借金

投資で借金を背負うケースとは?返済が難しい場合は一生かけて返済するの?

借金の返済に困っているからと、投資で儲けて返済しようと考えていませんか?ただ、投資が原因で返済できないような借金を抱えている方も多くいます。

そのため、投資で稼いだお金で借金を返済できるのか気になっている方もいるかもしれません。

そこでこの記事では、

  • 投資をして借金を抱える事例
  • 投資が原因の借金にも返済義務があるのか?
  • 投資で稼ぎながら借金の返済ができるのか?

など、借金の返済に困っている方が投資をすることについて解説します。

また、投資で多くの借金を抱えてしまった場合の解決策についても解説しているので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。

投資をして借金を抱える事例について解説!

借金の原因は浪費や生活費が足りないなどの理由だけではありません。投資が原因で借金を抱えた方もいます。

では、具体的になぜ投資が原因で借金を背負うことになるのでしょうか?

投資で借金を抱える代表例は以下の4つのケースです。

  • 株式投資
  • FX投資やバイナリーオプション
  • 不動産投資
  • 投資詐欺

株式投資で借金を背負うケース

株式投資で借金を背負うケースは、実は多くありません。というのも、通常取引では、大損することはあっても借金まで抱えることはないからです。

通常の株式取引で購入できるのは預けたお金と同額分まで

通常取引では、証券会社に預けたお金で購入できる株式しか取引できません。

また株価の上昇にしか賭けることができないため、購入した株式の価格は0円までしか下がりません。

通常取引では株価が0円未満になることはないので、借金を背負うことにならない

つまり、通常取引をしただけでは、投資した金額以上を損することはないので、借金を背負い込むことはありません。

信用取引を行うと、預けたお金以上の金額の株式を購入できる

しかし、信用取引を行った場合は、借金を背負う可能性があります。

信用取引とは、現金や株式を担保として預けることで、証券会社に預けたお金の3.3倍までの金額で取引が可能になる制度です。

信用取引を利用すれば、少ない金額でより多くの株式を売買できるので、勝った場合の利益額も大きくなります。

逆に損失も多くなるのがデメリットです。

そのため、信用取引を行った結果、株価が想定とは逆の方向に動けば、預けたお金以上の損失を被ることがあります。

FX投資やバイナリーオプションで借金を背負うケース

FX投資やバイナリーオプションでは為替取引を行います。国内のFX業者では最大レバレッジ25倍での取引が可能です。

レバレッジを利用すれば、口座に入金したお金よりも多くの取引ができます。

レバレッジ 取引に必要な証拠金 最大保有量
1倍 200万円 1万通貨のみ
25倍 8万円 25万通貨まで

レバレッジが1倍のケースでは、200万円分の投資を行う場合、200万円を用意しなければなりません。

他方、レバレッジが25倍であれば、たった8万円の証拠金を用意すればよいのです。

また、レバレッジ1倍であれば、1万通貨までしか売買できませんが、レバレッジ25倍の場合は、最大で25万通貨まで保有できます。

勝ったときの利益は大きいですが、負けたときの損失額も大きくなる点には注意しなければなりません。

そもそも、平常時に取引をした場合、損失が膨らんでもFX業者側で強制的に決済を行うので、借金が発生するケースは多くありません。

平常時は、予約した注文が決済されるため損失が大きくならない

しかし、相場に大きな影響を与えるような出来事があり、強制決済(強制ロスカット)ができなかった場合、含み損が数百万円〜数千万円以上に膨らむことがあります。

急変時は強制ロスカットの注文も通らないので、損失がどんどん膨らむ

このようなことが起きた際、証券会社やFX業者は投資家に追加での証拠金を求めます。この状態を追証と呼びます。

追証を請求された場合は、期限内に以下のいずれかの方法で、取引に必要なお金が足りない状態を解消しなければなりません。

  • 追加で証券口座にお金を入金する
  • 保有している買いもしくは売りのポジションを決済する

しかし、FX業者の強制ロスカットが発動しない場合、損失は大きく膨らんでいるため、請求されても支払えないことが多いでしょう。そのため借金を背負うことになるのです。

不動産投資で借金を背負うケース

不動産投資の借金の原因は賃料の減少などが原因

不動産投資でも借金を負うケースはあります。

不動産投資とは、アパートやマンションの1室あるいは1棟を購入し、部屋を借りている方から毎月賃料を取ることで収入を得る方法です。

不動産の金額は、数百万円〜数千万円と高額です。そのため、不動産の購入費用の多くは、銀行からの不動産投資ローンでまかないます。

ローンの返済は、毎月得られる賃料や貯金から行います。しかし、入居者が少なく、空き室が多くなった場合、銀行へのローン返済が厳しくなるでしょう。

また、不動産投資ではローンの返済以外にもさまざまな費用がかかります。

  • 管理費や修繕費
  • 固定資産税
  • 改装工事の費用など

そのため、当初立てた投資計画が甘ければ、銀行へのローン返済ができなくなる可能性があります。

特に年収よりもはるかに高い不動産を頭金なしで購入してしまった場合は、返済額も多くなるので注意が必要です。

投資詐欺に遭い借金を背負うケース

事例としては少ないですが、投資詐欺に遭い借金を背負うケースもあります。投資詐欺には以下のようなものがあります。

未公開株の勧誘 上場していない株式を安いうちに購入すれば儲かると勧誘され購入したが、業者からの連絡がつかなくなった
投資セミナーへの勧誘 友人から他の友だちに紹介すれば紹介料が入ると投資セミナーへの入会を勧誘されたが、実際には稼げなかった
ポンジスキーム 入金すると高配当がつく。早く入会した方ほど配当率が高いと勧誘されたが、しばらくして配当金が支払われなくなった

投資詐欺に遭った場合に借金を背負うケースは「お金が足りなくて資金を出せない」と勧誘を断った際に、貸金業者からお金を借りるように仕向けられたケースです。

投資詐欺では、投資したお金がほとんど戻ってきません。そのため、最終的に貸金業者への借金だけが残るのです。

投資で借金を負った場合も返済義務がある

投資での借金は、ギャンブルや浪費とは異なり、悪いイメージを持っていない方もいるのではないでしょうか?

そのため、浪費やギャンブルならともかく、投資で借金を負った場合に返済義務はないのでは?と感じるかもしれません。

しかし、実際には投資で作った借金にも返済義務があります。

証券会社やFX会社から借金を負うケース

証券会社やFX会社から借金を負うケースは、何らかの原因で予約した決済注文や強制ロスカットが行われず、損失が膨らんだ結果、取引に必要なお金が足りなくなった場合に起きます。

予約した決済注文や強制ロスカットが行われなかったのは、投資家の責任ではないと考えるので自然かもしれません。

ところが、このようなケースでも損失の責任を負うのは投資家です。その理由は証券会社やFX会社に口座開設をする際に、規約に同意しているからです。

たとえば、トレイダーズ証券が提供する「みんなのFX」「みんなのシストレ」の契約時の規約を見てみましょう。

そこには「ロスカット注文が執行されても預けた証拠金を上回る損失が発生する場合がある」と説明しています。

そして、その場合の判断や責任は取引をする方に責任があるとも記載されています。

第1条(リスクと自己責任の確認)

お客様は本約款取引を行うに際し、本約款の内容及び次の各号に掲げる事項

を十分理解した上で、お客様の判断と責任において本約款取引を行うことに承

諾するものとします。

(10)お客様の損失を抑制する目的で、ロスカット制度が設けられているもの の、外国為替相場が急激に変動することにより、あるいは、当社の営業休日明 けに価格が大きく乖離することにより、ロスカット注文が執行されても預託し た証拠金を上回る損失を生ずる場合があること。

(引用元:店頭外国為替証拠金取引約款 【みんなのFX・みんなのシストレ第1条10項】|トレイダーズ証券株式会社

そのため、投資で借金を背負った場合には投資家に責任があるため、被った損失は返済をしなければならないのです。

実際に、追証を支払えない場合は、業者から出した損失の返済についての電話がかかってくることがあります。

投資をするために貸金業者からお金を借りるケース

投資が原因で借金を背負うもう一つのケースは、投資をするための資金を貸金業者から借りたケースです。

消費者金融や銀行カードローンでの借金は目的が問われるわけではないので、投資目的でもお金を借りられます。

しかし、貸金業者から借りたお金で投資をしても、勝てる保証はありません。むしろ、投資をした方の多くは負けることが多い傾向があります。

貸金業者から借りたお金で投資をして大きな損失を出した場合、貸金業者への返済だけが残ってしまいます。

そして、どんな理由で借りたにしろ、貸金業者から借りたお金は返済義務があります。なぜなら、金銭賃貸借契約を結ぶ際に、借りたお金に一定の利息をつけて返済することに同意をしているからです。

このように、投資で背負った借金は返済義務があります。

では、投資で借金を負わないためには、どのような点に注意すれば借金を背負わないで済むのでしょうか?

投資で借金を背負わないための3つのポイント

投資で借金を背負わないためには、3つのポイントがあります。

  • 身の丈に合った資金で投資を行う
  • リスクを負いすぎない
  • 詐欺の事例を知っておく

現在借金がない場合でも大事なポイントなので、投資をする予定がある方は参考にしてみてください。

1.身の丈に合った資金で投資を行う

自分の身の丈以上の資金で投資を行うと、借金を背負うケースが多くなります。ただ、投資=危険ではないので、決してやってはならないというわけではありません。

投資はあくまでも余剰資金で行うものです。投資したお金がなくなったときに、生活が苦しくなるような場合は、投資をするのは控えましょう。

2.リスクを負いすぎない

投資で借金を背負わないためには、リスクを負いすぎないことも重要です。投資には、リスクが低いものから高いものまでさまざまな種類があります。

一般的には、それぞれの投資は以下のようなリスク(お金を失う可能性が高いかどうか)と、リターン(お金を得られやすいかどうか)で解説されることが多いです。

投資方法 リスクとリターンの割合
株式投資 ミドルリスク・ミドルリターン
FX投資 ハイリスク・ハイリターン
投資信託 ローリスク・ローリターン
仮想通貨 ハイリスク・ハイリターン

ただし、リスクの高さは金融商品の性質だけで判断ができません。たとえば、FXでは、預けたお金の最大25倍の資金で取引ができます。

利益も損失も25倍になる可能性があるため、一般的に他の投資方法よりもリスクが高いと認知されています。

しかし、レバレッジを低くすれば、損失のリスクを下げられるのです。

投資では、負けることは普通にあります。レバレッジが高すぎると、負けたときの損失も多くなるので、大損する可能性も上がるのです。

そのため、今の生活が苦しいからと言う理由で、むやみにリスクをとって投資をすると、投資のお金を全額失うことになるでしょう。

3.詐欺の事例を知っておく

投資で借金を負わないためには詐欺に騙されないことも大事です。詐欺に騙されないためには詐欺の事例を知っておきましょう。

まず、銀行や証券会社で販売されている商品は、金融商品取引法を守った上で販売されている金融商品しかありません。

しかし、個人から投資の勧誘を受けた場合、金融商品取引法を遵守しないで勧誘を行っていることがあります。

たとえば、金融商品取引法第38条2項には、投資の損益など不確実なことを確実であると思わせるような発言をして勧誘する行為を禁止しています。

第三十八条 金融商品取引業者等又はその役員若しくは使用人は、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、第四号から第六号までに掲げる行為にあつては、投資者の保護に欠け、取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるおそれのないものとして内閣府令で定めるものを除く。

二 顧客に対し、不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤解させるおそれのあることを告げて金融商品取引契約の締結の勧誘をする行為

(引用元:金融商品取引法第38条2項|e-Gov

口頭や書面で以下のような説明を受けた場合は、詐欺であると疑って間違いありません。

  • 絶対に儲かるなど「絶対」というワードが含まれている
  • 必ず上がります
  • 元本保証
  • 月利10%
  • 大丈夫です
  • 勝率100%

まず、よくあるのは元本保証と説明する宣伝方法です。元本保証とは、投資に失敗をしても、投資した金額までは補償するという意味です。

投資において元本保証は禁止されています。また、月利10%や年利30%と勧誘された場合も注意するべきです。

アメリカの大富豪ランキングにもたびたび登場する著名投資家であるウォーレン・バフェット氏でさえ、年間の利回りは20%前後といわれています。

つまり、世界的に有名な投資家でさえ年利20%が精一杯です。にもかかわらず、見ず知らずの方が利益率が高い投資を教えてくれるのは、不自然です。

他にも以下のような投資詐欺はよくある事例なので、知っておいて損はありません。

  • 未公開株や私募債への勧誘
  • 勧誘前に有名人も参加している、有名人と写っている写真を見せてくる
  • ◯◯さんだけに紹介します
  • 友達を紹介するほど利益が増えます

借金がある場合は、投資で儲けることは考えないほうが良い

借金があるということは、お金に困っている状態ともいえます。そのため、少しでも生活を楽にするために投資に手を出す気持ちもわかります。

ただ、借金がある状態での投資はおすすめできません。その理由は以下の2つです。

  • 借金に困っている状態で稼ぐのは精神的に厳しい
  • 投資で稼ぐよりも借金の返済をした方が生活状況が安定しやすい

借金に困っている状況で稼ぐのは精神的に厳しい

借金に困っている状況で稼ぐのは精神的に厳しいです。

なぜなら投資でお金を稼ぐためには、以下のような判断力が必要だからです。

  • どの商品に投資をしようか?
  • どのぐらいのお金を賭けようか
  • どのようなルールで投資を行うか?

2013年にアメリカのショッピングモールでは、裕福な被験者と貧しい被験者に対してある実験を行いました。

その実験は自動車の修理費がかかる場面で、どのような判断をするのか想像してもらうというもので、実験後のIQテストは対象的な結果になりました。

修理費用が300ドル 修理費用が3000ドル
裕福な被験者 ほとんどIQテストのスコアにほとんど差はない ほとんどIQテストのスコアにほとんど差はない
貧しい被験者 裕福な被験者との差はほとんどなし 修理費用が300ドルの場合よりも成績が13〜14ポイント悪化

貧しい被験者のIQテストの成績が悪くなるのは、修理費用が3000ドルの実験を行った場合のみでした。

つまり、お金に困っている方がお金が足りない欠乏感を覚えると、脳に与える処理能力の負担が大きくなるのです。

当然、脳の処理能力の低下は投資をする際の判断にも影響します。借金がある状態で投資で稼ぐのはとするのは難しいといえるでしょう。

借金を返済してから投資をすることをおすすめします。

第2章に出てきたショッピングモールでの研究で、低所得グループはほんとうの貧困層とみなされる人たちではなかったが、それでも処理能力への負荷はかなり大きかった。IQにおよそ十三から十四ポイント、それと同じくらいの影響が実行制御力にはもっと大きな影響が確認された。

(引用元:第7章貧困 処理能力への不可が犯人|いつも「時間がない」あなたに欠乏の行動経済学

投資で稼ぐよりも借金の返済をした方が生活状況は安定しやすい

借金があるなら投資をするよりも借金の返済を優先することをおすすめします。ただ、これまでの話を聞いてもまだ納得できないという方もいるかもしれません。

そこで、投資を優先したケースと借金返済を優先したケースで、どちらが早く借金の悩みから解放されやすいのか解説します。

投資を優先 借金の返済を優先
借金額 100万円 100万円
金利 年15% 年15%
毎月の返済額 3万円 4万円

投資を優先したケース

一般的には、株式やFX取引での勝率は3割〜4割といわれています。そのため、投資をしても半数以上の方は負けます。

ただ、投資で毎年勝ち続けた場合はどうなるのでしょうか?

30万円の投資資金で株式投資を行い、年間5%の利益を出しながら借金の返済をした場合に残るお金を計算してみました。

返済期間 44か月
支払った利息額の合計 30万1674円
投資の利益額 5万9014円
支払った利息額の合計から投資の利益額を引いた金額 -24万2633円

投資で毎年5%ずつお金を増やすことができても、借金の利息額が大きくなります。その理由は、投資で毎年得られる利益率よりも借金の金利の方が高いからです。

「株式投資」「投資信託」「FX」などの方法で得られる利益は多くても7%前後がやっとでしょう。平均的な年間利益率が10%を超える投資法はありません。

一方で、貸金業者でお金を借りた場合の金利はいずれも投資で得られる利益率よりも高いです。

100万円を借りた際に適用される金利相場 上限金利の相場
消費者金融 15%前後 18%
クレジットカード会社 15% 18%
銀行カードローン 12%前後 14%前後

そのため、投資で利益を得られても、貸金業者に支払う利息が高くなるのです。

借金の返済を優先したケース

次に借金の返済を優先したケースをみてみましょう。借金を返済するケースでは、毎月の返済額を1万円増やしたケースで考えます。

返済期間 31か月
支払った利息額の合計 20万6514円
投資の利益額 0円
支払った利息額の合計から投資の利益額を引いた金額 20万6514円

借金の返済を優先したケースでは、投資を優先した場合よりも3万6119円もプラスになることがわかりました。

借金の返済を優先した方が借金完済時に多くの金額が残るのは、毎月の返済額が増えたことで返済期間が短くなり、利息も少なくなるからです。

投資で稼ぎながら借金の返済ができれば効率的なのでは? と考える方もいるかもしれません。

しかし、実際には投資で利益を得ながら返済をするよりも、借金の返済を優先した方が多くのお金が残るのです。

債務整理をすれば、借金に困る必要がなくなる

投資が原因の借金にも返済の義務があることを知り、今の収入ではとても返済ができないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

借金の返済が難しい場合でも、債務整理を行えば、毎月の返済負担を減らしたり、借金の返済額自体を減らせます。

手続きの種類 利用するメリット
任意整理 ・返済期間を3年〜5年に延ばせる
・将来かかる利息や遅延損害金をカットできる
個人再生 ・借金額を大幅に減らせる
・自宅など財産の処分をしなくてもよい
自己破産 ・借金返済を免責できる
・生活に必要なものは残せる

任意整理

任意整理は、返済期間を3年から5年に延ばすことができます。返済期間を延ばすことで毎月の返済金額も減るので、今の金額では返済が難しい場合に検討しましょう。

さらに、貸金業者との交渉次第で、以下の利息もカットできます。

  • 最後に返済した日から貸金業者との和解が成立するまでの利息
  • 完済日までに支払う必要のある利息

そのため、金利が高すぎて返済が思うように進まない場合にもおすすめです。また、債務整理の方法のなかでも手続きの費用があまりかからない点もメリットです。

個人再生

借金額を大幅に減らしたい方は個人再生を検討しても良いでしょう。

個人再生を行えば、裁判所の個人再生委員を介して貸金業者と交渉することで、借金額を大幅に減らせます。

借金額 最低弁済額
100万円未満 全額
100万円〜500万円未満 100万円
500万円〜1500万円 借金額の5分の1
1500万円〜3000万円 300万円
3000万円〜5000万円 借金額の10分の1

また、自己破産のように自宅を処分する必要もありません。

ただ、裁判所に支払う費用と弁護士に支払う費用を合わせると50万円以上かかるケースもあり高額です。

とはいえ、手続きも複雑なため、弁護士に依頼しないというわけにはいかないでしょう。費用については分割での支払いに対応できる弁護士事務所もあるので、一度相談してから決めることをおすすめします。

自己破産

借金額が多すぎて、今後も経済的に支払いが難しい場合は、自己破産の検討も考えなくてはなりません。

自己破産とは裁判所に支払い不能と認めてもらい、借金返済を免責してもらう方法です。

支払い不能とは、借金額を36で割った額が毎月の返済額を上回っている状態

支払い不能な状況の目安は、借金額を36で割った金額と毎月の返済可能額を比較して、借金額を36で割った金額が多い場合に認められる傾向があります。

自己破産をすれば、一切借金を支払う必要がなくなりますが、自宅や20万円を超える預金などの財産は処分しなければなりません。

また、手続き方法によっては、費用が60万円以上かかることもあります。手続きも複雑なので、弁護士への依頼をおすすめします。

このように借金の返済が苦しい場合、債務整理を行えば、毎月の返済額を減らしたり借金自体を減らせるのです。

1人で悩まず弁護士に相談すれば、良い解決方法を提示することができます。

過払い金が発生しているなら過払い金請求がおすすめ

債務整理について弁護士に相談した際に、過払い金があることがはじめてわかるケースもあります。

過払い金が発生している場合は、過払い金請求をするのをおすすめします。

過払い金とは過去に利息制限法の上限を超える金利でお金を借りた場合に発生する利息です。

借入額 上限金利
10万円未満 20%
10万円〜100万円未満 18%
100万円以上 15%

過払い金が発生している契約は返済期間が長引くケースが多いため、取り戻せる過払い金が数百万円以上になることも珍しくありません。

そのため、過払い金が多ければ債務整理をしなくても、借金の悩みから解放される可能性があります。

ただし、過払い金には時効があり、借金の完済日から10年を過ぎてしまった場合は、過払い金請求ができなくなります。

時効が迫っている場合は、早めに弁護士に相談して手続きを行いましょう。過払い金請求を行えば、借金額を超えるお金が戻ってくる可能性があります。

おわりに

投資で借金を背負った場合でも、借金の返済義務はあります。また、投資はあくまでも余剰資金で行うものなので、リスクを取りすぎて借金を背負うようなことにならないようにしましょう。

ただ、投資で数百万円以上の借金を背負っても、一生をかけて返済を続ける必要はありません。

返済が難しいのであれば、任意整理や自己破産などの手続きで、借金の負担を和らげることができます。

また、過去に投資のために消費者金融やクレジットカード会社などで借金をしており、長期間返済を続けている場合は、過払い金が発生している可能性があります。