信販業界大手である「オリコ」(orico)
カードローンやクレジットカードの保証会社との関連に注意。
みずほ銀行と結びつきが強く、資金面での懸念は少ないオリコカード(orico)
オリコは、カードローンやオートローンを保証しているケースがあり、手続きには注意が必要。
またオリコは、2007年前後から一斉に法定内金利の契約に切り替えているため、過払い金の対象となる取引は、2007年以前から取引をしていた方が対象となります。
オリコの特徴は「引き直し計算が分かりづらい」「和解から入金までが遅い」などがあります。
オリコカードは、株式会社オリエントコーポレーションが提供しているクレジットカードです。
オリエントコーポレーションの過払い金への対応は、ここ最近でかなり良くなってきていると言えるでしょう。以前までは、良くても8割前後での和解提案が多かったのですが、ここ最近では過払い元金を満額での支払いにも応じてくれる傾向があります。
ただし、返還日についてはあまり融通が効かず、平均して半年以上、場合によってはそれ以上先の返還を提案されることもあり、早期解決を強く望むのであれば過払い訴訟を提起した方が良いと言えます。また、過払い利息も付して請求したいと言う方も訴訟提起を検討したほうが良いでしょう。
よって、現状のオリエントコーポレーションは、返還日にさえ譲歩できれば満足のいく回収が望めるが、早期回収や過払い利息についても求めるのであれば訴訟提起しかありません。
とはいえ、訴訟提起をしたからといって早期回収が現実になるかと言えばなんとも言えないところなので、専門家に相談をしつつ、自ら良いと思う回収方法を選択してみてください。
オリコ過払い請求の現状
個人での過払い金請求には厳しい対応。
しかし弁護士・司法書士から請求すれば、満額回収は比較的容易。
オリコ過払い金の請求についての対応は、とにかく入金までが遅いことで有名。通常クレジットカード会社の多くは、裁判なしの交渉は解決が早くなるわけだが、オリコに限っては逆に裁判をして交渉した方が手続き期間が早まる傾向にある。
過去と現時点の金利比較
オリエントコーポレーションは、過去に金利29.2%の貸し付け、つまり、過払い金が発生するグレーゾーン金利での貸し付けを行っていました。
平成18年にあった過払い訴訟の最高裁判決をきっかけに、平成19年から金利を下げ、現在の上限である15~20%に変更をしています。
よって、金利の変更前から借り入れをしていた方は、過払い金が発生している可能性が非常に高いと言えるでしょう。
ただし、平成19年以降から借り入れをしたという方は、過払い金が発生していることはありませんので、自身がいつ頃からオリエントコーポレーションと取引を開始していたのかを調べてみましょう。
※現在オリコには、CRESTというキャッシング専用のカードもあります
オリコの過払いの注意点
1. クレジットカード毎の請求は出来ません。
原則として、オリコのすべてのカード(提携カードを含む)について手続きすることになります。(自動車ローン等、約定通りの返済を続けていれば、一部の債務を除いて手続きすることが可能な場合もあります)そのため、オリコ全体で借入れが残っている場合、信用情報上、事故情報がつく可能性があります。
また、ショッピング利用をしている場合も注意が必要です。特に注意が必要なのは、「ETC利用料」「携帯電話代」「インターネットサービスの利用料」等、毎月引き落とし(立替払い)が発生するものをカードで支払っているときです。過払い請求に先立って早めに他の方法に切り替えておく必要があります。
2. オリコが銀行保証になっている場合
例えば、みずほ銀行とカードローン契約をしている場合、ほとんどオリコが保証会社となっています。オリコは、こうした銀行保証業務に注力しており、みずほ銀行含め83の銀行、344の信用金庫・信用組合の保証業務をしています(2013年3月末時点)。
保証会社について
銀行はお金を貸すことはしても焦げついた債権を回収するようなことは自分ではしません。別の会社を保証人に立て、借りた人がお金を払わなければ、その別の会社(保証会社)が代わりに払うことになります。借りた人は保証会社に保証してもらうことの代償として一定のお金(保証料)を支払うことになっています。
オリコの銀行保証がある場合にオリコに過払い請求をすると、「あなたの銀行の借金を保証しています。銀行には自分たちが保証人として支払いをし、今度はうちが銀行の貸金をあなたに一括請求する」と相殺を主張してくることがあります。
しかし、過払い金の請求は当然の権利行使であり、当事務所は、これを理由に相殺主張は認められないと反論していますが、今後に当該銀行との取引にいかなる影響を生じるかは未知数です。このため、オリコに対する過払い金請求を希望される方には、特に、銀行保証がないか詳しくおうかがいしております。
過去から現在までの簡単な経緯
オリエントコーポレーションは、昭和26年にオリエントファイナンスとして設立し、日本のオートローン(自動車などの購入ローンのこと)においては業界トップを誇る信販会社として有名です。
平成18年以降の過払いブームの際、多大な赤字を出し、一時は経営自体が危ぶまれましたが、みずほグループ(みずほ銀行など)のグループ会社化することを前提に多額の資金増強を行い、この危機をしのいできました。
現在においても、みずほグループとのつながりは濃く、みずほ銀行の行っているカードローンのほとんどがオリエントコーポレーションによる保証となっています。
オリコの過払いは「和解」より「裁判」だと解決期間が早くなる?
オリコ過払い金が戻ってくる期間は、クレジットカード会社の中では遅い。オリコ側の説明によると、予算の都合でどうしても入金日が遅くなってしまう傾向にあるという。そこで通常請求書のみの対応(任意交渉)と裁判による交渉とでは手続きにかかる期間は次のとおり。
・請求書での対応は手続き期間が早い
・裁判だと期間が長期化する傾向にある
しかし、オリコに関しては裁判をせずに交渉すると、金額面に関しての返還率は満額近くの提示があるが、どうしても入金日までの期間について早めることはできないでしょう。そのため訴訟を提起することによって手続き期間を早めることが出来る可能性がでてくることになります。
過払い金請求の注意点・デメリット
過払い金返還請求・任意整理をすることにより、オリコカードが利用できなくなります。
オリコカードのショッピング利用がある場合は、その残高と過払い金とが相殺されます。
※なお、ショッピング利用分は法定内貸し付けのため、過払い金は発生いたしません。
上記説明にあるようにオリコは信用情報(ブラックリスト)に関する登録がちょっとおかしいため、返済中で手続きする方はデメリット・リスクを検討し、オリコに関しては完済してからの手続きがおススメです。
オリコカード・アメニティ・UPty(アプティ)など、オリコで複数カードを利用しているケースは、すべてのカードが手続きの対象になりますので事前にご確認ください。
オリコ以外のカードには影響なし
完済後のオリコで過払い金請求した場合、現在使用中の別会社のカードには、影響ありません。
しかし、オリコ返済中で結果的に借金が残り信用情報に「債務整理」情報が登録された場合は、他社のカード契約更新等のタイミングで、間接的に影響が出る可能性はありますので、ご注意ください。
取引途中で完済している期間があると、分断の争点となり過払い金請求金額が上下します。しかし多くは基本契約が同一であれば一連計算で対応できます。
訴訟の対応
オリコに対して裁判した場合、提訴してから3ヶ月前後で利息を付加した金額で和解提案をしてくることが多いですが、その代わり、他の業者に比べて和解金の支払い時期はそこから9ヶ月後ぐらいと遅くなります。
また、取引の途中に長期のブランク期間がある場合や、取引途中に和解している場合等、争点があるケースについては、相手方に代理人として弁護士が付き、提案の時期がさらに遅くなるケースがあります。
オリコ過払い金の和解交渉
最近では自分でオリコの過払い金の計算はできたが、その後どうすればいいか分からずに面倒になったり、オリコと和解交渉をしてみたがスムーズに進まなかったりとどうしたらいいのかと迷う方が多いとよく聞いています。
オリコへの過払い金請求は、法務事務所に依頼をしてしまえば、オリコの過払い金の計算から返還交渉まですべて対応してくれるでしょう。
たった1度の面談で済むので何もしなくていい、ただ待つだけというメリットがあるでしょう。
弁護士や司法書士に依頼すると、過払い報酬その他費用として、返還額の2割~4割程度がかかります。
法務事務所によっては着手金や報酬制度が異り、回収方針にも違いが出てくるのでゆっくりサイトを見比べるのも必要でしょう。
比較するポイントは着手金、報酬体系、明確な費用、そして期間でしょう。
1件の和解交渉につき20,000円という事務所あれば、成功報酬の事務所もある。
最後に比べるのは実績でしょう。
今までどれだけの件数をどのように解決しているかも重要になります。
『会社と会社』の取引ではあるが『人と人』の取引でもある。
これまでの取引の仕方でオリコの過払い金返還の対応でさえも変わってくる。
任意交渉と裁判交渉のどっちがいいのか。
特にどっちがいいということはないでしょう。
自身で請求する場合や弁護士や司法書士に依頼する場合もだが、オリコからどこまで過払い金を回収したいかによって決まってくる。
例えば、過払い金の請求額が100万円あった場合に、オリコとの交渉でスムーズに100万円返金してくれるなら問題ないが、100万円の過払い金が発生しているのは認めたうえで、すぐになんでも返金していると倒産してしまうので、オリコから『減額してほしい』や『半額でどうですか』という流れになります。
もちろん裁判に持ち込めば徹底的に攻めれば満額回収も可能だが、長期の裁判になるということは覚悟するべきであるでしょう。
オリコ過払い金とブラックリスト
ブラックリスト?デメリットはあるのか?
通常デメリットとして思い浮かぶのがブラックリストであるでしょう。オリコ過払い金を請求するとブラックリストに登録され、今後お金などが借りられなくなると思っている方は多いことでしょう。
結論として、オリコ過払い金とブラックリストの影響はケースバイケースであるでしょう。
すでに完済しているオリコカードの過払い金を請求するのみであればブラックリストに影響はないでしょう。
また、請求しても他社の使用中カードに影響が出ることはないでしょう。
ではどのようなケースがブラックリストに影響あるのか?
それはオリコカードを返済中に手続きをする場合であるでしょう。
返済中での手続きは任意整理と呼ばれ債務整理手続きの1つであるでしょう。
返済中で手続きに入ると、オリコカードの利用がストップし今後の利用が出来なくなります。
そして現在の返済内容を見直す手続きとなるが、この返済中でのケースがいわゆるブラックリストに登録される対象となる場合が多いでしょう。
逆にいうと、先に説明した完済しての過払い金請求であればブラックリストには影響しないため、この点を混同しないでほしい。完済しているとは、ショッピング利用もきちんと完済していることであるでしょう。
またオリコで複数カード使用中の方はすべてのオリコ関連カードを完済している必要があるのでご注意を。
株式会社オリエントコーポレーションの今後について
2015年10月以降、出資比率の大幅な引き上げがされ、みずほフィナンシャルグループとカード事業の決済面での連携強化を図ったこともあり、今後もカード事業に力を入れた運営が期待できると言えます。オリエントコーポレーションは、今後もオートローンにおいては業界トップを維持する可能性が高く、また、信販業界大手4社にも数えられていることから、今後も急な倒産といったことはまずないと言えるでしょう。
ただし、過払い金の返還日が遅いといったマイナスな要素もあるため、オリエントコーポレーションに過払いの心当たりがある方は、早急に手を打つようにしてください。
みずほ銀行と関連があるため経営は安定。
しかし、他社の銀行系グループと多少の違いがあり、やや融通が利かない業者の印象があるでしょう。
返金対応に関しては誠実である一方、以前から入金日までの期間が遅いことで有名。
普通に交渉していると1年後の返還を求められることもある。
社内で予算がある程度決まっている模様で、返金割合は問題ないが、入金日の交渉が遅くなりがちではある。
またオリコ過払い金を請求する際に注意しておきたいのが、複数のオリコカードがある利用者が多く、手続きをする際には関連性があるカードの使用がないかチェックすることがポイント。
オリコでの過払い金請求のまとめ
オリコ過払い金がどんな感じかつかめたことでしょう。
きちんと完済している場合であれば過払い金を請求してもブラックリストには影響が出ることはないでしょう。
逆に返済中の場合は影響が出る可能性があることを必ず覚えておいてください。
過払い金が発生している可能性のある契約は大体2007年(平成19年)以前のキャッシング利用が対象となっています。
過払い金の認知度が上って請求する方が増えている傾向にあるようですが、ここ数年での契約はオリコ過払い金の返金対象とはなりませんので注意してください。
またショッピング利用枠に関しては返金対象にはならないので必ず覚えておきましょう。
オリコの会社概要
商号 | 株式会社オリエントコーポレーション |
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本社所在地 | 〒102-8503 東京都千代田区麹町5丁目2番地1 |
資本金 | 1,500億円(2016年3月31日現在) |
関連 | 個品割賦事業、カード・融資事業、銀行保証事業 |