自己破産を行う結果となった借金をしたのは、私が30才の時の事でした。
当時、自営業として27才から始めたペット用品の販売店舗を経験していたのですが、折しもペットブームの到来と共に同業他社が同じ地域に大量に増加してしまったことや、いわゆる大手と呼ばれる企業が支店を進出させてきた結果、それまで順調に利益を上げていた私の店舗の採算が徐々に悪化してしまい、翌年には赤字での決算を行わなくてはいけない状態になってしまいました。
ペット用品店の経営失敗で借金を背負うことに
自己破産を行う結果となった借金をしたのは、私が30才の時の事でした。
当時、自営業として27才から始めたペット用品の販売店舗を経験していたのですが、折しもペットブームの到来と共に同業他社が同じ地域に大量に増加してしまったことや、いわゆる大手と呼ばれる企業が支店を進出させてきた結果、それまで順調に利益を上げていた私の店舗の採算が徐々に悪化してしまい、翌年には赤字での決算を行わなくてはいけない状態になってしまいました。
結果として、その後、資金をやりくりしたりアコムやアイフルをはじめいろいろな金融機関からローンや融資の形で借金をしながら資金を用立てていたのですが、最終的に私が30歳になった時、資金が立ちゆかなくなってしまい閉店という結末に至ってしまいました。
いよいよ店をたたみ、借金だけが残る。追い込まれていく生活
店舗を閉店した後、それまで使用していた土地と上物を全て売却したのですが、それでも、店舗を維持するために借り続けていた借金の総額は2000万円を超える金額になってしまいました。
店舗と土地の売却でようやく元本1000万円まで借金を減らすことができましたが、その後は仕事が一気に無くなってしまい収入が途絶えてしまったことで、借金の返済にさえ四苦八苦してしまうと言う形になってしまいました。
もちろん、店をたたんだ後、日雇いの仕事や友人の紹介で斡旋して貰った企業への就職などを通じて何とか返済金を稼ぐ手段も用意したのですが、金利分もなかなか返済できない状態になってしまい、いよいよ持って自己破産を考えなくてはいけない状況に追い込まれてしまいました。
どうにもならない借金、自己破産への決意
何とか借金の返済をと考える中で、私の苦境を見て力になってくれたのが、私の友人でもある弁護士でした。彼からは、債務整理の手段として十分に自己破産を申請することができること、債務の免責についても十分に認められる要件であると言うことを教えて貰ったんです。
しかし、私の中で「自己破産」という方法がどうしても納得いかなかったので、アドバイスを貰ってからの2ヶ月間はその方法を選択する事ができませんでした。
ただ、その間も徐々に金利分の負担は増え続けるまま、最終的には友人のアドバイスに従って、自己破産の手続きを行う事に決めました。
自己破産に当たっての手続きについては、友人が全て担当してくれるとのことで、専門的な書類の作成や提出時の助言なども全て、彼に一任することにし、申請時に必要となる破産管財人については、友人の事務所に勤める別の弁護士の方に任せることになりました。
私としては、法的に提出の義務がある各種書類を受け取り、それに必要事項を記載した後、弁護士である友人に手渡し申請の代行を行って貰うことや、自身の手で行わなくてはいけない申請については、友人のアドバイスを元に実際に自分の手で行いました。
最初は躊躇していた「自己破産」。私が踏み切った理由
幸いにも、私には当時、家族らしき存在も折らず単身の身だったので、生活費などの面でも自分の事だけを考えて行動すれば良い状態でした。自己破産しなくてはいけないほどの状況だったので、生活は本当にギリギリの状態だったんです。
食事も、1日1食か、余裕が有ればなんとか2食食べる事ができる程度で、夜になると電気は全て消して生活するという形でした。娯楽に関しても一切手を着けず、もっぱら時間をつぶせるのは、それまでに所有していた本を読んだりするだけです。それでも、なんとか借金の辛さから逃れたかったことも有り、その気持ちが辛い苦境を支える原動力になってくれたんです。
実際の自己破産手続きを経験して
友人から自己破産のアドバイスを受け実際に破産の申請を行ってから1ヶ月ほど経過した段階で審問が開かれ、この審問には代理人である友人が出席してくれました。
審問から更に2週間後には、裁判所の方から破産宣告についての許可を下す裁定の書類が届き、この段階で無事に破産宣告を告知することができるようになりました。
その後、私がなんとか所有していた自動車と家財道具の中から価値のある物を全て売却し確保した200万円という金額を、それぞれの債権の比率に応じた形で債権者の方々に分配したんですが、これらの手続きも全て、代理人である弁護士と破産管財人である網費採るの弁護士の方が代行して行ってくれました。
最終的に、自己破産申請を行ってから4ヶ月程度の時間が掛かりましたが、1000万円の元本に金利分を加えた1100万円の負債について、試算配当後の900万円全てについて破産が認められました。
借金から解放され普通の生活を送れるようになった今、自己破産して思う事
自己破産を行う前と後では、生活面でも本当に様変わりしました。まず、それまで友人の紹介で就いていた仕事も、職場の経営者の方の理解を得ることができそのまま仕事を続けているのですが、収入を全て自分の生活に当てることができたので、生活面でもなんとか人並み程度の生活を送る事ができるようになりました。
最低限の娯楽は楽しめるようにもなりましたし、なにより、食事が毎日3食しっかりと食べられることが、自分でも嬉しくなるほど変化したポイントの一つです。
その後、今回の申請に当たり尽力して下さった友人である弁護士と破産管財人を務めてくれた弁護士の方には、かかった経費分と、、少ないですが報酬として30万円ずつ60万円のお金を支払いました。
ただ、自己破産はあくまでも自身に認められた権利で有りながらも債権者の方に迷惑をかける行為ですので、罪悪感が半端なかったのが、今回のやりとりを通じて感じた悪い点といえます。何度か、それを想像して胸を締め付けられるほど苦しい状況になったこともありました。
ただ、実際に自己破産申請を依頼する前に感じていた「申請して本当に全て精算することができるのか?」という不安については、自己破産申請後の生活を改めて見てみても、勇気を持って申請して良かったと、今なお心の中で心底感じています。