「借金をしていることを家族にどう打ち明けよう…」
「1人では返済できなくなった…」
「妻(旦那)や恋人に言ったら別れを告げられそう…」
このような不安を抱えていませんか?
借金を打ち明ける際、タイミングと伝え方が悪ければ今までの人間関係が一気に崩れてしまいます。反対に、借金を打ち明ける時のポイントをしっかりと理解しておけば良好な関係を継続できます。
そこで、この記事では大切な人をがっかりさせないような借金の打ち明け方について解説します。
借金を打ち明けるベストタイミング
さっそく結論ですが、借金を打ち明けるベストタイミングは、返済計画を立てられた時です。
なぜなら、借金を打ち明けられる立場になった時、自分が返済状況や計画を把握していないと相手は困惑してしまうからです。ただし、全ての人にとって、返済計画を立てられた時がベストタイミングとは限りません。また、返済目処が立たず、協力を求めて相談したいと考えている人もいるでしょう。
そこで、打ち明ける相手別にベストタイミングを解説します。
親に打ち明ける
親に借金のことを話す際は、借金返済に協力してもらえそうな場合のみにしましょう。理由としては、親に借金を返済する力がない場合は、余計な心配をかけるだけになってしまうからです。
ただ、話すまで親の協力が得られるかわからない場合もあります。そんな時は、断られた際に次に起こすアクションまで考えておくことが必要でしょう。
例えば、もし断られたら「債務整理で借金を減額する」と決めておくとします。断られても次のアクションまで説明することで、ある程度の安心感を与えられます。どんな親でも子供のことは心配するものなので、「先の対策まで考えているよ」と意思表示をするだけでも親への負担は大きく減らせます。また、親への協力願いを最終手段にしないことで、自分自身の余裕も生まれます。
そのため、親に返済できる経済力があり、協力してもらえそうな場合のみ打ち明け、わからない場合は次のアクションまで決めておきましょう。
旦那に打ち明ける
旦那(夫)に打ち明ける際は、返済計画を立ててから話すようにしましょう。また、子供の前で話を切り出すのはやめておいた方が良いです。子供を巻き添えにしてしまうと、子供自身が不安な気持ちになったり、余計な心配をかけてしまいます。親からすれば子供へ影響がいくのは1番避けたいところではないでしょうか。
タイミングとしては、平日がベストです。のんびりしたい休みの日に借金の話を持ち出されると、「せっかくの休日が台無しだ…」と思われてしまうからです。
ただし、仕事などが忙しい時に話すのもNGなので、事前にコミュニケーションを取ることで様子を伺っておきましょう。
1番良いのは、旦那が帰宅するまでにLINEなどで一報を入れておき、夜に子供が寝た後などに話す方法です。一報を入れることで、いきなり本題に入るよりも心構えができる分、冷静に話し合いができます。
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嫁(妻)に打ち明ける
嫁(妻)に打ち明ける際は、2人きりのタイミングで話すことが重要です。嫁(妻)としては、1番避けたいのは子供に迷惑をかけてしまうことではないでしょうか。
そのため、子供の耳に入らないように、2人きりの時間を作ります。その際、急に借金の話を出すのではなく、前もってLINEなどで「大事な話がある」などと伝えておくことと良いでしょう。
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彼氏に打ち明ける
彼氏に打ち明ける際、付き合ってまもない時は避けましょう。なぜなら、付き合い始めは、些細なことでお互いの信頼関係にヒビが入りやすいからです。初めに信頼関係が崩れると、その後もずっと引きずることになります。
また、結婚を考え始めだした時も借金について話すのは避けましょう。2人だけの問題ではとどまらず、お互いの家族も巻き添えにする可能性があります。男性からすると借金がある彼女と結婚するということは、自分も同じ責任を背負わないといけないと考えます。
そのため、付き合ってから最低3ヶ月は時間を空け、結婚前は避けた方が良いです。
彼女に打ち明ける
彼女に打ち明ける際は、お互いの信頼関係が安定している時にしましょう。
反対に、2人の関係が不安定な時やプロポーズ前などは絶対に避けましょう。
女性はお金の面でだらしない男性=将来性がない、と判断します。また、だらしない男性と思われないようにするには、返済計画について明確に説明することが重要です。返済計画について説明することで、「この人は問題解決能力があるんだな」と思ってもらえるからです。
借金を打ち明ける前にやるべきこと
借金を打ち明ける前には、必ずやるべきことがあります。この準備を怠ると、せっかく心を決めて話しても逆効果になり、関係性が悪化してしまう可能性もあります。
反対に、以下の3つのことを踏まえておくと、相手との冷静な話し合いが見込めます。
- 相手の立場になる
- 返済計画を立てる
- なぜ今話すのかを明確にする
相手の立場になる
まず最重要なのが、相手の立場になって考えることです。お金の問題は相手の人生にも大きく影響します。
突然借金を打ち明けられると、かなりのショックと不安を抱えることになると認識しておきましょう。また、話をきちんと聞いてもらうためには、相手に寄り添った言葉を選ぶことです。
例えば、「〇〇(相手)は裏切られた気持ちになると思う、ただ〜…」と先に相手の気持ちを代弁してあげるだけでも効果があります。
そのため、まずは「どう説明しようか」ではなく、「相手はどう思うだろうか」を考えてみましょう。
- 相手側の気持ちを予想する
- その上であえて代弁してあげる
返済計画を立てる
次に重要なのが、返済計画を明確に立てることです。
ただ単に「借金がある…」と告白するでは、相手は混乱してしまいます。借金を打ち明けられた時に、問題が解決済みか否かで相手の心理状況も大きく変わってきます。
具体的には、月にいくら返済すれば問題なく生活でき、いつ完済できるのかをノートや紙に書き出します。可能であれば、わかりやすく計画表などにするといいでしょう。ノートなどを使って返済計画を話すことで、口頭で説明されるよりも安心感を与えられます。
- 問題の解決策を作る
- ノートを用いて具体的な計画を説明する
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話す理由を明確にする
最後に、なぜ今のタイミングで話すのかを明確にすることです。
基本的に、借金を打ち明ける理由は「黙っている罪悪感から」もしくは「返済に協力してほしいから」です。
しかし、借金に追い込まれると判断力が低下してしまい「相談」の形で話す人がいます。すると、相手が解決策を考えないといけない状態になり、投げやりに話を持ちかけられたと考えてしまいます。そうではなく、打ち明ける際は「協力してほしい」などとはっきり伝えましょう。
- 相手に解決を委ねない
- 解決策の主張を持って打ち明ける
借金を上手く打ち明ける4つのポイント
借金を上手く打ち明けるには、以下の4つのポイントを意識するのが重要です。
- 全て自分の責任だと伝える
- 借金をした理由を話す
- 黙っていた理由を話す
- 返済計画について話す
4つのポイントを意識することで、必要以上のストレスを感じることなく話を聞けます。話の内容も納得しやすくなり、協力をお願いする場面でも役立つのでぜひ試してみてください。
全て自分の責任だと伝える
借金をした理由が何であれ、「全ては自分の責任だ」というスタンスを貫きましょう。そうすると、相手を無駄に刺激することなく、より円滑に話を進められるからです。
例えば、「借金をしたのは自分だけど原因は他にある」と伝えたとします。すると、相手は「だったらなぜ相談してくれなかったのか」「私(相手)のせいにするのか」と問い詰めてくるでしょう。これでは、根本的な解決に至るまで、お互いに余計なストレスと時間がかかります。
そのため、例え理由が他にあっても、責任は自分にあると貫き通しましょう。そうすることで、相手によっては反省している姿勢を見て必要以上に責めなくなり、より冷静に話し合いができます。
借金をした理由を話す
借金をしなければいけなかった理由を話しましょう。
なぜなら、借金を打ち明けると相手はその理由を気にするからです。ただ、ここでは借金理由をあえて正直に話す必要はありません。
例えば、借金に多いパターンとして、「初めは生活費が足りなくて仕方なく借金したけど、手軽さからつい浪費してしまった」といったものがあります。この場合だと、借金理由として話すのは、初めの生活費の部分だけで良く、あえて話す必要はありません。本当に浪費したことを本当に反省しているのであれば、今後の返済に対する姿勢を見せるだけで十分です。ただし、明細を見れば借金額はわかるので、明らかな嘘などは控えましょう。
そのため、借金をした理由をきちんと答えられるようにしておきましょう。
黙っていた理由を話す
今まで借金のことを黙っていた理由を話しましょう。その際、借金を黙っていたのは、「迷惑をかけることを恐れていたから」「不安な思いにさせたくなかった」とストレートに表現することがポイントです。
なぜなら、借金をした上で適当な言い訳をされると、相手との解決には発展しないからです。
例えば、「話すと面倒事になると思ったから」と伝えたとしましょう。本人は「迷惑をかけたくない」という思いだったとしても、相手からすれば自分勝手な判断だと思われる可能性があります。
困らそうと思って借金を黙っている人なんていません。相手を大切に思う気持ちから黙ってしまっていたのでしょう。
そのため、変な理由をつけたりせず、正直に話すことが重要です。
返済計画について話す
返済計画について話しましょう。いくら借金や黙っていた理由に納得できても、返済計画を立てていなければ相手の不安や困惑は無くなりません。
反対に、返済計画をしっかりと組んでいれば、離婚や別れに発展する可能性も小さくできます。
返済計画を説明する時は、具体的に説明することが重要です。
例えば、残金・月々の返済額・完済予定日などは前もって計算しておきます。相手に返済の協力を求める場合も、月々の返済額と自分が返済できる上限額を伝えた上で、「月に〇〇円がどうしても足りないから協力してほしい」とお願いしましょう。
また、協力してもらえそうにない場合は、債務整理で借金を減額するところまでを計画しておけば相手頼りにならないため、心にも余裕が生まれるでしょう。
そのため、返済計画は上手くいかない事態を想定して立てることが重要です。
借金を打ち明けない方が良い人
タイミングと事前準備さえしていれば、全ての人が借金を打ち明けても良いとは限りません。状況によっては、関係が悪化するだけで問題解決に繋がらない場合もあります。
特に、下記のような人は借金を打ち明けない方が良いでしょう。
- 相手の協力が見込めない人
- プロポーズ(結婚)を控えている人
- 付き合ってまもない人
ただし、借金を打ち明けて関係が悪化するかどうかは時と場合によります。相手との関係性によっても結果は大きく変わります。そのため、あくまでも判断する際の参考程度にポイントを抑えておきましょう。
相手の協力が見込めない人
借金を打ち明けるということは、「返済に協力してほしいから」と思う人が多いです。しかし、打ち明ける相手(特に親)に返済する経済力がない場合、話しても逆効果になる可能性があります。
返済できる経済力がないのにお願いをしてしまうと、相手に心に大きな負担を背負わせてしまうことになります。私自身の経験でも、親子関係のお金の問題は大きな悩みの原因になります。
そのため、明らかに協力してもらえる見込みがない場合は、無理に打ち明ける必要はありません。話してみないとわからない人は、協力を断られた時にどうすれば良いか、先の行動プランまで計画しておきましょう。
プロポーズ(結婚)を控えている人
プロポーズをしようと考えている人や、結婚を控えている人は、無理に打ち明けるべきではありません。
なぜなら、打ち明けることで別れを告げられる恐れがあるからです。中には、お金の自己管理ができない人は将来性がないと判断する人もいます。また、結婚前は未来に向けてお互いの信頼関係が良い方向に向いています。そうしたタイミングで借金の話を切り出されると、一気に関係性が悪化する可能性があります。
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付き合ってまもない人
付き合ってまもないタイミングも、借金を打ち明けるべきではありません。
付き合い始めは、信頼関係が崩れやすいからです。一度崩れた信頼を取り戻すのには長い時間がかかります。
返済目処が立たない場合
自分1人の力では返済目処が立たず、周囲の協力も見込めない場合は、債務整理を視野に入れましょう。
1人で抱えられる借金額には限界があります。加えて、家族や恋人に助けを求められる人も限られています。そのため、現時点で返済目処が立っていない人は、債務整理を活用することをおすすめします。債務整理を上手く活用できれば、最低限の生活を確保することができます。
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債務整理とは
債務整理とは、借金を減額または免除できる仕組みのことです。ただし、債務整理はメリットだけではなく、借金がなくなる代わりに財産を失ったりするデメリットもあります。
債務整理には大きく分けて3種類あります。
種類 | 制度内容 |
---|---|
任意整理 | 弁護士や司法書士が債権者に直接交渉をする手続き。将来の利息を無くすことで、毎月の支払いを減額できる |
自己破産 | 破産手続により債務者の財産を処分し、債権者へ公平に配当すること |
個人再生 | 裁判手続により、債務の減額や長期の分割払いへ変更すること |
任意整理のメリット
任意整理のメリットは以下の3つです。
- 月々の返済を減額できる
- 法的な制限が少ない
- 利用のハードルが低い
任意整理のメリットは、利息のカットや、長期の支払いに応じてもらうことで月々の返済を減額できます。返済が続くことに変わりはありませんが、最低限の生活を担保されることは大きな利点だと言えます。
次に、法律上の制限が少ないです。例えば、自己破産や個人再生のように、財産の没収や仕事の制限がありません。また、裁判手続きではないため、他の2つよりも着手しやすいです。
任意整理のデメリット
任意整理のデメリットは、以下の4つです。
- ブラックリストに登録される
- 安定収入が必須
- 債権者が認めない場合がある
- 利息の全額免除は難しい
任意整理は、完済後5年間はブラックリストに登録されます。また、利息が減額されても毎月返済していくことが条件のため、一定以上の安定収入が必要になります。さらに、任意整理は法的な効力は持たないため、債権者の合意が必要です。
まれに任意整理に応じない債権者もいるため、事前に確認しておきましょう。また、現在は過払い金の対象になることが少なくなっているため、利息の減額は難しいです。
自己破産のメリット
自己破産の主なメリットは以下の3つです。
- 免責により返済義務がなくなる
- 給料差し押さえなどの強制執行が止まる
- 取り立てや訴訟提起が止まる
破産手続により、処分された財産が債務を帳消しにできます。それでも支払いきれなかった債務は免責手続を同時並行で行い、裁判所によって許可されると全ての支払義務を免除できます。
次に、破産手続が開始されると、給料の差し押さえなどの強制執行は停止または取り消しになります。さらに、債権者による全ての取り立てと訴訟の提起も中断されます。
自己破産のデメリット
自己破産の主なデメリットは以下の4つです。
- ブラックリストに10年間登録される
- 一部の資格の利用が制限される
- 郵便物が転送されてチェックされる
- 保証人に支払いが請求される
破産手続中は、簿記や秘書検定などの資格の利用が制限されるため、資格を利用した仕事はできなくなります。また、破産管財人によって、郵便物の確認も行われます。
最後に、保証人に支払いが請求されます。仮に連帯保証人がいる場合、多大な迷惑をかけてしまうため、大きなデメリットだと言えるでしょう。
個人再生のメリット
個人再生のメリットは以下の5つです。
- 大幅に債務を減額し、長期分割払いにできる
- 取り立てや督促が停止される
- 給料差し押さえなどの強制執行が止まる
- 債権者への法的強制力がある
- 財産処分や資格制限が不要
個人再生は条件が厳しい分、メリットは格段に大きいです。
例えば、任意整理とは異なり、法的な強制力によって債権者は従わざるを得なくなります。また、自己破産とも異なり、財産処分や資格を利用した仕事に対する制限もありません。
個人再生のデメリット
個人再生のデメリットは以下の4つです。
- ブラックリストに5年間ほど登録される
- 利用の要件が厳しい
- 返済を継続しなければいけない
- 自ら複雑な手続をしなければいけない
個人再生は、利用の要件が非常に厳しいです。
例えば、安定的な収入や債務額が5,000万円以下であることなどが挙げられます。自己破産とは異なり、返済は継続します。代わりに大幅な減額が見込めるので、負担は大きく減るでしょう。
また、個人再生は複雑な手続を債務者自身が進めていく必要があります。ただし、代理人弁護士に依頼をすると代わりに手続を進めてもらうことができます。
借金は打ち明ける前に適切な判断が必要
借金は打ち明ける前に、適切な判断をすることが必要です。なぜなら、タイミングや打ち明け方次第で、良い結果にも悪い結果にもなるからです。
例えば、付き合ってすぐのカップルやお互いに結婚を検討している前は、借金の話を出すことで今まで築いてきた関係性が悪化する場合もあります。もちろん、全てにおいて当てはまるわけではありません。
しかし、正直に打ち明けることが問題解決に繋がるとは限らないと認識しておきましょう。また、返済への協力を目的に借金の話を切り出そうとしているのであれば、相手に返済できるだけの経済力があるかどうかを事前に見極めることが必要です。
借金の話をする前には、タイミング・返済計画・上手く打ち明けるポイントなどを改めて確認してみましょう。
周囲の人の協力を借りられず、借金の返済目処が立たない人は債務整理を検討してみましょう。債務整理は、国が定めた法律によって、債務者の負担を減らし、最低限の生活を確保できる方法です。債務整理などの制度を用いれば、借金問題は必ず解決できます。借金問題は弁護士などに相談することで、心の負担が大きく減ります。