依存症には様々な種類がありますが、繰り返す借金に関しては「借金依存症」の可能性があります。家族に内緒で借金を重ね、浪費を繰り返していませんか?
この記事ではご自身はもちろん、家族が借金に関して依存傾向がある場合にどのように対処すべきか、解決方法を中心に紹介します。今苦しんでいる方やご家族は、ぜひ当記事をお役立てください。
依存症とは何か?借金依存症は意外と身近な存在です
そもそも依存症とはどういった症状なのでしょうか。やめようと思っていてもやめられない依存症や、意外と身近な借金依存症の症状についてこの項では詳しく説明します。
依存症の定義とは
厚生労働省が定義する「依存症」とは、「特定の何かに心を奪われ、やめたくてもやめられない状態にあること」としています。
依存症には様々な症状があります。代表的な事例としてはアルコール、薬物や窃盗、そしてギャンブルなどが挙げられます。社会的立場を失いかねない依存症も多く、適切な治療が必要なケースもあります。
多重債務などの借金問題を抱えている人の多くは、「借金依存症」です。ギャンブルや浪費の依存も併発しているケースが多く、ご自身だけではなく家族も被害を被るケースも少なくありません。
では、借金依存症の傾向がある人はどのような症状があるのでしょうか。誰でも陥る可能性がある借金依存症について、ご自身や家族に兆候は無いかまずは確認をしましょう。
参考URL 厚生労働省 依存症についてもっと知りたい方へ
こんな症状があったら、借金依存症かも?
借金依存症の傾向がある人には次に紹介する3つのような特徴があります。
まず1つ目は「浪費・ギャンブル依存症」です。浪費をしたい、ギャンブルをしたい人は借金を重ねてしまっても浪費やギャンブルから抜け出すことが出来ません。周囲が止めても隠れて行為を繰り返す傾向があります。
次に2つ目は「ストレスが多い」ことです。ストレスを抱えている方は自傷傾向があり、止めたくても借金をやめられないことがあります。お金を借りて無為に散財したり、投資する行為を繰り返すのです。
最後に3つ目は「寂しさを抱えている」ことです。心に寂しさを抱えている人は、人にお金を貸してしまったり、散在することで友達や恋人を作ろうとする傾向があります。しかし、このような行為はいずれ破たんしてしまうでしょう。
借金依存症に陥りやすい人は別の依存症に引きずられる形で借金をしたり、心の問題を埋めるために借金を重ねる傾向があります。
多重債務に陥る人には借金依存症が多い?
多重債務を抱え、借金に悩んでいる人の多くは借金依存症の傾向が強いのでしょうか。この項では借金相談と借金依存症の関連性について解説します。
多重債務に至る原因は浪費やギャンブルが多い
多重債務とは貸金業者やクレジットカードからの借入など複数の借入を行い、債務が増えてしまう現象を指します。弁護士や司法書士に借金の相談を検討する方の多くは多重債務の状態です。
弁護士や司法書士、消費者センターを始めとする相談先に寄せられる借金相談は、「遊興費への浪費」が原因となっているケースが散見されます。浪費やギャンブルによって多重債務を引き起こしているケースが多いのです。
借金依存症の傾向がある人は家族や友人、会社等近しい存在からも嘘を重ねてお金を借りているケースもあります。嘘を隠すために更なる借入に至ることもあり、生活が破たんする可能性が高いでしょう。
借金依存症から抜け出す方法とは?
借金依存症は周囲の方にも迷惑をかけてしまうことがありますが、ご自身もつらい症状と感じています。嘘を重ね、お金を借り続けることは大変なストレスだからです。
では、一度借金についてきちんと向き合い、借金依存症から抜け出すにはどんな方法が考えられるでしょうか。抜本的な対策は「依存症を認識すること」と「借金を整理すること」の2つが考えられます。
借金依存症から抜け出そう!つらい依存症に向き合う2つの方法とは
借金依存症かも…ご自身やご家族に紹介したような兆候が見られたら、依存症の回復を模索しましょう。依存症はつらく難しい問題ですが、2つの方法で抜け出せる可能性があります。
1. 依存症を認識すること
借金などの依存症は、まず自身が「依存症」であることを認識することから始まります。やめたくてもやめられない症状を抱えている場合には、適切な医療を受けることがおすすめです。
ギャンブルや浪費、借金などの依存症は「精神科」や「心療内科」で治療を受けることができます。また、依存症の専門家にご自身の症状を打ち明けることで、長年重ねてきた嘘をつかなくてよくなり、心が落ち着くきっかけになります。
医療の扉を開くことに抵抗感がある場合には、各自治体の精神保健福祉センターなどの相談機関を訪れることもおすすめです。臨床心理士などが依存症に関してアドバイスをしてくれます。
2.借金を整理すること
多重債務に陥っている以上、医療や相談機関を訪れる事と並列して、借金の整理を検討しましょう。借金依存症の人は、現在の借入総額が分からなくなっている可能性があります。
ご自身で理解をしているよりも利息や遅延損害金などを含めると、すでに高額の借金に至っている可能性があります。住宅や車のローンも抱えている場合には早めに対処をしないと財産を失う可能性もあります。
まずは弁護士や司法書士に相談を開始し、ご自身の借金が今どのような状況にあるのか冷静に分析してもらうことが大切です。
借金依存症を解決するなら、債務整理を検討しよう
借金依存症を解決したい場合には、現在の借金を返済できる状況かどうかを冷静に分析する必要があります。すでに債務超過の傾向がある場合には、早めの対策が必要です。
1.任意整理を検討しよう
借金依存症により借金を増やしてしまった場合には、「任意整理」を行うことがおすすめです。任意整理は債権者単位で交渉を行い、将来の利息のカットや返済回数のアップなどで借金完済を目指します。
任意整理は借金を返済できる収入が安定していないと、債権者は交渉に応じてくれません。しかし、任意整理なら住宅や車のローンとは別に債権者交渉が可能です。つまり、家や車を失わなくて済みます。
2.個人再生を検討しよう
任意整理では返済が難しい場合には、裁判所へ手続を申立する「個人再生」がおすすめです。個人再生は借金を大幅に減額します。裁判所への費用や再生委員への費用を要することがありますが、免責不許可事由がありません。
免責不許可事由とは、自己破産が認められない行為を指す言葉です。破産法252条で定められており、ギャンブルや浪費によって債務超過に至った場合は自己破産を認めない可能性があります。しかし、個人再生なら可能です。
2.自己破産を検討しよう
自己破産をして借金をゼロにしないと到底生活ができない場合には、自己破産を申立することになります。自己破産は免責許可が下りると借金がゼロになるので、返済も一切しなくてよくなります。
自己破産は免責不許可事由があるため、借金依存症の症状が強く浪費やギャンブルが多かった場合には破産手続き自体が認められない場合があります。そうなる前に、まずは法律相談をされることが大切です。
借金から卒業を!債務整理で借金を整理し、もう1度前を向いて歩きましょう
この記事では、借金依存症の問題から抜け出す方法を中心に解説しました。もしも現在借金で悩んでいるなら、この記事をきっかけに医療機関の受診や債務整理のご検討をされることがおすすめです。
債務整理に関しては弁護士や司法書士が専門家として対応しています。ご自身の借金をしっかり見つめ、もう1度前を向いて歩くためにも借金問題の解決を目指しましょう。