過払い金

アエルへの過払い金請求にかかる期間と回収率の目安

過払い金請求という借金に苦しむ方を救済する方法をご存じですか?以前、法律の隙間をぬって、法外に高い金利をとっていた貸金業者から払いすぎた利息を過払い金といって、その返還を求めるのがこの過払い金請求です。

今回は、その過払い金が発生している可能性の高い貸金業者、「アエル株式会社」に対する過払い金請求の現状や解決にかかる時間、実際の回収率はどれ程なのかについて説明して参ります。

アエルとは

アエル株式会社(以下アエル)は、1969年に山一物産(株)として設立、1983年には日立信販と改名しましたが大企業「日立グループ」とは全く関係がなかったため、商号の不正使用で提訴されるなどすったもんだの後、2001年に現在の社名になりました。

アエルの直近の経営状況

実はアエルは現在貸金業者ではありません。2003年「会社更生法」の適応を申請し、1度目は2007年に何とか更生に成功したものの翌年すぐに経営は破綻、2008年に今度は「民事再生法」の適用を申請しました。

現在は、その再生法の適用下で過払い金の返還受付のみをしているようですが、事務所を転々と移動するなど不確定要素が多く、先行きが不安視されている企業です。

アエルの過払い金請求の対象期間と当時の金利は?

2000年初頭には隆盛を極め、非常に甘い審査で即日100万円の無担保融資までしていたこのアエル。ほどんどの方が、出資法ギリギリの29,2%が当然のように取られていたはずです。
2006年に法律が改正されるまでは、その全ての契約者の過払い金が発生しているとみていいでしょう。

当然日立信販時代に契約し、アエルに返済を続けていたかたも同様で、改名で会社形態が変わったわけでなく単に「看板」が変わっただけですので、現在のアエルに対して過払い請求することになります。

アエルの過払い金請求で多い傾向や特徴

アエルの場合、ここから借り入れしていたほぼ全ての方に、過払い金が発生しているのは事実ですが、民事再生法が適応された2008年3月26日以前の過払い金は、この再生法で返還割合が決められていて、この割合分だけは必ず返還されます。ただ、この返還割合が「6,812%」と、請求者にとってみれば非常に理不尽な割合になっています。

100万円の過払い金があってもわずか6万8千円程度しか戻ってこない計算になりますが、この割合以上の過払い金は残念ながら絶対に戻っては来ませんので、再生法適応以降も返済していた方以外、つまりそれまでに完済していた方は専門家に依頼しても採算が合いません。

また、これは法律でアエルに課せられている義務なので、「返還請求と和解交渉」とその後の「訴訟」になることはなく、取引履歴を取り寄せ引き戻し計算した後、申請しさえすれば簡単に解決するので、請求は個人で進めた方がよいでしょう。一方、再生法以降発生している過払い金については、通常通りの返還請求手続きを踏むことになるので、以後ではそれについて説明して参ります。

2008年3月26日以降アエルに借金返済していた場合に発生した過払い金への対応

はっきりと結論からもうしますと、アエルとの過払い金交渉は複雑かつ困難を極めます。というのも、返済用窓口はアエルのままだったので不透明でしたが、実際はその経営状況の悪化から数々の企業へその債権、つまり過払い金のもとを譲渡されていて、それは次々に移動しています。

具体的には、JPモルガン → ネットカード → エヌ・シーキャピタルへと渡っていて、2008年以降にアエルへの返済によって発生した過払い金の請求先は、2008年3月27日から同年4月29日まではアエルに、同じく2008年4月30日から同年6月24日まではJPモルガンに、そしてそれ以降から現在までに発生したものは、エヌシーキャピタルに理論的には全額請求でき、返還金回収率も比較的満額に近い数字が出ていました。

しかし、2010年9月裁判所が「移行前の過払い金もエヌシーキャピタルが支払する」という判決を下したため、現在は全ての過払い金の請求先がエヌシーキャピタル一本に絞られました。

少しは分かりやすくなったかと思いきや、そのとたんにエヌシーキャピタルは態度を一辺、和解による返還割合は1割程度に急降下して、裁判にもつれ込むケースが急増、現在もその状況が続いているようです。

このように、アエル、更にそれに関係する過払い金を請求する場合は、専門家の手を借りた方が良いのではと考えます。

アエルへの過払い金請求にかかる時間と回収率の目安

裁判(訴訟)を起こさず、話し合いにより和解した場合

アエルには再生法以前の過払い金を請求することになりますが、これはいたってスムーズなので4ヶ月程度見ていれば、満額の6,812%は戻ってきます。

アエルに過払い金請求する時の注意点

直接的なことだけを言うと、アエルには2008年3月26日以前の過払い金を請求することになりますが、2018年4月末辺りで全ての過払い金が時効を迎えることになります。

本来は完済や取引の終了時点からカウントされる時効ですが、例えアエルへ2008年以降返済していたとしても、それは実質的にはJPモルガン、ならびにエヌシーキャピタルに返済していたもので、アエルは手数料で食いつないでいただけなので、アエルとの最終取引はJPモルガンに債権が譲渡された2008年4月29日となってしまい、それから10年たった時点でアエルには過払い金請求ができなくなります。

現在債権を保有しているエヌシーキャピタルが真摯に対応してくれるとは考えにくいので、アエルへの請求をする場合は、それまでに必ずしておきましょう。また、そうなると現在過払い金の返還窓口になってるアエルの再生法による鎖は無くなり、いつ連絡不能になるかわからず、ただでも複雑で分かりにくい2008年以降の過払い金請求がより不透明になるので、注意しておきましょう。

アエルの過払い金請求を専門家に依頼するメリット

再生法以前の過払い金請求については、返還金も少ないので専門家に頼む必要性は感じません。一方、それ以後の過払い金に対する返還請求は、前述した通り複雑で交渉も熾烈を極めるものと予想されるので専門家、しかも実績の多い法律事務所にできるだけ早いうちに依頼すれば、多くの返還金をスムーズに取り返せる可能性も高くなります。

アエルの会社概要

〒105ー0003 東京都港区西新橋1ー5ー10 TJ内幸町ビル4階
TEL 03ー6865ー1135