借金

借金の催促には適切な対応を!無視した場合のリスクも解説

借金を延滞していると、借入先から督促状が届きます。督促状は電話などで催促があった後に送られることが多く、放置すると日常生活に大きな影響を及ぼします。

借金は催促される前に適切に対応すれば、督促やその後のリスクに繋がらずにすみます。

今回は、督促状の概要や無視した場合のリスク、借金を減らす方法などを具体的に紹介します。

督促状は借金の催促

督促状は借金の催促のための手段です。また、督促状と催告書は異なるため、しっかり理解しておく必要があります。

督促状とは

督促状は、貸付業者による借金の催促をする手紙のことです。

督促状は、

  • 支払われるべき返済額が支払われていない
  • 口座の残高不足により引き落としができなかった

などのケースで送付されます。

年金や国税、市民税などのほか、公共料金、、銀行系カードローン、クレジットカード、消費者金融などが返済が遅れた場合に郵送で送られてきます。

内容証明郵便で届く

内容証明とは、いつどのような内容の文書を誰がやり取りしたか、差出人が作成した謄本によって郵便局が証明する制度です。督促状はこの内容証明郵便で送られてきます。

督促状の記載内容は、

  • 宛名
  • 以前の請求日
  • 請求額
  • 返済期限
  • 返済方法
  • 連絡先

などが記載されていることが一般的です。督促状に記載された返済期限までに返済ができない場合はすぐに借り入れ先に相談しましょう。

督促状と催告書の違い

督促状は借金を滞納してはじめの数回送られてきますが、それでも連絡を無視したり、返済が滞った場合は、催告書が送られてきます。

催告書は裁判を行う前の勧告といった意味合いがあり、通常であれば「このまま返済をしなければ法的処置をとる」という内容が記載されています。

催告書も内容証明郵便で郵送されます。やり取りや郵送の記録が残されるため、「知らなかった」、「そんなことは聞いていない」などと言い逃れすることはできません。

借金の催促を無視するリスク

借金を滞納すると、はじめは催促の電話などが来ますが、無視するとどんどん事態は悪化していきます。

具体的には、

  • 遅延損害金が発生する
  • 催促の内容が厳しくなる
  • 一括請求のリスクがある
  • 最悪の場合財産が差し押さえられる

といったリスクがあります。

遅延損害金が発生する

遅延損害金とは、借金を滞納した返済期限の翌日から発生するペナルティです。消費者金融などで借入を行った場合、一般的に利息は15%~18%程度ですが、遅延損害金の上限年率は20%と高く設定されており、長い間放置しているとどんどん返済額に上乗せされてしまいます。

また、滞納が2か月以上続けば、信用情報機関に事故情報が登録される、いわゆるブラックリストに載せられる状態になります。ブラックリストに載ると、借金を完済しても数年間は事故情報が残り、その期間はカードローンやクレジットカードなどの利用が難しくなります。

返済の催促が届いたということは、それだけで少なからずリスクが発生していると考えた方がいいでしょう。電話などで催促が来る初期の段階で、返済や専門家への相談をおすすめします。

催促の内容が厳しくなる

借金の返済が滞ると、通常は数日以内に借入先から電話などで連絡が来ます。はじめは入金や引き落としができなかった旨が伝えられ、いつまでに返済できるか確認されるのみです。

しかし、この催促を無視したり、約束の日までに返済しなかった場合、督促状が届くようになります。督促状では借入先の方から返済期日を指定されます。

さらに、催告書が内容証明郵便で送られてくるようになると、返済を行わない場合法的手段をとる旨通知されます。「法的手段」とは、後述する強制執行のことです。

電話での催促の段階で迅速に対応すれば、数日程度なら返済日を延ばしてもらえる可能性もあります。返済の目途が立つなら、事態が悪化する前に一刻も早く対応しましょう。

催促を無視すると一括請求される

一括請求とは、今まで残っている全ての返済すべき借金を一括で請求することを言います。

督促状が送られはじめた初期の段階では、1~2か月分の借金残額や遅延損害金、利息のが請求されることが一般的です。しかし、その後も滞納を続けると催告書が届き、この段階になると遅延損害金と利息だけでなく、今までの残額全てを一括請求されることになります。

内容証明郵便による催告書は、2か月を以上経過した段階で届くケースが多いため、一刻も早く対処すべきです。

最悪の財産が差し押さえられる

内容証明郵便による催告書の内容にも応じない場合、借入先が裁判所に申立て、その内容に基づき裁判所から通知が届きます。

裁判所からの通知には訴状と支払督促の2種類があります。

催告書を無視した場合に裁判所から送られてくる通知

訴状 相手に裁判を起こされたことを意味する通知
支払督促 金銭の支払いを命じる裁判所からの通知

訴状、支払督促のいずれが届いても、対処せず放置していれば最終的に給料などの財産が差し押さえられてしまいます。これらの通知が届いたら、すぐに弁護士などに相談しましょう。

借入先からの催促には迅速に対応する

借入先からの催促には迅速に対応することで、督促や差し押さえなどの事態を引き起こさずにすみます。

借入先から催促が来たら、

  • 連絡に応じる
  • 可能なら指定の期限までに払う
  • 時効に該当しないか確認する

などを行い、対応を後回しにしないことが大切です。

連絡に応じる

借金の返済が滞っていることを自覚している場合、借入先からの連絡が怖いと感じる人もいます。催促の連絡が来るタイミングは借入先によって様々で、翌日すぐに来る場合もあれば、1週間以上来ない場合もあります。

催促の連絡をする際のルールは法律で決められており、1日に何度も来ることはありませんが、後ろめたさから電話を無視すると、督促やそれ以上の重大な事態に発展してしまいます。

延滞の初期段階であれば借入先もそれほど強硬姿勢は見せないことがほとんどで、支払い日を数日後にしてもらえる可能性もあります。支払いの目途が立っているのなら、返済日を借入先と共有しましょう。適切な情報を伝えれば催促の電話は止まります。

可能なら指定の期限までに払う

借入先からの連絡に応じ、可能な返済日を伝えましょう。催促されている初期の段階であれば、期限までに指定の額を支払えば事態が深刻化することを防げます。うっかり返済日を忘れてしまった場合などは、その旨を借入先に伝え、返済日が近くなると教えてくれるメールサービスの活用を検討するなど、再発防止を考えると良いでしょう。

また、返済日は多くの場合同じ日にちに設定されているので、あらかじめカレンダーにチェックしておくと忘れる心配がありません。

問題は、催促されても返済の目途が立っていない場合です。この場合もまずは借入先の連絡に応じ、返済の意思があることを伝えましょう。その上で、現金が不足している場合は、家族に当面の資金を借りたり、公的機関からの貸付や助成金を申請するなど検討する必要があります。

催促されても現金がない場合、焦ってついつい新たな借金をしてしまいがちです。消費者金融などで新たに借金をすると多重債務に陥り、どんどん借金が膨らむ最悪の事態に発展しかねません。どうしても返済が難しい場合は、弁護士など専門家に相談することが重要です。

時効に該当しないか確認

借金には時効があります。借金返済で困っている場合は、まずその借金が返済する必要があるものなのか確認することが重要です。

借金の時効は、最後に返済した日の翌日から進みます。

時効 借入先
5年 消費者金融、クレジットカード会社、ショッピング残高、信用金庫・信用組合からの営業目的での借入
10年 奨学金、労働金庫、個人からの借入

消費者金融やクレジットカード会社からの借入は5年、奨学金、労働金庫、個人からの借入は10年で時効が成立します。

借金の借入先によって時効も異なる

督促状や催告書には、最後に借入を行った日が記載されており、借金の種類によって返済日の翌日から5年、10年が経過していれば時効になっている可能性が高くなります。手元に資料がなく、最後に返済した日がわからない場合は、弁護士事務所などに依頼すれば調べてくれます。

また、時効が成立したとしても直ちに返済義務が消滅するわけではなく、「消滅時効の援用」という手続きをとることで返済義務が消滅します。時効は最後に返済をした日の翌日から進みますが、借入先からの連絡によって返済日を相談していたり、訴訟が起こされることで時効が中断します。

この時効の中断が起きている場合は、時効の経過期間の計算が複雑になります。経過期間の認識が誤ったまま時効援用の手続きをしても時効は成立しないため、借金や遅延損害金を返済しなければなりません。

催促や取り立てが厳しい場合は?

現在は取り立てに関する法律が整備されており、1日に何度も厳しく取り立てしたり、周囲の人間に迷惑行為をすることは禁止されています。

もし厳しい取り立てが行われた場合、法律違反であったり、詐欺の可能性もあります。法律に則った手続きが行われているかチェックしましょう。

督促のルールは法律で決められている

催促や督促について、貸金業者は法律のルールに則って進める義務があります。貸金業法第21条では、やってはいけない取り立てが明記されています。

取り立ての内容 法律に違反する行為
取り立ての時間 午後9時から午前8時までの間の電話や訪問
電話の連絡回数 1日に3回以上の督促の電話
自宅訪問人数 3名以上での借金催促の自宅訪問
督促の退去について 退去をお願いしても退去しない督促の訪問
職場への催促 職場に催促を目的としての訪問
督促の態度 大声を出す、暴力的な言葉の使用
プライバシーについて 借金や私生活を張り紙などで掲示する
第三者への督促 関係ない第三者に返済を求める
債務整理後の対応 債務整理の受任通知を受領後に取り立てする

借入先からの督促にこれらの違反行為が見られて場合は、警察に連絡しましょう。

不審に思ったら詐欺の可能性も考えよう

もし、身に覚えのない業者から督促状や催告書が送られてきた場合、詐欺の可能性があります。督促状などには「いつまでに払わないと法的措置を講じる」などと脅し文句が書いてありますが、一切連絡せず、警察に通報するようにしましょう。

また、裁判所や税務署、日本年金機構などの公的機関を装って督促状などが送られてくることもあります。その場合は、督促状の連絡先ではなく、各機関の公式サイトのホームページにアクセスし、そこから相談窓口に連絡するなどし、事実関係を確認しましょう。

催促されても払えない場合は債務整理を検討

借金の返済期限が過ぎ、借入先から催促されても返済できる目途が立たない場合、債務整理を検討することをおすすめします。

ここでは、債務整理について

  • 債務整理の概要
  • 督促が止まる理由
  • 各債務整理のメリット・デメリット

などについてご紹介します。

債務整理とは

債務整理とは、消費者金融やクレジットカード会社から借りた借金を減らすことができる法的手続きのことです。

債務整理には任意整理、個人再生、自己破産があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

収入が減ったり、借金が膨れ上がって返済が困難な場合は、黙って放置していても事態が悪化するだけです。近いうちに大幅な収入増や支出減が見込めないなら、債務整理を行うことが現実的です。

債務整理で督促が止まる理由

債務整理を行うと、借入先からの督促がストップします。弁護士に依頼すると、債務整理を受任後、借入先に対して受任通知という文書を送付します。貸金業法では、この受任通知が借入先に到着すると貸金業者は債務者に直接連絡してはいけないことになっています。そのため、債務整理を行うと本人への督促がストップするのです

また、弁護士などの専門家が手続きを行うため、依頼者は借入先の業者と直接交渉する必要はありません。借金のプレッシャーから連絡することがストレスなっている人であっても、専門家が窓口になってくれるため安心です。

任意整理のメリット・デメリット

任意整理は、借金の将来的な利息をカットしたり、過払い金がないかチェックすることで、借金総額を減らす法的手続きです。

任意整理の手続きをすると、業者からの督促を止めることができます。また、裁判所を介さない手続きのため、他の債務整理に比べて手続きのコストがかからないことも特徴です。

任意整理では、利息の免除や、3~5年間で返済を行うように相手の業者と相談し、両者が合意すれば無理のないプランで返済できるようになります。裁判所を介さないため家族にバレないように手続きをすることも可能で、こっそり借金を返したい人に適した方法です。

一方、任意整理にはデメリットもあります。任意整理の手続きをすると信用情報に傷がつき、ブラックリストに載せられてしまいます。これにより新たな借入や新規クレジットカードの発行などが難しくなります。

また、他の債務整理の方法よりも借金の減額率が低いこともデメリットでしょう。任意整理はあくまで利息のカットや月々の返済額の見直しなどに焦点を当てた手続きのため、大幅な借金の減額はあまり期待できません。大きな借金を抱えてしまう、全く返済の目途が立たない人にはあまり向いていない手続きです。

任意整理は、ブラックリストに載ってしまうことが最大のデメリットですが、過払い金が見つかり、過払い金だけで残りの借金を返し終えることがあればブラックリストに載ることはありません。

任意整理のメリット・デメリット

メリット ・借入先からの支払督促が止まる
・財産を維持できる
・利息が免除される
・裁判所を通さないため手続きに手間がかからない
・整理対象の借入先を選べる
・家族や職場にバレづらい
・借金が減る可能性がある
・官報に載らない
デメリット ・ブラックリストに載る
・交渉に応じてもらえない場合もある
・借金の大幅な減額は期待できない

個人再生のメリット・デメリット

個人再生は、任意整理と異なり、裁判所を介して借金の減額を行う方法です。

個人再生の最大のメリットは、借金を大幅に減額できることです。個人再生では、借金の額に応じて「最低弁済額」が決められています。個人再生は借金が大きければ大きいほど減額率が大きくなるため、大きな借金を抱えている人に向いている手続きです。

借金総額 最低弁済額
100万円未満 借金総額
100万円以上500万円以下 100万円
500万円超1500万円以下 借金総額の5分の1
1500万円超3000万円以下 300万円
3000万円超5000万円未満 借金総額の10分の1

また、住宅ローンが残っている不動産を所有している場合、民事再生法に定められた条件を充たす人は、住宅ローンをそのまま返済しすることで、自宅の不動産を維持し続けることができます。個人再生で大きく借金を減らしながら、家を手放さずに住み続けることができるのです。

一方、個人再生は裁判所を介した手続きとなるため、多くの書類が必要になるなど手続きが煩雑になります。また、個人再生をすると国の機関紙である官報に掲載され、事実が公表されてしまいます。

信用情報についても、任意整理と同じくブラックリストに載せられてしまいます。個人再生の場合、7〜10年間はブラックリストに載せられた状態になり、その間借入などをすることは難しくなります。

その他の注意点としては、罰金や税金などの一部の債務は個人再生によっても減額できないことです。税金や公的年金、交通事故による人身の損害賠償債務などは減額することはできないため、これらは個人再生後も支払う義務が残ります。

個人再生のメリット・デメリット

メリット ・借金の大幅な減額が期待できる
・不動産を手放さずに返済できることもある
デメリット ・手続きが煩雑
・ブラックリストに載る
・官報に掲載される
・税金や公的年金などの支払いは残る

自己破産のメリット・デメリット

個人再生などでも返済できそうにない場合、この手続きをすることになります。

自己破産は、何と言っても借金をゼロにすることができることですが、その他にも、最低限の財産を手元に残すことができる点などがあげられます。よく全ての生活用品やお金も没収されるのではないかと思っている人がいますが、実際には必要は生活用品や現金は最低限残すことができるため、すぐに生活の再建をすることができます。

一方、自己破産のデメリットとしては、ローンの残っている家などの不動産や自動車は、担保にとられていることが多いため、維持できない場合があることです。

また、他の債務整理同様、信用情報に傷がついてしまうことや、官報への掲載、手続き中に一部の職業に就くことができないなどのデメリットもあります。

自己破産のメリット・デメリット

メリット ・借金をゼロにできる
・最低限のものや現金を残すことができる
デメリット ・不動産や自動車を維持できない可能性がある
・ブラックリストに載る
・官報に掲載される
・税金や公的年金などの支払いは残る
・手続き中は一部の仕事への就業に制限がある

借金を催促されても支払いの目途が立たない場合で、かつ大きな借金がある場合は、自己破産も検討することになります。

債務整理は専門家に依頼するのがおすすめ

借金の催促に悩まされている、返済の目途が立たないなどのケースでは、借金自体を減らす債務整理の手続きを検討しましょう。

債務整理を専門家に相談・依頼すると、

  • 督促が止まる
  • 面倒な手続きを代行してくれる
  • 専門知識で適切な手続きをしてくれる

などのメリットがあります。

催促・督促が止まる

すでに借金返済の催促をされている状態でも、専門家に相談すれば催促を止めることができます。弁護士などであれば、借入先の業者と直接交渉をしたり、書類のやり取りをする窓口になってくれるため、ストレスを感じずにすみます。

催促されても返済の目途が立たない状態だと、どうしても精神的に追い詰められ、連絡を無視したり、新たに借金をしてしまうなど非合理的な行動を取ってしまいがちです。まずは落ち着いて弁護士などに相談しましょう。

面倒な手続きを代行してくれる

弁護士などの専門家であれば、面倒な手続きを代行してくれます。裁判所との郵送のやり取りにおける書類作成などは、素人では難しく面倒なものが多いため、専門家に依頼すると安心です。

また、過払い金などの期間や金額の調査は専門知識が必要なことも多いため、ひとりで進めることはおすすめできません。まずは専門家にアドバイスを求め、必要な書類の収集や計算などを行うと確実です。

専門知識で適切な手続きを選択できる

借入先の業者とのやり取りは、個人で交渉しても応じてくれないことも多いため、弁護士などに交渉をしてもらった方が良いでしょう。

また、債務整理や過払い金は自分では何がベストな選択か判断がつかないことも多いはずです。

専門知識を持った弁護士などに相談すれば、それぞれの状況や要望に合わせて、最適な選択肢を提案してくれます。

おわりに

借金の支払いが遅れると借入先から催促が来ます。この連絡を無視すると事態が悪化するため、まずは相手の連絡に応じ、自身の状況や返済の目途を伝えることが重要です。

また、毎月の返済が苦しかったり、返済の目途が立たない場合は、早めに弁護士に相談し、債務整理や過払い金の調査などを行うことで借金を減らせる可能性があります。催促がしつこいからといって放置せず、まずは弁護士に相談してみましょう。