借金があったとしても、生命保険に加入することは可能です。「生命保険へ加入している期間に、借金の返済が苦しくなった!」という場合でも、生命保険を解約せずに済む方法があります。
また、借金のある人が亡くなったときに出てくるのが相続問題。借金と生命保険金があった場合、「借金は相続したくないけど、生命保険金は受け取りたい」というのが本音ではないでしょうか。
相続放棄をして借金は相続せず、生命保険金だけを受け取ることは可能です。
借金があっても生命保険に加入できる!
借金をしていても生命保険に加入することができます。
お金を借りるときに審査があるように、生命保険の加入前にも審査があります。しかし、借金の審査と生命保険への加入審査とでは内容がまったく異なります。
生命保険への加入審査では、被保険者が死亡する、病気になる、ケガをするといったリスクを最も重視しています。生命保険への加入審査で重要視される具体的なポイントは、次のとおりです。
- 既往歴があるか
- 現在の健康状態が良好か
- 重大な事故につながりやすい職業に就いていないか
借金の審査でも、生命保険の加入審査でも、職業を問われることはあります。しかし、なぜ職業を問われるのかという理由については、お金を借りる場合と生命保険に加入する場合とでは異なるのです。
借金の審査の場合は、「返済能力があるか?」という観点から職業が問われています。一方、生命保険の加入審査の場合は、「死亡やケガにつながりやすい職業ではないか?」という観点から問われています。
貸金業者が貸し倒れを防ぐために返済できない可能性の高い人を審査に落とすように、保険会社は保険金や給付金を支払うことになりそうな人を審査で落としています。
借金があったとしても、健康状態がよく、危険な職業に就いておらず、保険料を支払うことができれば、生命保険に加入できる可能性は十分にあります。
金融事故や債務整理歴があっても生命保険に加入できる?
個人信用情報がいわゆる「ブラック状態」であったとしても、生命保険に加入することは可能です。
個人信用情報(クレジットヒストリーやクレヒスともいう)には、個人の借り入れやクレジットの契約情報や返済状況が記録されています。
個人信用情報は、個人信用情報機関が管理しています。個人信用情報機関の加盟者である貸金業者は、個人信用情報を照会することができ、ローンの審査では必ず申込者の個人信用情報の照会がおこなわれています。
返済を長期延滞した場合や、債務整理をした場合には、個人信用情報に5~10年間記録が残ります。
返済が規定通りにできなかったことが個人信用情報に残ることを次のように表現することもあります。
- ブラック状態
- ブラックリスト入り
- 信用情報に傷がつく
借金の場合は借り入れ先が個人信用情報を照会し、ブラック状態になっていることがわかれば審査に落ちます。しかし、生命保険の審査で個人信用情報を照会されることはなく、たとえブラック状態であったとしても生命保険の審査には影響しません。
生命保険加入中でも借金はできる!
生命保険に加入しているときでも借金をすることは可能です。
貸金業者は、お金を借りる人が返済不能とならないように、他社からの借り入れや返済状況を個人信用情報に照会して把握します。貸金業者へのローン申し込み時に、他社へ返済しなくてはならない金額が多いとローンの審査に落ちることになります。
生命保険は、契約・保険料の支払いともに、個人信用情報に記録が残ることはありません。
自分で貸金業者に「生命保険料を毎月支払っている」と申告しないかぎり、生命保険に加入していることさえ貸金業者に知られることはありません。したがって、お金を借りる場合の審査に生命保険料の支払い分が考慮されることはなく、生命保険へ加入していることが借金の審査に影響することはありません。
生命保険を担保に借金!「契約者貸付」とは?
生命保険を契約している人だけが利用できる「契約者貸付」という貸付制度があります。担保となる解約返戻金の7~8割程度の範囲内で、保険会社からお金を借りられます。解約返戻金とは、保険を中途解約したときに戻ってくるお金のことです。
契約者貸付は、どの保険でも利用できるというわけではなく、利用できないタイプの保険もあります。生命保険には次の2つのタイプがあります。
貯蓄型 | 解約返戻金や保険期間満了時にお金が受け取れる保険 |
---|---|
掛け捨て型 | 解約返戻金や保険期間満了時にお金が受け取れない保険(受け取れたとしてもごく少額) |
契約者貸付が利用できるのは、解約返戻金のある貯蓄型の生命保険です。具体的には、次のような貯蓄型の生命保険で契約者貸付を利用できることが多いです。
終身保険 | ・保障が一生涯にわたり続く保険 ・保険期間中に解約をすると、解約返戻金が受け取れる |
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養老保険 | ・保障期間が決まっている保険 ・期間満了時に生きていればお金が受け取れる |
ブラック状態でも契約者貸付制度は利用できる
契約者貸付制度は、ブラック状態の人でも利用することができます。
貸金業者から借金をする際には審査が必要ですが、契約者貸付には審査がありません。契約者貸付でお金を借りる際に、個人信用情報を保険会社に照会されることもありません。たとえブラック状態であっても、保険会社は信用情報を把握できないのです。
また、契約者貸付を利用した履歴が個人信用情報に登録されることはありません。
審査なしで契約者貸付が利用できる理由は、解約返戻金を担保にしてお金を貸しているからです。解約返戻金は、契約者が支払った保険料を積み立てたお金ですので、借金というよりは自分の預貯金を取り崩していると解釈することもできます。貸金業者からの借金は、担保なしで信用をもとにお金を貸しており、解約返戻金を担保にお金を貸している契約者貸付とでは仕組みが違っています。
契約者貸付制度のメリット
- 保険を解約しなくてもお金を受け取ることができる
- 金利が低い
- 柔軟な返済計画が立てられる
生命保険の契約中に、お金に困ることもあるでしょう。しかし、契約者貸付を利用することによって、生命保険を継続させながらも、低金利でお金を借りることができます。生命保険を解約すると再び加入するのが困難な人や、家族のために保障は残しておきたい人にとっては大きなメリットといえます。
契約者貸付制度の金利は、保険商品によって異なりますが、年2~6%程度です。
手軽にお金が借りられるカードローンの金利と比較してみましょう。
カードローン | 年14.5%程度 |
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契約者貸付 | 年2~6%程度 |
銀行系カードローンは、カードローンのなかでも比較的低い金利が設定されています。それでも、年14.5%前後の金利が設定されていることが多いです。
契約者貸付制度の金利は、銀行系カードローンの金利の半分以下と低いことがわかります。
金利が低いということは、同じ金額を同じ期間借りるのであれば、利息を含めた総支払額が少なく済むということです。カードローンを利用するよりも、契約者貸付を利用したほうが返済の負担を減らすことができます。
契約者貸付で借りたお金の返済は、保険期間中におこなえばよく、貸金業者への返済のように月に1度といった決まった頻度で返済する必要はありません。返済のペースだけでなく、返済額も一定額以上であれば自分で決めることができる保険商品もあります。
契約者貸付制度のデメリット
- 保険契約者しか利用できない
- 保険に加入したばかりでは利用できない
- 保険が失効することがある
契約者貸付を利用できるのは、保険の契約者のみです。悪用防止のため、配偶者であっても契約者以外が契約者貸付を利用することはできません。
また、解約返戻金を担保に融資をおこなっているので、保険に入りたてで解約返戻金が少ない時期には利用できないことがあります。
最も気をつけたいのは、保険契約が失効になるパターンです。借りたお金と利息を合わせた金額が解約返戻金を上回って返済ができなかった場合には、保険が失効となります。
借金の返済が苦しいなら生命保険は解約したほうがいい?
借金の返済で経済的余裕がないときでも、生命保険を解約しないで済む方法もあります。もし生命保険を解約してしまっても、なるべく少ない保険料で生命保険の保障をつけることも考えてみましょう。
払済保険に変更する
生命保険料を支払うのは苦しいけれど、保障がなくなるのは困るという方におすすめなのが「払済保険(はらいずみほけん)」です。
払済とは、解約返戻金を一時払保険料として、保障期間が変わらない保険へ変更すること。変更した先の保険を払済保険といいます。
払済保険に変更するメリットとデメリットを次の表に示します。
メリット | ・変更後に保険料を支払う必要がない ・保障期間はもともと契約していた保険と変わらない ・復旧することができる |
---|---|
デメリット | ・保障額がもともと契約していた保険より減る ・特約はすべてなくなる |
保障を残しつつも、いままで支払っていた保険料のぶんを借金の返済に充てることが可能になるのが大きなメリットだといえます。また、復旧といって、保険会社が定めた期間内であれば、健康状態や払込みといった条件を満たすことで、もとの保険契約に戻すことも可能です。
保障額が減ってしまうといった注意点はあるものの、いったん保険を解約して加入し直すとなれば、保険料の払込みが必要になります。総合的に考えると、保障を残しつつも出費はしなくてもよいというベネフィットのほうが大きいはずです。
生命保険を解約する
借金の返済が最優先で、まとまった金額の解約返戻金がある場合は、保険を解約するのもひとつの方法です。
生命保険を解約することのメリットとデメリットを次の表にまとめました。
メリット | ・解約返戻金を借金の返済に充てられる ・毎月の保険料の支払いが不要になる |
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デメリット | ・中途解約することで解約返戻金は払い込んだ金額より下回る ・保障がなくなる ・生命保険へ再加入が難しい場合もある |
解約返戻金で借金が全額返済できるようであれば、借金が無くなるというメリットがあります。しかし、解約して保障がなくなることで家族が困らないか、家庭の状況も確認することが必要です。
解約後に新たに生命保険に加入しようとしても、健康上の理由で審査に通らなかったり、加入できたとしても年齢が高くなるぶん保険料も高くなったりする懸念もあります。
掛け捨て型保険に切り替えると保険料を節約できる
貯蓄型の生命保険を解約した後で保障が必要となった場合、掛け捨て型の生命保険へ切り替えることも検討してみましょう。
掛け捨て型の生命保険は、貯蓄型の生命保険よりも保険料が安いのが特徴です。
掛け捨て型の場合は、保険料に貯蓄ぶんが含まれていないため、低い掛け金で保障をつけることができるのです。
借金の返済中や、返済し終わったばかりで家計に余裕がなくても、保険料が低ければ無理なく支払っていける可能性もあります。
債務整理をしても生命保険は継続できる?
生命保険の解約返戻金は財産としてみなされますが、債務整理をしたからといって生命保険を必ず解約しないといけないわけではありません。
債務整理には、次のような種類があります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
このうち、生命保険が解約になるリスクがあるのは個人再生と自己破産だけです。
どうしても借金の返済が苦しい場合には、生命保険よりも借金の返済計画自体を見直す必要もあります。返済が難しそうなら、債務整理も選択肢に入れましょう。
多重債務に陥っていて一度も返すことができていない借金がある人でも、条件次第で債務整理は可能です。
任意整理
任意整理をしても、生命保険の解約を求められることはありません。原則として財産の調査がおこなわれることはなく、生命保険への加入を借り入れ先に知られないまま手続きを進められます。
任意整理は、裁判所を介さずに、貸金業者と交渉することでおこなわれます。将来支払うはずだった利息を減らすことができるので、返済が楽になるはずです。
また、複数の貸金業者から借り入れがある場合、任意整理をする借り入れ先を選ぶこともできます。
個人再生
個人再生では、生命保険を解約しなければならない場合もあります。
個人再生は、借金を大幅に減額してもらうことで、3~5年以内に完済させる手続きです。返済が全額免除になるわけではないので、一定額は返済の義務があります。返済すべき金額以内の財産は処分せずに残すことができ、強制的に生命保険が解約されてしまうことはありません。
ただし、次のような場合は、生命保険の解約を検討する必要がでてきます。
- 解約返戻金が高額な場合
- 毎月支払う保険料が高額な場合
高額の解約返戻金があれば、そのぶん返済すべき金額も高額になってしまいます。解約返戻金があることで、返済額があまりに高額になってしまう場合は、原則として生命保険の解約が必要です。
また、保険料が高額の場合には、生命保険を解約しなくてはならないこともあります。保険料の支払いによって、返済に充てるお金が不足するおそれがあると判断されると、個人再生をすること自体を裁判所に認めてもらえなくなる可能性があるからです。
自己破産
自己破産の場合、生命保険は解約になる可能性が高いです。しかし、解約しなくて済む例もあります。
自己破産は、借金の返済が全額免除になる一方、財産を処分しなくてはなりません。ただし、「自由財産」といって、生活に最低限必要な分は処分しなくてよいことになっています。
自由財産を超える解約返戻金がある場合は、破産者の財産を換金して債権者に配当する役割を担う破産管財人に渡すことになります。つまり、破産者が自分で保険を解約して解約返戻金を破産管財人へ渡すか、破産管財人が破産者の保険を解約して解約返戻金を直接回収することになるのです。
自由財産になる生命保険
解約返戻金が20万円以下の生命保険は解約しなくて済む可能性が高いです。東京地方裁判所では、20万円以下の解約返戻金がある生命保険を自由財産としているからです。
どのようなものが自由財産になるのかは、本来は法律で規定されています。しかし、法律で規定されていないものであっても、「自由財産拡張基準」と呼ばれる地方裁判所ごとに設けられた基準によって、自由財産とみなすことがあります。東京地方裁判所が、解約返戻金が20万円以下の生命保険を自由財産として認めている理由は、自由財産拡張基準にあるのです。
自己破産をしても生命保険の解約を回避する方法
自己破産をしても、20万円を超える解約返戻金がある生命保険の解約を回避する方法はあります。必ず回避できるというわけではありませんが、何もしないよりは生命保険を継続できる望みがあります。
契約者貸付を利用する
契約者貸付を利用して解約返戻金を20万円以下にすることで、自由財産とみなされ、生命保険を継続させられる可能性があります。
ただし、自己破産前に誤った知識で契約者貸付を利用すると、所得を隠したと判断されるリスクがあります。免責不許可(自己破産が認められない)理由に該当してしまう可能性があるため、素人判断で利用するのはおすすめできません。
もし、自己破産を考えているのであれば、契約者貸付を利用する前に弁護士に相談するようにしましょう。
自由財産を拡張してもらう
裁判所に自由財産の拡張を申し立てることで、20万円以上の解約返戻金があっても解約せずに済むこともあります。
破産者の申し立てが適切か破産管財人が調査し、破産管財人の調査や意見も勘案したうえで、裁判所が自由財産の拡張を認めるかどうかを決めます。高齢や持病がある人で、生命保険を解約してしまうと再度加入するのが難しいといった事情があれば、自由財産の拡張が認められる場合もあります。
解約返戻金相当額を破産管財人にわたす
解約返戻金に相当する金額を破産管財人に渡し、債権者へ配当する資金としてもらうことで、生命保険を継続させてもらうという方法もあります。
ただし、破産管財人との交渉や、解約返戻金に相当するお金の準備が必要です。
介入権制度を利用する
生命保険の解約手続きをしたあとでも、介入権制度を利用することで生命保険の契約を存続させることができます。
保険会社が解約通知を受けたときから1ヶ月が経過するまでの日に、保険金の受取人が解約返戻金相当を破産管財人に支払う必要があります。保険金の受取人が解約返戻金相当を支払うのは、介入権制度が受取人の利益を守るための制度だからです。
借金が返済できないと生命保険が差し押さえられる?
借金の返済ができないままでは、生命保険が差し押さえられることもあります。
差し押さえの対象となるのは、解約返戻金請求権です。タイミングによっては満期金や配当金が対象となることもあります。解約返戻金請求権が差し押さえとなると、現金化して回収するために債権者によって解約されてしまいます。
ただし、借金が返済できないからといってすぐに差し押さえられるわけではありません。
差し押さえまでの手順
- 債権者が裁判所に申し立てをおこなう
- 裁判所から債務者のもとへ「差押予告通知書」が届く
- 債務者が「差押予告通知書」を無視した場合、債務者が裁判所に申し立てをする
- 裁判所から債務者のもとへ「支払督促申立書」が届く
- 2週間以内に「督促異議申立書」を裁判所に提出しなかった場合、裁判所から「仮執行宣言付支払督促」が債務者に届く
- 債務者が「仮執行宣言付支払督促」に対して2週間以内に異議申立しなければ、債務者は差し押さえが可能
生命保険だけでなく、給与やマイカーやマイホームといった資産も差し押さえの対象になります。債権者が申し立てをおこなう前に、任意整理や個人再生ができると、失う財産が少ないという点においてベターです。遅くとも、差押予告通知書が届いた段階で弁護士に相談すれば、差し押さえを回避できる可能性があります。
借金を相続せずに生命保険金はもらえる?
借金と生命保険がある人が亡くなった場合、借金は相続せずに生命保険金だけを受け取ることができます。
ただし、相続放棄して生命保険金だけを受け取る場合にも相続税がかかります。
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生命保険金は相続財産ではなく固有財産
相続放棄をしても保険金が受け取れる理由は、保険金が受取人の固有財産として扱われるからです。相続財産は、被相続人(死亡した人)が生前もっていた資産と負債のことをさします。しかし、生命保険金は被相続人が死亡したことによってはじめて発生したものであり、被相続人の所有物とはいえません。したがって、生命保険金は相続財産には該当しないのです。
生命保険金を受け取るときの注意点
生命保険金だけ受け取る場合に気をつけたいのが、相続税です。生命保険金は相続財産ではありませんが、「みなし相続財産」として扱われ、受け取る場合には相続税がかかります。
ただし、受け取った全額に課税されるわけではなく、基礎控除や生命保険金の非課税制度を利用することで、支払う相続税をなくしたり減らすことが可能です。
相続放棄するかしないかで、利用できる制度が異なります。
基礎控除 | 生命保険金の非課税制度 | |
---|---|---|
相続放棄しない(相続人になる) | 利用できる | 利用できる |
相続放棄する(相続人にならない) | 利用できる | 利用できない |
要点は、相続放棄すると生命保険の非課税制度が利用できなくなるということです。
相続を放棄する(相続人にならない)場合
相続税には「基礎控除」という制度があります。相続を放棄する・放棄しないにかかわらず、利用できる控除です。
相続財産すべての合計額と、基礎控除額を比べてみてください。相続財産の合計額のほうが少なければ、相続税を支払わなくても済みます。
基礎控除額は、「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」で求めることができます。非課税制度と同様に、法定相続人が相続放棄しても、相続放棄がなかった場合の人数が計算式に適用されます。
相続を放棄しない(相続人になる)場合
相続放棄せず、相続人になる場合には、「非課税制度」が利用できます。支払われた保険金から生命保険金の非課税額を差し引くことができます。
生命保険金の非課税額は、「500万円×法定相続人数」で求めることができます。仮に法定相続人が相続放棄しても、相続放棄がなかった場合の人数が計算式に適用されます。
生命保険金の非課税制度は、「基礎控除」と併用することができます。
借金の返済や相続で困ったら専門家に相談
生命保険加入中の借金問題や、借金がある被相続人の保険金の受け取りは、それぞれの専門家に相談したほうが、ひとりで悩むよりも迅速かつ正確に解決できます。
生命保険加入中に借金の返済が苦しくなった場合、債務整理も視野に入れて弁護士へ相談することで、生命保険を継続しつつ借金も整理できる可能性があります。
また、相続時に生命保険金だけでなく借金があることが発覚した場合は、相続人になるべきか相続税の計算も含めて税理士に相談すると損をせずに済みます。