過払い金

過払い金請求のメリットと気になるデメリット

過払い金は払う必要のないのに支払ったお金を返してもらうようなものなので、請求することは当然の権利として捉えられます。

しかし、中には請求する際のデメリットやリスクを気にして請求を戸惑っているという人もいるのではないでしょうか?

過払い金の請求に関してはメリットとデメリットをしっかり整理すれば気にすることなく請求できますので、まずは過払い金についてある程度理解を深めておきましょう。

過払い金請求のメリット

払いすぎた利息が返ってくる

まず最大のメリットとなるのは、払いすぎた利息が戻ってくるということです。
もっとも過払い金の請求とは払いすぎた利息の請求ですから、これを目的に働きかけていくことになります。

ただ、後述でも触れるように法律が絡んだたくさんのポイントがありますので、請求する場合は専門家の意見も聞き、一人で行動しないようにしましょう。

借金を返済中であれば、借金が減る

次のメリットは、請求をすることによって返済中の借金が減るということです。
借金をしている時に過払い金を請求すれば、当然帰ってくるお金が借金を減らしてくれることになります。

しかし、借金が残っている状態で過払い金を請求するということはたいへんリスクのある行動であり、基本的には請求してはいけないものとされているのです。

過払い金を請求する場合は、自分の借金を返済してからがベストになります。

借金を返済中であれば、取立て(督促)と返済がストップする

返済時の要求のメリットの一つとして、返済中の借金の返済をストップさせることができるというものもあります。

これは司法書士や弁護士に請求に関する依頼をして、貸金業者に対して受任通知が送付されることによって始めて止めることが可能です。

過払い金を請求すること自体は個人でもできますが、返済ストップの要求に関しては専門家の力が必要なので、しっかりと頭に入れておかなければなりません。

借金を完済したあとの過払い金請求ならブラックリストに登録されない

よく「過払い金を請求したら無条件でブラックリストに載る」と勘違いする人がいますが、完済している場合は載ることはありません。

そもそも払いすぎた利息を返してもらう手続きなのに信用機関にそのような情報が載るのはおかしいという金融庁の判断により、平成22年以降は情報が載らなくなりました(既に請求を行って載っていた人の場合は削除)。

ブラックリストとは

もともとは、過払い金を請求したことによって「契約見直し」という事故情報が信用機関に残ってしまうという状態でした。

これが多くの人から「ブラックリスト」と称され、借入れの審査の際にマイナスポイントとなっていたのです。

現在では無借金の状態で過払い金を請求する場合は一切リスクが無いので、不安を抱く必要はないのです。

返済中の過払い金請求でも過払い金で完済できればブラックにはならない

完済している状態での過払い金請求はブラックリストに載らないと記載しましたが、返済中の請求の場合はどうなるのでしょうか?

結論から言えば、請求により戻ってきたお金を利用して借金の完済ができるのならば、一時的に載るものの削除されることになります。

長期的に見れば過払い金で返済できれば問題ありませんが、削除される前にクレジットカードの申し込みを行った場合等は当然悪影響を受けますので、注意しておきましょう。

専門家に依頼すれば周囲に内緒で手続きできる

過払い金を請求する際に困ってしまうポイントとして、家族に知られることを挙げる人がいます。

そもそも隠れて借金をしている場合は、過払い金の請求をきっかけにお金を借りていた事実も家族に明るみになってしまう可能性が高いです。

しかし、司法書士や弁護士といった専門家の方に依頼する場合は家族に知られることなく手続きを進めてくれるといったメリットがありますので、なるべく誰にも知られないように請求したい場合は専門家に相談するのがいいでしょう。

また、個人で請求する場合は訴訟となった場合の手間や戻ってくるお金の減少に繋がりやすいといった、家族に知られる可能性以外のリスクがあります。

過払い金請求のデメリット

返済中の過払い金請求はブラックリストに登録されてしまう

前述でも少し触れましたが借金返済中の過払い金請求にはデメリットがあり、特に大きいのはブラックリストに載ってしまうということです。
返済中の過払い金請求は債務整理(任意整理)と判断されますので、当然その情報が信用機関に記録されて残ってしまいます。

これが消えるのは5年ほどになっており、その間はクレジットカードの作成やローン契約に悪影響が出ます。

このリスクを避けたい場合は、絶対に完済後に請求するようにしましょう。

過払い請求をした消費者金融からは今後借りることができない可能性が高い

基本的には過払い金を請求した消費者金融相手には以降お金を借りることができません。
とはいっても、あくまで「請求した金融機関」が対象なので、他の金融機関から借りられますし、そこまで不安に覚える必要はないでしょう。

過払い金請求の注意点

完済後10年までしか請求できない

過払い金請求における注意点として一番に上がるのは、完済後10年で時効が成立する点です。

法定金利に関しては2006年にしっかり適用するように法律で定められましたので、過払い金発生の可能性がある借金は既に完済して10年経ってしまった人も多いのではないかと思われます。

もちろん完済してから10年経っていない場合は時効は成立しませんので、自分に心当たりがある場合はすぐに調べておきましょう。

倒産してしまった業者からは過払い金請求できない

残念ながら倒産してしまった会社から発生した過払い金は請求することができません。

過払い金の請求が相次いで倒産してしまった貸金業者もあるなど、過払い金発生当時と現在では経営状態が大きく変わっているところが多いです。

そのため、こちらの観点においても迅速な調査と手続きが求められます。

会社名が変わったり、吸収合併で分からなくなった業者も多い

合併等で会社名が変わってしまって請求先が分かりにくくややこしいということがあります。

とはいえ、過払い金を請求したい会社が合併している場合は合併先に請求することが可能なので、泣き寝入りにはならないのはメリットです。

合併でなくても何らかの形で会社が残っていれば請求することが可能になっていますので、分かりにくい場合は専門家に相談してみるといいでしょう。

クレジットカードのショッピング利用に注意

クレジットカードの場合はキャッシング枠の過払い金のみ請求できて、ショッピング枠の請求はできません。

しかし問題はこれだけでなく、キャッシング枠の請求時にショッピング枠における借金の返済が終わっていないと、相殺され、残債ありと扱われます。

この場合ブラックリストに載る可能性もありますので、クレジットカードの過払い金を請求する場合はショッピング枠に関してもしっかりチェックしておきましょう。