ニコスと聞くと消費者金融というよりもニコスカードとクレジットカードを連想される方も多いのではないでしょうか。田村正和さんをCMに起用しクレジットカードの中でトップに君臨するなど知名度も利用者も日本一のクレジットカードでした。ニコスやクォーク、イオンやオリコなど多くのクレジットカードがありましたが、最近になってニコスという言葉は聞かなくなり過払い金の対象であるのか、そもそもまだ企業が存在しているのか 気になる方も多いでしょう。
消費者金融とクレジットカードとは異なり過払い金は発生しないと考える方も中にはいるかも知れませんが、過払い金発生の対象となるのはショッピングとキャッシングと2つの機能のうちのキャッシングだけ、つまり借入だけが対象となるのです。ここではニコスがどのような変遷を遂げ現在に至り過払い金請求に対してはどのような対応をとる傾向があるのかなどニコスの全貌を見ていきましょう。
ニコスとは
ニコスとは旧日本信販が行っていた信販、クレジットカード事業のブランド名で1991年に日本信販という名前に変わったことでニコスカード自体が日本信販ということになります。1990年代には銀行の統廃合が繰り返されニコスも例外ではなくニコスの親会社もご存じのとおり東京三菱銀行とUFJ銀行が合併した東京三菱UFJ銀行が誕生したのです。
ニコスを管理しているのは三菱UFJニコス株式会社で三菱東京フィナンシャルグループの傘下企業に入っています。つまりは過去のように大々的なニコスのCMは放送されていませんが、三菱東京フィナンシャルグループの中でひっそりと存続していた事になります。
ニコスの直近の経営状況
三菱UFJフィナンシャルグループ傘下の三菱UFJニコスは2016年3月期に409億円の赤字を5年ぶりに計上しました。しかし三菱UFJフィナンシャルグループにはニコスカード以外にもMUFGカード、DCカード、UFJがそれぞれ管理されており過払い金返還請求に対しても返還金が業績に悪影響を及ぼさないような環境も整備した事で黒字転換を見込める事ができるでしょう。
ニコスの過払い金請求の対象
三菱UFJニコスが運営していたマイベストカードでは2007年の貸金業法改正以前では6.50%~27.60%の実質年率を適用していたため、2007年以前から利用がある方は過払い金が発生している確率が高くなります。
ニコスから過払い金が返還されるまでの期間の目安
裁判(訴訟)を起こさず、話し合いにより和解した場合
2005年に三菱UFJグループの傘下に入り現在も最大手として運営する信販会社となりますので、過払い金請求に対しても柔軟な対応を取ってくれる会社です。和解による返還までの期間の目安は受任通知発送を行って取引履歴開示までに約1か月、和解成立までに約2か月、入金され返還を受けられるまでには約3か月を目安にされると良いでしょう。
裁判(訴訟)を起こした場合
他の消費者金融や信販会社と同様にニコスでも返還する過払い金の額が大きくなると争う姿勢をとってきますので、満額回収を考えると訴訟まで行う事で解決を計る他方法はありません。ニコスでの訴訟の特徴には、訴訟まで至ると和解案では飲まなかった取引履歴が残っていない空白の期間の推測請求ができたり訴訟第2審後の期日までにはほとんどが和解に至る傾向が見られます。
和解交渉よりは期間は長くなりますが通常6か月前後で返還を受けられる目安とされてください。
ニコスの過払い金請求の回収率の目安
ニコスに対する過払い請求の窓口が三菱UFJとなりますので元金の7割以上の和解金提示やほぼ100%に近い和解案が出される事もあります。ただ過払い金の額が大きい場合や5%の利息分を含めての返還となりますと、やはり訴訟まで発展するケースが多くなっています。
また平均回収率で見ても約106%と高い傾向があり個人ではなく専門家に依頼することでさらに高い回収率とスムーズな返還を受ける事ができます。ニコスでの過払い金の大半は和解で解決に至っており訴訟に至るケースが少ない事をポイントとして押さえておいてください。
ニコスに過払い金請求する時の注意点
三菱UFJニコスには旧日本信販時代からのクレジットカードやMUFJカード、DCカード、UFJカードなどが管理されており利用したカードにより履歴が残っている期間のも異なる点に注意が必要です。ニコスカードでは平成7年1月、DCカードは平成4年7月、UFJカードは平成4年からの記録が残っておらず取引履歴が開示されない点が挙げられます。
また和解交渉にて話がまとまり和解成立となれば問題ありませんが、和解交渉が難航し訴訟に至った場合では、対抗策としてニコス自前の弁護士を立てて争ってきますので注意が必要となります。
別業者名からの借り入れについても完済しておくこと
ニコスに過払い金請求を行う際には完済、解約後に行うことが望まれます。特にニコスでは大手の信販会社らしく1つ会社が管理するカードも複数あり一つでも債務が残っていれば債務整理扱いとされ個人情報に傷を付けてしまうことになりますので、多くのカードを管理しているからこそニコスへの請求では完済後に行うようにしてください。
ニコスが保証会社になっている銀行からの借り入れについても完済
三菱UFJニコスに対して過払い請求を行う場合は三菱UFJニコスの全てのカードを完済、解約していなければ事故情報が付いてしまう点です。三菱UFJニコス全体に対して借入が残っていないかを確認し債務整理として扱われる事がないよう注意が必要です。
次にキャッシングを完済していてもショッピングの利用があり残額が残っている場合の過払い請求でも債務整理として扱われて事故情報として登録されるおそれがありますし、アコムが保証会社となっている三菱東京UFJ銀行とカードローン契約があった場合でも過去には契約の打ち切りや預金の差し押さえなど行ってきましたので参考までに覚えておくとよいでしょう。
ニコスの過払い金請求で見られる3つの傾向や特徴
1.訴訟まで至ると弁護士を立てて主張してくる傾向が見られます。
2.三菱UFJグループの傘下に入っていることから過払い金に足しては柔軟な姿勢を取り、大半は訴訟まで至らず和解で解決できる傾向にあります。
3.どのカードを利用していたかで取引履歴が残っている期間も異なっています。
ニコスの過払い金請求を専門家に依頼するメリット
消費者金融やクレジットカードなどの信販会社に対して過払い請求を行うメリットは多くありますが、ニコスでは和解案の提示でも7割以上からほぼ満額に近い金額を提示してきますので専門家に依頼することで回収率100%を超える高い返還を受けられるメリットがあります。
また和解交渉がまとまわらず訴訟に至るとニコスでは弁護士を立てて争ってきますので、やはり専門的な知識を有する専門家に依頼する事で確実な返還を受ける事ができるでしょう。過払い金が大きいほど返還額にも影響してきますので弁護士費用を考慮しても実績、信頼ある専門家に依頼する事が望まれます。
ニコスの会社概要
事業内容:クレジットカード業
所在地:〒101-8960東京都千代田区外神田4-14-1秋葉原UDX