借金

早く完済するために!借金返済に必要な計算と計画の立て方を解説

借金の計算は、利息の計算などが複雑で、正確に把握できない人も多いのではないでしょうか。

借金を返済するには、自分が今いくらお金を借りているか、いくら返さなければならないのかを正確に把握し、返済計画を立てることが重要です。

最近では、借金の返済シミュレーションなど便利な機能もオンライン上で使用できるため、これらのツールを用いてある程度将来的な返済期間や額を計算することができます。

そこで今回の記事では、借金返済に必要な計算方法や返済計画の立て方、返済できない場合の対処法について解説していきます。

借金返済に必要な計算

借金の返済には、毎月の返済額や返済期間、利息額を計算することが必要不可欠です。特に利息計算や返済総額の計算が重要です。

最近ではシミュレーションによって全て計算できてしまうこともありますが、考え方を知っておくことが重要です。

借金返済に必要な利息計算

借金の返済には、利息の計算が不可欠です。

利息を考慮した借金返済計画を立てることで、どのくらい返済期間が必要なのか知ることもできます。

借金の返済を計画的に進めるには、利息をしっかりと把握することが必要です。

利息には年利と月利があり、借金の元本を掛けることでそれぞれ求められます。1年間の年利の計算は簡単です。

1年間の利息=借金の元本×実質年利

「実質年利」とは、業者の手数料などを含めた実質的な年利のことで、消費者金融などではこの年利を表示しています。必ず実質年利で計算するようにしましょう。

また、1か月の利息は次の計算式で算出可能です。

1か月の利息=1年間の利息×1月の日数÷365

1月の日数は28日から31日の間ですので、その月の日数を入力すれば計算できます。

利息の計算方法

1年間の利息の計算方法 借金の元本×実質年利
1か月の利息の計算方法 1年間の利息×1月の日数÷365

借金返済の具体的な計算方法

利息の計算ができたら、借入元本(借りた元の金額)の充当額を計算します。

借入元本の充当額=1か月分の返済額−1か月分の利息

つまり、その月に返済した額のうち利息を除いた分が借入元本の充当額です。

最後に、返済の後に残った借金額(残債)を計算します。

返済後の残債=借入元本の残債−借入元本の充当額

これらを踏まえた上で計算をすると、借金の完済までの期間と利息の総額を知ることができます。

ここで、借入総額が10万円、実質年利が18%、毎月1万円ずつ返済した場合を想定して計算してみましょう。

初回の利息:10万円×0.18×30(日)÷365=1,479円

初回の借入元本の充当額:1万−1,479円=8,521円

返済後の残債:10万円−8,521円=91,479円

このプロセスを繰り返していくと、返済回数を知ることができます。

計算を繰り返し、残債がゼロになった時点で返済が終了となり、返済回数が確定します。同時に、毎回計算する利息額を全て足した金額が総利息額です。

借金をする前にこれらの計算を行っておくと、あらかじめ返済計画が立てやすくなります。

返済シミュレーションで借金返済に向けた計算をしよう

借金の計算は電卓などで計算することもできますが、計算ミスのリスクもあります。クレジットカードや学生支援機構では返済シミュレーションを無料で利用することができるため、自身の借入の情報を入力し、内容を確認すると良いでしょう。

クレジットカードの返済シミュレーション

クレジットカードを提供する会社の多くは、キャッシングの返済シミュレーションを提供しています。

クレジットカード会社の返済シミュレーションページでは、「希望借入金額」と支払い方法の「1回払い」「リボ払い」のどちらかを選択するだけで簡単に利息と支払合計額を見ることができます。

例えば、楽天カードのキャッシング返済シミュレーションで希望借入金額を「30万円」とし、支払い方法を「リボ払い」、毎月の返済金額を「3万円」と入力すると、以下のような将来的な返済内容を簡単に確認できます。

クレジットカードでは一般的に実質年利が18%程度とされていることが多く、設定された実質年利をもとに計算が行われます。

クレジットカードで借入をする利用する際には、事前にシミュレーションを利用して確認をしておきましょう。

消費者金融の返済シミュレーション

消費者金融でも、借入をする前に返済シミュレーションを利用することができます。

多くの消費者金融は借入希望額、実質年利、返済回数などの情報を入力することで、毎月の返済額などの情報を確認できます。

金融庁の調査によると、近年の消費者金融が消費者向けに貸し付けている金額の残高は7兆円弱となっており、横ばいからやや増加している状態です。

消費者金融の貸付残高は近年横ばい

(引用元:貸金業関係資料集|金融庁

銀行でお金を借りるよりも審査に通過しやすい消費者金融では、毎年多くの人が生活費などのために借金をしています。審査はオンライン上に書類をアップロードしたり、電話で確認するだけで借りられることも多く、すぐにまとまったお金が必要な際には非常に便利なサービスです。

一方、消費者金融は手軽に借金がしやすいため、後々利息が返せなくなってしまうなどトラブルも多く発生しています。無計画な借金をしないためにも、返済計画をもとに消費者金融のシミュレーションで結果を確認することは極めて重要です。

あらかじめ月々の返済額や返済回数を確認し、無理のない返済内容になっているか確認しておきましょう。

奨学金の返還シミュレーション

奨学金もシミュレーションで借りる前に返済内容を確認することができます。

日本学生支援機構ではいくつかの質問に答えることで貸与する総額や返還完了日などを試算することができます。試算に必要な情報は、奨学金の種類や入学年度、機関保証制度を利用するかなどで、入力が終わると返還額の合計や月々の返還額の推移を表やグラフで確認することができます。

このシミュレーションには学生用、保護者用にそれぞれガイドラインが作成されており、注意点なども記載されているため、誰でも使いやすい設計がされています。

奨学金は毎年新規の延滞者が発生しており、日本学生支援機構の資料によると、直近では5%程度の延滞が発生しています。

毎年3か月以上の奨学金延滞が発生している

(引用元:返還金の回収状況及び平成29年度業務実績の評価について|日本学生支援機構

奨学金の延滞は、卒業後の不安定な雇用や収入によって返還ができないといった状況が想像されます。卒業して就職してから返せば良いからと必要以上に借りてしまうと、後から「こんなはずじゃなかった」ということになりかねません。

奨学金も他の借金と同様、後述する債務整理の対象になりますが、両親などが連帯保証人になっている場合が多く、返還ができない場合は保証人に督促が届いてしまうこともあります。子供が経済的に自立しておらず、将来の見通しも立っていない状態での貸与はリスクがあるということも自覚し、親と子で相談し合いながら手続きを進める必要があります。

借金返済計画を作ろう

返済シミュレーションによる大まかな返済額や返済回数がわかったら、次は返済計画を立てていきましょう。

返済期間は短すぎると月々の負担が大きくなり、長すぎるとその分利息が増えて返済総額が大きくなります。家計の収支に見合った無理のない返済計画を立てることが重要です。

家計の収支を確認

借金返済計画は、家計の収支に見合った内容にする必要があります。家計簿をつけるなどし、現状を把握しましょう。

また、家計簿をつけるとどの支出が大きいのか一目でわかるようになります。各項目の支出を確認し、節約できる箇所がないか検討してみましょう。

家計簿には次のような支出項目があります。

  • 家賃
  • 水道光熱費
  • 食費
  • 通信費
  • 交通費
  • 被服費
  • 交際費
  • 日用品費
  • 医療費
  • 教養娯楽費
  • 雑費

借金をする予定ならば、交際費や被服費など急を要する支出ではない費用は抑えるようにしましょう。支出を減らすことができれば、その分のお金を返済に回すこともでき、結果的に返済期間の短縮、返済総額の縮減ができます。

それぞれの項目の支出については、全国の家庭の支出を調査した総務省の家計調査で調べることができます。

同調査の中から節約できそうな項目を抜粋します。

二人以上の世帯の月平均支出額

食費 80,461円
水道光熱費 21,951円
被服費 11,306円
交際費 11,904円
教養娯楽費 30,679円

(引用元:2019年家計調査報告|総務省統計局

この調査は二人以上の世帯が対象のため、各項目は大人数の世帯も含めた平均支出額です。

食費は週に数回のまとめ買いや、外食をやめるて自炊をするなどの工夫で節約できます。水道光熱費は使っていない電気を消すなどの小まめなチェックを心がける、交際費や教養娯楽費は誘いがあっても断るなどで節約することができます。

単身世帯や二人世帯がこれ以上の支出をしている場合、平均的な家庭よりも支出が多いということになります。各項目でお金を使いすぎていないか見直してみると良いでしょう。

毎月の借金返済額を計算する

毎月の借金返済額は、できるだけ少なめに見積もっておいた方が無難です。急な病気により医療費がかさんでしまったり、家電の故障で急な出費が必要になるなど、思いもよらない出費を考慮する必要があるからです。

せっかく返済計画を立てても、急な出費で予定が狂ってしまうと、もう一度計画を立て直さなければなりません。また、計画が狂って返済が滞ってしまった場合、遅延損害金が発生してしまうリスクもあります。

月々の返済額から利息を計算

家計の収支を確認し、毎月の借金返済額を確認したら、返済シミュレーションを用いて返済回数や利息額を算出しましょう。

シミュレーションによる返済回数や利息額に納得できれば、計画した条件で借入を行います。結果に納得ができない場合は、家計の収支をもう一度確認し、支出削減や新たな収入源の確保を検討します。

納得がいくまで計算のサイクルを回す

利息額を減らそうとすると、返済期間を短くしなければならず、月々の返済額は大きくなります。家計の状況を見て、納得いく条件になるまで何度もこのサイクルを回していきましょう。

借金返済の計算をする際の注意点

借金の計算をする際には、

  • 繰上げ返済を考慮した計算をする
  • 実質年利で計算する
  • 金利が変動制かどうか確認する

など、いくつか注意点があります。

繰上返済を考慮した計算を

「繰上返済」とは、月々の返済とは別に返済を行うことです。通常の返済とは異なり、全て元金の返済に充てられます。

会社員であれば、夏と冬にボーナスが支給される人も多いはずです。このようなまとまったお金を月々の返済とは別に支払うことによって、返済期間が短くなり、結果的に支払う利息も減らすことができます。

借金をした状態でボーナスを浪費してしまうと非効率です。安定したボーナスなどの収入があれば、これも返済計画や計算に入れておきましょう。

ただし、ボーナスの額が不安定だったり、貰えるかわからない状態で返済計画に入れてしまうとリスクが高まります。あくまで安定した予測可能な収入であるかどうかを計画に入れる判断基準にしましょう。

借金の金利は実質年利で計算

借金の金利が実質年利で計算しているかどうかも確認しましょう。ネット上で利用可能な多くのシミュレーションでは実質年利が設定されていますので、表記を確認してください。

せっかくシミュレーションをしても、毎月想定外の事務手数料を支払うことになると、返済計画にずれが生じてしまいます。

金利が変動制の場合

借金の金利が変動制になっていないかもチェックポイントです。

クレジットカードや消費者金融からの借入の場合、一般的に金利は変動制が採用されていますが、返済が長期に及ぶ住宅ローンなどでは変動制の金利を採用していることもあります。

金利が変動制の場合、変動幅や変動時期などを正確に予測することは困難なため、金利が変動した後に対応することになります。

具体的には、金利が変動した直後に変動後の金利で返済シミュレーションを行えば、それほど時間をかけずに返済計画の見直しが可能です。

借金返済額を計算して返済できそうにない場合は?

借金をした後にシミュレーションを行った結果、どうしても返済ができそうにない場合は、早めに借入先や専門家に相談する必要があります。

借金を滞納すると多くのリスクがあるため、一人で迷わず適切な対処をしましょう。

借金を放っておくと損害遅延金が加算されてしまう

借金は返済日を過ぎると、損害遅延金が加算されていきます。一人で悩んでいる間に、返済総額が増えてしまうのです。

また、借入先からの督促や、信用情報への悪影響など、滞納をすることで様々なリスクが生じてしまいます。督促は精神衛生や日々の生活にも悪影響を及ぼす可能性があります。

もし返済日を過ぎてしまったり、返済日までに返済できないことが明らかな場合は、借入先や専門家に相談しましょう。

まずは借金の借入先に相談しよう

まずは、借入先に対して報告をする必要があります。

消費者金融では、返済実績があれば、返済日を変更をすることができますが、その分の損害遅延金を上乗せして返済しなければなりません。状況次第では何度も返済日を変更することができますが、その分返済額は高くなることも覚えておきましょう。

また、多くの金融機関では、借金の返済に関する相談窓口を設置しており、電話や現地で対応してくれます。借入の現状や返済できない理由、返済の目途など必要な情報を伝えましょう。

金融機関の窓口で借金を減らしてもらうことは困難ですが、返済日に猶予をもらえる可能性はあります。

また、窓口に相談することで一時的に督促も止まるため、精神的な負担も減ります。恐れずに借入先に相談してみましょう。

借金の専門家に相談しよう

返済日の延長などで済む場合は借入先に相談することで解決することもありますが、借金の額を減らしてもらうことは困難です。

そのため、全く返済の目途が立たない人は、適切な専門家に相談する必要があります。

借金に関する悩みは、

  • 法テラス
  • 消費生活センター
  • 自治体の専用窓口
  • 弁護士事務所

などで相談することができ、ほとんどの場合は無料で利用できます。

法テラスとは、国が開設した案内所のことで、契約している弁護士などが相談にのってくれます。法テラスの無料相談は事前に予約が必要で、専用窓口に問い合わせることで次回の予約が確定します。実際の面談前に作成した書類をもとに、必要な手続きや専門家を紹介してくれます。

消費生活センターでは、多重債務などの悩みを抱える人の相談に応じてくれます。消費生活センターは各都道府県にそれぞれ設置されており、最寄りのセンターで相談員と面談が可能です。

都道府県や市町村などの自治体では、担当課が借金問題の窓口を設置しており、相談にのってくれたり、制度を紹介してもらうことができます。自治体では独自の制度を実施している場合もあるため、援助を受けられないか確認してみると良いでしょう。

また、弁護士事務所では借入先への交渉も含め、法的な手続きをサポートしてくれる心強い味方です。

計算の結果返済が難しい場合は債務整理を検討しよう

シミュレーションの結果、返済が難しいと分かった場合は、「過払い金」がないか確かめてみましょう。過払い金とは業者に払いすぎたお金のことで、特定の条件に当てはまる場合は請求できる可能性があります。

具体的には、

  • 2010年以前にお金を借りている
  • 借り入れ先の金融業者が倒産していない

などの条件があります。

その他の方法で借金自体を減らすには、「債務整理」の手続きが必要です。

債務整理には、

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産

があり、借金を減らす効果があります。

それぞれにメリット・デメリットがあるので、内容を理解してから手続きをしましょう。

任意整理で現実的な借金返済を協議する

「任意整理」とは、借入先と裁判所を通さず直接交渉をして、利息のカットや返済期間の延長などをしてもらう手続きです。裁判所を通さない交渉のため、書類などで家族や周囲に知られるリスクも少なく、債務整理の中では最もハードルが低い手続きです。

ただし、個人再生や自己破産に比べると借金の減額幅は小さいため、劇的な効果は望めません。

あくまで月々の返済の負担を軽くする目的で行う手続きです。

個人再生で計画的に借金を返済

個人再生は裁判所に手続きをし、借金の残高を大幅に減らすことができる手続きです。

個人再生は任意整理よりも借金を大幅に減らすことができます。

借金の総額 最低弁済額
100万円以下 減額されない
100万円~500万円 100万円にまで減額
500万円~1500万円 5分の1にまで減額
1500万円~3000万円 300万にまで減額
3000万円~5000万円 10分の1にまで減額

に、多額の借金を抱えている場合は、減らせる借金の割合は大きくなります。

特反対に、借金の額が少ない場合は、あまり効果はありません。

また、個人再生の手続きを行うと、信用情報に影響があり、一般的には7~10年間信用情報機関に保存されることになります。この期間中は、クレジットカードの作成や金融機関からの借入などは難しくなります。

また、個人再生を行うと官報に掲載されるため、周囲に知られてしまうリスクもあります。

個人再生は経済生活への影響も考えた上で手続きをしましょう。

どうしても借金が返済できない場合は自己破産

「自己破産」は、裁判所に対して破産申立書を提出し、借金をゼロにしてもらう強力な法的手段です。

自己破産するには、継続的な返済の目途が立たないことが裁判所に認められる必要があり、無職者や無収入の人、生活保護受給者であっても手続きをすることができます。職を失ったり、仕事がなくなってしまって返済ができなくなった場合は、自己破産も視野に入れましょう。

自己破産は個人再生と同様で、信用情報への影響や官報への掲載など、実生活で様々な影響が予想されます。また、借金はゼロになりますが、保有している財産に現金化できるものがある場合は、手放す必要があります。

自己破産は大きな借金をゼロにできる代わりに、生活に多大な影響が出ます。まずは他の手段がないか、専門家に相談してみると良いでしょう。

まずは借金返済額を計算して現状を分析しよう

無計画な借金をしてしまうと、家計を大きく締め付けたり、信用情報に影響が出るなど、様々なリスクが生じます。借金をする前に家計の支出を分析し、いかに無理のない返済計画を立てられるかがリスクのない返済への近道です。

また、借金をした後も、随時返済計画を見直し、計画が現実的かどうかチェックする必要があります。雇用状況の変化や思わぬ出費など、家計に変化があった場合は、その都度整合性を取るように心がけましょう。

すでに借金をしており、計算した結果どうしても返済ができない場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。特に多少の返済日の延長などでは対処できない場合、債務整理など法的な手続きを取る必要があります。