クレジットカードの支払いは4つに分けることができます。「一括払い」、「ボーナス払い」そして「分割払い」と「リボ払い」です。一括払いとは購入代金を1回で支払う方法です。ボーナス払いはボーナスを使い一括で支払います。分割払いとリボ払いは複数回に分けて支払う仕組みです。
では、複数回に分けて支払う分割払いとリボ払いは、一体どのように異なっているのでしょうか。一見すると似たような仕組みに見えますが、手数料や利息など大きく違いがあります。この記事では2つの支払い方法について詳しく解説します。
リボ払いと分割払いはどう違う?それぞれの返済方法とは
クレジットカードの4つの支払い方法の中で、類似して見えるリボ払いと分割払いですが、返済の仕組みは大きく異なっています。複数回に分けて返済できるクレジットカードについて、一度立ち止まって仕組みを学んでみましょう。
リボ払いとはどんな返済方法?
リボ払いは毎月の返済額を一定に設定することが出来る返済方法です。ショッピングをした件数は問われず、複数の決済が重なっても常に一定の返済額に抑えることができます。
例として、あるクレジットカードで5万円分ショッピングをし、支払いをリボ払いにすると仮定します。毎月の返済を5,000円と設定している場合、5,000円上回った分の支払いは自動的に繰り越され、10回(10ヶ月間)に分けて返済することになります。また、この5,000円の支払い以外に、毎月の決済時には手数料も発生します。
分割払いとはどんな返済方法?
分割払いは毎回の利用ごとに支払いの回数を指定する返済方法です。ショッピング時に「お支払いは一括になさいますか?分割になさいますか?」と確認されたことがある方は多いでしょう。この化粧品は安いから一括払い、このバッグは高いから3回払い、のように自身の懐事情と相談しながらその都度指定することができます。
例として、あるクレジットカードで5万円分ショッピングをし、それを2回払いにすると仮定します。リボ払いとは異なり返済額は固定ではないので、この場合は25,000円を2回(2ヶ月間)支払って終了します。分割払いは回数によっては手数料が発生しません。2回払いなら手数料無料のクレジットカードが多くなっています。
リボ払いと分割払いは手数料も異なる
1つのショッピングを複数回に分ける、という点では似ているリボ払いと分割払いですが、決済の分け方はご紹介のように異なっています。加えて、手数料の加算方法も異なっています。
リボ払いの手数料はご利用の残高に合わせて加算されています。一方の分割払いは1回の決済に対して、指定された分割回数に合わせて加算されます。つまり、分割払いでは2回払いを選んだ決済ばかりなら手数料は生じません。しかし、リボ払いは残高ベースで加算されるので常に手数料が発生します。
リボ払いと分割払いはどう使う?それぞれのメリット・デメリットとは
便利ですが手数料の負担も大きいリボ払いと、その都度分割回数を指定する必要がある分割払いは、どのように使うと良いでしょうか。この項ではそれぞれのメリット・デメリットを通して使い方について解説します。使い分けに悩んでいる方はぜひご参考ください。
リボ払いのメリットとデメリット
リボ払いのメリット
リボ払いのメリットとは、ひと月の返済額を自身の支払い可能な範囲内に設定することがあるため、毎月の返済にゆとりが生まれることです。例えば、ある国内大手のクレジットカード会社は、最低返済額を3,000円と設定しています。この金額以上を無理のない範囲で毎月の返済額として固定すれば、高額のショッピングも気軽に行えます。
また、リボ払いのメリットは後から支払い方法を変更できる点も挙げられます。一括払いで決済したショッピングも、返済の負担が大きくなってしまった場合にはリボ払いへの変更が可能です。
リボ払いのデメリット
リボ払いのデメリットは、利用の残高に発生する手数料が高い点です。特に毎月の返済額を少額に設定しているにも関わらず、高額のショッピングを行った場合、手数料も加えた返済を長期に渡って行う必要があります。
例えば、ひと月に30万円分、クレジットカードをきってしまった場合に、リボ払いに設定し、毎月の返済額を5,000円と設定すると、60分割となり、返済完了には少なくとも5年後になります。また加えて手数料もかかってしまうため、手数料率が15%だった場合には、支払い総額は41万3,640円となり、本来支払うべきだった30万円よりも11万3,640円も多く支払わなければいけなくなってしまうのです。
また、リボ払いは毎月の返済額が固定のため、現在借金がどれぐらいあるのかわからなくなる人がいます。返済額が増えないため利用を重ねてしまう人が後を絶ちません。負担感のない返済がデメリットとも言えるのです。
分割払いのメリットとデメリット
分割払いのメリット
分割払いのメリットは、ご自分の希望に合わせて決済の度に分割回数を選べる点です。お好みに合わせてショッピングごとに希望分割回数を指定できます。
先にご紹介したとおり、分割回数によって手数料が発生しない契約もあります。多くのカード会社は2回払いまで手数料負担なく、買い物をすることができるため、一括払いと2回払いを組み合わせれば、余分なお金を支払うことなく支払い金額を調整できるのもメリットでしょう。
分割払いのデメリット
分割払いのデメリットは分割回数によっては、手数料が発生する点です。前述したように多くのカード会社は2回払いまでは手数料無料となっていることが多いですが、3回払い以上は手数料が発生すると覚えておきましょう。
分割払いは店舗によっては利用が出来ないこともあります。特に小規模の量販店や飲食店では基本的に一括払いしか受け付けていません。店舗の裁量に左右されることがあるため注意しましょう。
手数料の計算を踏まえて使い分けを
リボ払い、分割払いにはそれぞれメリットとデメリットがあります。両者を賢く使い分けるには、契約先のクレジットカード会社の手数料を確認するようにしましょう。一般的にはリボ払いの方が手数料は高めですが、返済方法によって異なるので確認が必要です。
リボ払いの危険性とは?利用時に注意すべきポイントはココ!
便利なクレジットカードの支払方法であるリボ払いですが、危険性を伴う支払方法でもあります。実際に借金がかさんでしまった人も多く、返済に困る人も少なくありません。ではリボ払いはどんな危険性があるのでしょうか。
リボ払い利用時の注意点は2つ
リボ払い利用時の注意点1つ目は、現在どの程度の返済額が残っているのか把握しないで使わないことです。返済額が一定だからと言って、次々決済を行ってしまうと到底返せない借金に発展する可能性があります。利息も含めて毎月把握しましょう。
リボ払いの利用時の注意点2つ目は、無自覚なリボ払いには注意をすることです。近年クレジットカードの新規契約時に、自動的に返済方法がリボ払いに指定されていることがあります。また、誤ってリボ払い専用契約に申し込んでしまうと、無自覚にリボ払いとなってしまうので注意が必要です。
多くの多重債務者はリボ払いの借金を抱えています。無自覚に借金を重ねてしまため、借金総額を考えずに消費者金融からの借入やローンを組んでしまう人が多いのです。そうなる前に、一度立ち止まって自身の借金にも向き合いましょう。
リボ払いで借金が増えた!こんな時はどうするべき?
リボ払いでもしも借金が増えてしまったり、返済に行き詰ったらどうするべきでしょうか。リボ払いには繰り上げ返済や全額一括返済を行う方法があり、リボ払いから抜け出す方法があります。
しかし、既にリボ払い以外にも借金がある場合、繰り上げ返済や一括返済ができない方もいるでしょう。この場合リボ払い以外の借金も含めて、借入状況の見直しを図ることが重要です。
借金の返済については法律相談を受けると、任意整理や自己破産など債務整理に関するアドバイスがもらえます。特に現在クレジットカード会社から督促が来ている、返済をこれ以上続けられないと悩んでいる場合には、速やかに弁護士や司法書士に相談をしましょう。