗ってもらうのはとても抵抗はありましたが、
兎に角借金を何とかしなくてはいけないと思いました。
インターネットで調べてみると
彼女の知り合いの司法書士の方に相談に乗ってもらうとはいえ、
自分でもある程度の事は調べておかなくてはと思い、インターネットで借金について調べました。
調べてすぐに、カードで借りてカードで返すという事がどんなに愚かな事だったのかが分かりました。
自分と同じケースで借金を増やす人が沢山いる事も知りました。
相談をしなかった事も馬鹿だと思っていましたが、
何故自分で少しでも調べてみようと思わなかったんだろうと、改めて自分を責めました。
インターネットで少し調べれば、借金についての事がこれでもかという程出てくるし、分かってくるからです。
そして少しでも多くのお金を借金返済に回すため、これまで以上に節約して生活するようになりました。
今までも多少の節約はしていましたが、返済日までに利息分のお金を確保できると気が緩んでいたのです。
今でこそ頻繁に過払い請求のCMが流れていますが、当時はそうではありませんでした。
自分はインターネットで調べていて初めて過払い請求という物がある事を知りました。
でもその時は現時点で借金を背負っている自分には関係のない話なのかなと漠然と思っていました。
今の自分はまず、大きくなった借金を完済するという事が第一だったからです。
元はといえば同僚からの借金から始まった話なので、この借金を誰かにお金を借りて払うという選択肢はなく、
「利息をもっと低く変えてもらう方法はないか?」「利息を一時的に待ってもらう方法はないか?」
と考えていました。
司法書士のAさん
彼女が司法書士のAさんと直接話す機会を作ってくれました。
彼女の知り合いだったので、恥ずかしさもあり最初はあまり詳しい話をするつもりはありませんでした。
でもAさんは親身になって僕の話を聞き、細かく質問をしてきました。
そして自分が力になるから過払い請求をする様、薦めてくれたのです。
しかし一つ問題点がありました。
借金を完済してからでないと過払い請求は出来ても、その後ブラックリストに乗ってしまうというのです。
それを隣で聞いていた彼女が
「私が立て替えるからまず完済しよう。お金が後から返ってくるなら心配ないでしょう?」
と言ってくれました。
そして、彼女からお金を借りて全額返済する事、
過払い請求をして戻ってきたお金と今まで返済に回していたお金で彼女に返金する事、が決まりました。
当時の僕は自己嫌悪に陥っていました。
8年も借金生活を続けている最低の人間だと。
でも司法書士のAさんはこんな僕を被害者だと慰めてくれました。
「法律で決まっているパーセントを超えて違法な金利をとっているカード会社が悪いのであって
貴方は悪くない」と。
借金を返さなかった自分が悪いのは分かっています。
でもこの言葉に当時の僕は救われたのです。
そしてこの人なら信用できる。
この人にお願いしようと思いました。
過払い金請求へ
会う前はあまり詳しく話さずに何かアドバイスをもらえればと思っていました。
でも会ってみると、兎に角細かく話を聞いてくるのでビックリしました。
そしてそれだけ僕の事を親身になって考えてくれているんだと思いました。
とても慣れている感じだったので、このやり取りがとても当たり前の様な気がして、
罪悪感というか居心地の悪さというようなものが話をしているうちに無くなっていきました。
Aさんの説明はとてもわかり易く、親切に僕に教えながら進めてくれました。
取引履歴の請求→過払い金計算→過払い金返還請求通知書をカード会社へ送る→
→相手業者の希望支払額と答弁書を確認→訴状提出→裁判
といった手順だったと思います。
この書類はこういう意味です。この手続きはこうです。と手続きが進む度に細かく説明してくれました。
考えていた以上に過払い請求という手続きは大変なものなんだなと思った反面、
専門の方に手伝ってもらうとこんなに簡単に済んでしまうのかと感心しました。
ただ、裁判所には僕自身が行く事になっていたので少し不安はありました。
「裁判に参加するとは言っても本人確認する程度で、裁判の内容はすでに書類で提出済みなので
心配しなくて良い」との事でした。
さらに相手業者が主張してくる「みなし弁済」も説明してくれました。
利息制限法を超える利息は無効であると知らずに支払った場合はみなし弁済にならない
という事も教えてもらいました。
実際に裁判に参加してみて、緊張はしましたがとても貴重な体験が出来て良かったと思います。
連絡や面談の頻度は、相手業者から書類が届いたり、裁判所から連絡があったりした時にする程度でした。
驚きの過払い金返還額
まず驚いたのが、Aさんか算出してくれた150万円という僕の過払い金額です。
8年間も払い続けたとはいえ、合法な利息以外に借金と同額並の違法な利息を
150万円も支払っていたなんて思いもしませんでした。
自分がどれほど馬鹿な事をしてきたのか改めて気づきました。
僕のように借金でお困りの方は、過払い請求額がどれだけあるのか位は専門家に相談するべきだと思います。
途中カード会社から示談金の提案をされました。
これについては「カード会社が返還額を抑える為にやっているマニュアルの一つで、
裁判が面倒な人は承諾するので示談の話をしてくる。でも応じる必要はない」とAさんが教えてくれました。
もう一つ驚いたのは過払い請求自体にも利息がつくという事。
借金を完済してから過払い請求をする期間が空けば空くほど利息が付き、返還額も増えるそうです。
ただ時効もあるので気を付けなくてはいけないそうです。
僕の場合は彼女の知り合いだったのでお礼に夕食に招待する程度で依頼費用はかかりませんでしたが
(印紙代や切手代などは当然自分で支払ました)
素人には無理なので、普通の専門家にお願いしてでも過払い請求はするべきだと思います。
依頼前の不安と依頼後
過払い請求をすることによって、面倒な事になるのではと漠然とした不安感はありました。
それに裁判を起こすという事に抵抗もありました。
裁判費用って高いのでは?裁判って事はこっちが負ける事もあるのかも?と考えたりもしたのです。
でも実際はそんな心配は全く必要なかったです。
Aさんがすべて教えてくれましたし裁判に参加する貴重な体験も出来ましたし、
何よりお金が戻ってきて本当に良かったと思っています。
借金返済の為に彼女から借りたお金も、そのまま返還されたお金ですぐに返す事ができました。
借金返済をしてから過払い請求をしたのでブラックリストにも載らずに済みました。
レイクとアイフルでカードを作ることは出来なくなりましたが全く問題ありません。
僕が借金をしていた事は彼女とAさんだけで、家族や友人には知られていないのも助かりました。
100万以上も借金があるなんて誰にも知られたくはないですから。
不安に思った事はAさんに相談する事ですぐに解決できたので、
依頼してからはほぼ不安になる事はなかったと思います。
借金をした方が悪いと自己嫌悪になっていた僕に、被害者だという事を教えてくれた事にも感謝しています。
過払い請求後の僕
借金をしていた頃の自分はいつも借金の事を考えていて自己嫌悪に陥り、
気持ちが沈んでいる事がよくありました。
膨大な借金をもっている僕は最低な人間だと。
でも借金がなくなり気持ちにゆとりができた今は、とても充実しています。
お金の事で悩まなくて良いという事がこれほど素晴らしい事だとは知りませんでした。
彼女に助けてもらったお陰で今の自分がいるので彼女には頭が上がりません。
もし彼女に打ち明けられずに、いまだに借金を抱えていたらと考えるとぞっとします。
お金の大切さも身に染みてわかりました。
当時はまた借りればいいやと考える事が多かったと思います。
あまり深く考えず、何とかなるだろうと安易に生きていた自分をただ反省するばかりです。
お金を借りる事は一切なくなりましたが、お金を貸す事も一切しなくなりました。
自分と同じ思いを相手にさせたくないからです。
借金で分かった事
僕の場合は過払い請求があったからこその借金完済だったので過払い請求をして悪かった事は皆無です。
ただ、今回の事で多く教訓を学びました。
借金人生を経験しているからこそ分かった事が沢山あります。
物事を安易に考えず、自分なりにしっかり見つめる事。
インターネットで調べたり、人に聞いたり行動を起こす事。
そして困った事があったら恥ずかしがらずに人に相談するという事です。
「知らない」という事はただそれだけで損をするんだと思います。
もうギャンブルという趣味は辞めました。
そして今までしたくても出来なかった貯金という趣味を見つけました。
この趣味のおかげでタバコも辞めましたし、無駄遣いも少なくなりました。
過払い請求をできて本当に良かったです。