過払い金

【過払い金請求体験談】 会社員Bさんのケース

20代のとき、私は初めての就職を経験しました。地元の小さなベンチャー企業だったのですが、入社当初は都内のイベント会場などでのキャンペーンを行い、様々な物品を販売していました。

ですがある時、継続の大きな案件が持ち掛けられ、自分はその事業の専任になったのです。今思えば、あの時が自分の人生における大きなターニングポイントだったと思います。

自費出張、接待、低賃金……カードローンに頼る以外、どうしようもありませんでした

その新しい事業というのは、取引先の方と一緒に、主に東北地域を巡業するような業務でした。ですが立ち上げたばかりの事業に会社として回せる予算は少なく、現地までの交通手段は私が個人で所有する自家用車。ガソリン代も高速代も支給されず、出張手当も付きません。さらに悲惨だったのは、2日連続で開催された場合には泊まりがけになるということです。

通常は現地での業務完了後はそのまま車で帰宅することになるのですが、同じ会場での連続開催の場合にはそのまま宿泊することになり、「せっかくだから」と取引先の方と飲みに行くことになるケースがほとんどでした。こちらはお仕事をいただいている立場でしたから、逆らうことはできませんし、当時の上司からは「絶対にごちそうになるな。むしろお前が支払うべきだ。」と厳命されていたために、身銭を切って行きたくもないキャバクラやスナックをはしごすることになったのです。店によってはクレジットカードでの決済はできませんでしたから、泊まりが確定するたびにカードローンで借り入れを行うしかありませんでした。

どれだけ働いても借金が増えるばかり……限界を迎え、退職を決める

そんな生活が、1年は続いたでしょうか。休みらしい休みもなく、プライベートの時間も取れず、働き詰めだったにもかかわらず、日に日に借金は増えていきました。気が付けば複数社から借り入れを行っており、月々の利息を支払うと、手元にはほとんど給料は残っていないような状態だったのです。

この頃から私は精神的にもかなり参ってしまい、ストレスと慣れないお酒のせいで食事も喉を通らなくなりました。そして年末に差し掛かったある日限界を迎え、退職することを決めたのです。半ば強引に会社を辞めた私は、それまで住んでいたアパートを引き払って実家に戻りました。そしてそれまでの状況を話すと父の仕事を手伝うことになり、少しずつ借金を返済することができるようになったのです。

生活も落ち着いたある日、テレビで過払い金請求の存在を知る

過払い金請求という存在を知ったのは、つい最近のことです。父の仕事を手伝うようになってから10年近くが経ったある日、何気なくテレビを見ていると「これまでにカードローンで借り入れを行っていた方の場合、払い過ぎていた過払い金が戻ってくる場合がある」というコマーシャルが目に留まりました。そういえば契約の時にも金利がとても高かった印象があり、もしかすると自分もこれに該当しているのではないか? そんな風に考えていると、両親から「知り合いの弁護士に聞いてみようか?」と提案され、物は試しと相談してみることにしたのです。

弁護士の方は50代の男性の方で、父の知り合いだったと言うこともあってか親身に私の話を聞いてくれました。借金をすることになった経緯を話しながら当時の書類の内容に目を通してもらうと、「確かに金利が随分高い。これならある程度の過払い金は発生しているはずだ。」とアドバイスされ、実際に請求を行うことになったのです。

請求は完全に弁護士任せ……数か月後に伝えられた結果は

そこからは簡単な書類を何点か作成して、手続きは全てその弁護士さんに任せることになりました。既に借金の返済は終わっていましたし、1万円でも2万円でも返ってきてくれたらうれしいなぁ程度に考えていたように思います。

数か月後、弁護士の方から、過払いの請求が無事通ったとの連絡がありました。「もしかしたら裁判になるかもしれない」と言われていたので、あっさりと相手方が応じてくれたことに驚きました。しかも相手から提示された金額も数十万ほどで、一瞬何かの間違いなのではないかと思ったほどです。「これはあくまでも相手から提示されている金額だから、裁判まで進めばもっと多く返ってくるかもしれない。ただどうしても時間と手間は掛かるから、これで納得できるなら応じてしまってもいいと思うよ。」と弁護士さんに言われ、十分すぎる額だったため和解に応じることにしたのです。

ダメ元でも請求するべき。迷わず弁護士さんへの相談しましょう

正直なところ、こんなにすんなりとお金が返ってくるなんて全く考えていませんでしたし、完全にダメ元でした。「請求を行ったカード会社からはもう借り入れができないと思うよ。」と弁護士さんから言われましたが、そもそも今現在は一切のカード類を持たずに生活しています。返ってきた過払い金は、当時自分を助けてくれた両親のために使うことにしました。もし私のように以前借り入れを行っていた方がいるのでしたら、迷わず弁護士さんへの相談をオススメします。ダメ元でも行動を起こさなければ、何かが変わることはないのですから。