借金

複雑化するヤミ金融の手口とは?違法業者の特徴や解決策の紹介

違法な金融業者であるヤミ金融は、様々な手口を使ってお金に困っている人に近寄ってきます。借金に悩んでいる人には救済に見えてしまうのもあり、トラブルになることが分かっていても借りてしまうのです。

この記事ではヤミ金融の手口や特徴、万が一の際の解決法について紹介します。ヤミ金融はプロの犯罪集団です。忍び寄る悪質な金融業者を撃退するためにも、ぜひご一読ください。

ヤミ金融の手口とはどんなもの?代表的な3つの手口や特徴を解説

ヤミ金融とは、貸金業の登録が行われていない不法な営業を行っている金融業者です。違法な金融業者は一体どのような手口で忍び寄ってくるのでしょうか。代表的な手口を3つに分けて解説します。

携帯電話を使った手口

ヤミ金融は実店舗を構えていないことが多く、連絡窓口には携帯電話番号を使用しています。そのため「090金融」と呼ばれていたこともあります。

街角にチラシを張り付けたり、流出した顧客データを使って携帯へ電話してくる手法が一般的です。1万〜10万円程度の少額融資を行い、1か月程度を目安に回収する金融業者です。

「ブラックOK」や「審査不要」など、すでに借金に追われている人をターゲットにして広告を行うことが特徴の1つです。すでにまともな貸金業者から借りられない人を狙っています。

合法の業者に似せた手口

有名企業や実際に存在する金融業者の名前に似せた悪質な金融業者もいます。こうした業者は90年代から登場しており、一時期は社会問題の一端となりました。いわゆる「都イチ金融」の手法です。

貸金業の登録を行っていても、本来貸付が難しい方に違法な金利で貸付ている業者もあります。以前よりも都イチ業者は減りましたが、近年再登場していると見られており、注意が必要です。

質屋営業法を違反している手口

違法な金融業者の中には質屋の看板を使って悪質な貸付を行っている業者もいます。質屋は貸金業とは異なり、上限金利109.5%(うるう年109.8%)まで金利を設定することが法的に認められています。

質屋は若い世代にはあまり馴染みのない借り方ですが、高齢者に被害が多い手口です。高齢者は定期的に年金が入ってくることを見込み、わずかな財産を質に入れさせて高金利でお金を貸付しています。

暗躍する最新型のヤミ金融はどんな手口を使う?

90年代後半から台頭したヤミ金融は、様々な判決とともに一旦下火となりました。しかし、社会情勢の不安を背景に再びヤミ金融が登場しています。この項では最新の手口にスポットを当てていきます。

SNSやLINEを使ったヤミ金の手口

近年被害が拡大しているヤミ金融の詳細を探ってみると、SNSやLINEを駆使しています。こうした悪質な融資はアカウントを削除してしまえば正体が隠れるので、摘発しにくいのが現状です。

Twitterなどでお手軽な融資であると宣伝し、QRコードを渡してLINEアカウントへ誘導しています。こうした手口は若い世代が被害に遭いやすく、少額の借入をきっかけに脅迫まで受ける自体に発展しています。

個人間融資の台頭も見られる

SNSやLINEをきっかけに、従来のような組織犯罪ではない悪質な金融業者も増加しています。いわゆる「個人間融資」と呼ばれているもので、誰でも気軽に高金利で融資できるため、犯罪に加担しやすくなったのです。

ネット上で気軽に融資できるため半グレなどの組織が暗躍していると言われています。ソフトな物腰で寄ってくるため、お金に困っているとつい頼ってしまう方が増加しているのです。

クレジットカード現金化も危険な借入行為

ネット上で広告も増加している現金化は、法律上は違法行為ではありません。しかし、クレジットカード会社は規約違反としており、自己破産においては免責不許可事由に該当する行為です。

クレジットカードで現金化を目的として商品を購入する手口はグレーゾーンな行為です。現金化を繰り返しているうちにカードの利用がかさみ、借金が増加する危険性もあるので、避けるべき行為でしょう。

ヤミ金融から借りてしまったらどうすればいい?解決策を解説

本来は強い意志で避けてほしいヤミ金融との関わりですが、もしも借りてしまった場合にはどのように対処をすべきでしょうか。この項では悪質な金融業者に立ち向かう解決策を3つに分けて解説します。

1. 警察への相談

近年は減少傾向にありますが、ヤミ金融の業者が自宅に訪問してきたり、会社に何度も電話するなど悪質な行為を繰り返す場合には、警察への相談を検討しましょう。

しかし、警察は民事不介入の側面もあるため、ヤミ金融側の手口を証拠として録音したり、記録を残しておくことがおすすめです。相談先は地域の署内にある生活安全課が管轄ですが、都道府県警察でもヤミ金融対策の窓口があります。

2. 国民生活センターへの相談

多重債務やクレジットカードの現金化、ヤミ金問題など国民生活センターでは幅広いジャンルの相談を受け付けています。最寄りの消費生活センターで相談が可能です。

国民生活センターでは電話相談も可能で、188に連絡を行うと最寄りのセンターに接続する仕組みです。資格のある相談員がヤミ金融に関しても相談に応じてくれます。

近年では給与ファクタリング問題など複雑化する手口に関する注意喚起も行っています。不透明な借入に不安を感じたら、まずは相談をしてみることがおすすめです。

独立行政法人国民生活センター

3. 弁護士や司法書士へ相談

ヤミ金融に不安を感じたら、法律知識と経験にも自信のある弁護士や司法書士への相談がおすすめです。民事不介入を理由に警察の腰が重い場合にも、早急に対処してくれます。

ヤミ金融は悪質で違法な業者ですから、本来は借りたお金を返済する義務もありません。弁護士や司法書士は依頼者の代理人となり、連絡を止めたり警察への通報も行います。複雑化する手口にも万全の体制で臨んでくれます。

ヤミ金融から借りてしまう前に!借金を解決する2つの方法とは

貸付も回収もヤミ金融は確実に進化しており、手口も手が込んだものです。そこで、ヤミ金融に手を染めてしまう前に、まずは自身の借金について見直すことが大切です。この項では2つの借金解決方法を紹介します。

1.おまとめローンや家族からの援助

ヤミ金融の手口に騙されてしまう前に、まずは借金の解決方法を知りましょう。まず1つ目は、「返済できない借金を作らない」ことです。とは言ってもすでに多重債務がある方もおられるでしょう。

多重債務であっても、おまとめローンの活用や家族から一旦お金を借りて一括返済する等の方法なら借金の解決が可能です。返済能力の目安には、借入額は年収の3分の1程度、という基準があります(総量規制)

住宅ローンや奨学金などやむを得ない事情ですでに総量規制の範囲を超える借金がある場合には、これ以上借入額をどこからも増やさず、返済を目指すことが大切です。

2. 債務整理を検討する

おまとめローンの活用も難しく、家族からの援助も厳しい場合には債務整理を検討しましょう。債務整理なら借金を大幅に減額できる、あるいはゼロにすることが可能です。

債務整理に関してはヤミ金融の相談と同様に、弁護士や司法書士が対応しています。なるべく早い段階で相談を行うことで早期の借金解決につながります。ヤミ金融には手を出さず、まずは相談をしましょう。

法律家に相談し借金の無い暮らしを目指そう!

この記事ではヤミ金融の手口や借金の解決方法について紹介しました。以前より暴力行為を伴う回収は減っていますが、ネット上で貸付が横行するようになり犯罪が見えにくくなっています。

弁護士や司法書士はヤミ金融問題や借金問題のプロとして、数々の問題を解決してきました。現在すでにヤミ金融に追われている、あるいは多重債務に悩んでいる場合には、まずは法律相談に出向くことがおすすめです。