借金

結局、借金問題は誰に相談すればいいのか?結論が弁護士である理由

借金問題は弁護士に依頼することで法的に解決することが可能なことを知っていますか。

「借金問題で精神的に追い詰められている」、「貸金業者からの取り立てが厳しくなってきた」、「夜逃げをしたくなってきた」といった状況は、弁護士に相談するタイミングです。

また、借金問題で頼れる家族や友人がいない人も、弁護士に相談するのが得策です。

弁護士に相談するべき借金問題について、法的な解決の方法や報酬の支払いなどに関して解説していきます。

弁護士に借金問題を相談するべき理由

借金の負担や返済額が軽くなる可能性がある

弁護士に借金問題を相談すると、プロの視点から法律に沿ったアドバイスをもらうことができます。

また、弁護士から借金問題の解決方法の提示を受けて実行に移すと、借金が減額されたり、返済の負担が軽減したりする可能性があります。

たとえば、弁護士に相談した結果、取引履歴をもとに利息制限法の規定を超える利息がついていて、利息を払い過ぎていることが判明した場合は、過払い金請求をすることが可能です。

過払い金を元金に充当することで、借金が減額されたり、なくなったりします。あるいは、弁護士に依頼して債務整理を行うことで、合法的に借金の返済の減額や免除を受けるといった方法もあります。

こうした借金問題の解決方法の中で、どの手段が向いているかはケースバイケースです。適切な手段を選択しなければ、債務整理に失敗することも起こり得ます。

弁護士に相談することで、借金の額や相談者の状況に応じて、最適な手段の提案を受けられるというメリットがあります。さらに、法律上の手続きもすべて弁護士に依頼することが可能です。

借金の精神的な不安から解放される

弁護士に借金問題を相談することによって、精神的に楽になるということも、相談をおすすめする理由です。

借金問題は友人や職場の同僚に相談するのはハードルが高く、家族にも相談しにくいデリケートな問題です。そのため、借金問題を抱えていることで経済的な負担が大きいだけではなく、精神的にも追い詰められていくケースが少なくありません。

そこで、第三者であり、法律のプロである弁護士に相談することで、借金問題解決の糸口が見えてくれば、精神的なプレッシャーが軽減されることが期待できます。また、弁護士には守秘義務があるため、借金に関して相談したことを周囲に知られる心配は無用です。

あるいは弁護士に相談すると、「借金が膨らんでいることに対して叱責を受けるのでは?」と心配になるかもしれません。

しかし、弁護士は日々様々な相談や依頼を受けています。また、借金問題に取り組んでいる弁護士は、一般的に生活の苦しさから借金を重ねてしまう状況を理解していることからも、相談者に説教をすることは考えにくいです。

弁護士に相談した方がいい借金問題とは

借金の返済が厳しく、このままでは生活が立ち行かなかったり、完済できる見込みがなかったりするケースでは、状況がさらに悪化する前に弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士に相談することによって、債務整理などの解決策による対処ができるケースもあります。借金問題の解決策の種類や弁護士への紹介事例をみていきましょう。

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借金問題の種類

借金の減額や支払い猶予、免除を受けて借金問題を解決する債務整理には、3つの方法があります。

任意整理

任意整理とは裁判所を通さず弁護士などが貸金業者と交渉を行い、将来の利息と遅延損害金の支払いを免除してもらうことで、毎月の返済の負担を軽減する方法です。

3~5年程度に返済期間を延長して、長期の分割返済とするケースもあります。

個人再生

個人再生とは民事再生法にもとづいて、借金の返済が困難なケースで裁判所の許可を得て借金を減額してもらい、原則として3年、特別な事情があるときは最長5年で返済していく方法です。

個人再生を利用するには、継続的収入があることと住宅ローンを除く借金が5,000万円以下であることが条件です。

個人再生では最大で借金を10分の1に減らすことができます。また、住宅ローンを返済しながらほかの借金の減額を受けて返済していくことが可能です。個人再生を行うと官報に氏名が記載されます。

自己破産

自己破産とは、裁判所に税金を除くすべての債務の免除を認めてもらう手続きです。

時価20万円以上の財産は換金されて債権者への支払いに充てられるため、自宅を残すことはできません。客観的に支払い不能の状態であることが自己破産の条件になります。自己破産も官報に氏名が記載されます。

借金問題の事例

実際にどのようなケースで弁護士に借金問題を相談しているのか、よくある事例を挙げていきます。

事例1:クレジットカードのリボ払いで残債が高額に

毎月趣味のものなどのショッピングをカード払いでしていました。

店頭では1回払いと伝えていて、公共料金の支払いなどにも利用していたため、毎月の支払いが一定額ではなかったことから1回払いになっていると思い込んでいました。

しかし、カードが使用停止となったため、利用限度額をクレジットカード会社に問い合わせたところ、ショッピングでの利用は自動的にリボ払いになる設定となっていたことが発覚。気づいたときには残債が高額になっていました。返済が困難な状況となり、カード会社からの請求を無視していたところ、訴訟を起こされる事態となってしまいました。

事例2:生活費が足りずに複数の消費者金融から借金を重ね返済が困難に

営業職として転職したところ、歩合給の割合が大きく、思ったような実績を上げられなかったため、年収が大きくダウンしました。

しかし、家族もいるため、生活に対するコストを大きく下げることはできず、毎月足りない分の生活費を消費者金融で借りるようになりました。

やがて、生活費を確保しつつ借金を返すために新たに別の会社から借入をするようになり、複数の消費者金融からの借金を抱えている状況です。任意整理や個人再生、自己破産のうち、どの方法をとるべきなのか教えてください。

借金問題の相談先

借金問題の主な相談先には、公的な機関の国民生活センターと法テラス、弁護士があります。国民生活センターは誰でも無料で相談ができますが、法テラスの無料相談の利用には条件が設けられています。

一方で弁護士事務所によっては無料で相談することが可能です。相談への対応の違いも踏まえたうえで、相談先を検討しましょう。

国民生活センター

国民生活センターは消費者基本法にもとづいて、全国の消費者生活センターなどと連携して消費者問題に対応する中核機関です。

国民生活センターは全国の消費者生活センターへの支援や消費者への注意喚起、行政機関や事業者団体への情報提供などを行う機能を担っています。

国民生活センターでは来訪や文書による相談は受け付けておらず、消費生活センターが昼休みとなるお昼の時間帯のみ、電話相談を受け付けていましたが、2020年8月現在受付が停止されています。

消費者からの相談を受け付けているのは、基本的に全国の消費者生活センターです。

「消費者ホットライン(188)」で相談を受け付けているほか、窓口での相談もできます。また、土日祝日の10時~16時の間に、都道府県や市区町村の消費者生活センターが開いていない場合は、「消費者ホットライン(188)」で国民生活センターが相談に対応しています。

消費費者生活センターでは、消費者問題に関する幅広い相談を無料で受け付けていて、多重債務トラブルの相談を行うことも可能です。

消費者生活センターでは、多重債務トラブルの相談を受けると、相談内容に応じて、弁護士や司法書士などの専門機関の紹介や予約を行っています。

全国の消費者生活センターと国民生活センターを結ぶ、苦情相談を収集するシステム「PIO-NET」に登録された多重債務の相談件数は、2019年度で2万3,521件となっています。

法テラス

法テラスは総合法律支援法にもとづいて設立された法務省所管による公的な法人で、正式名称は日本司法支援センターといいます。

身近に相談できる専門家がいない、経済的な理由で弁護士に相談するのが難しいといった課題に対処し、国民が様々な法的にトラブルを解決するための情報やサービスの提供を行っている機関です。

法テラスでは無料の法律問題を行っていて、借金問題の相談もできますが、日本に住所がない人や在留資格のない外国人は対象外となるほか、2つの条件があります。

1つは資力基準によるもので、収入や資産が一定以下の人に限られます。2つ目は民事法律扶助という目的に即していることで、報復感情を満たすことや宣伝を目的とした利用はできません。

また、さらにこの2つの条件に加えて、勝訴の見込みがないとはいえないという条件を満たす場合には、弁護士や司法書士費用などの立替制度を利用することが可能です。和解や調停、示談などによって解決が見込まれるケースや自己破産が認められる見込みがあるケースも対象に含まれます。

無料の法律相談は1回30分で3回までの利用となります。

弁護士

弁護士に借金問題を相談すると、過払い金請求のほか、任意整理や個人再生、自己破産といった債務整理による解決の検討が行われます。

また、相談後に弁護士に借金問題への対処を依頼した場合には、貸金業者からの督促がストップするというメリットがあります。

貸金業者は弁護士から通知を受けると、正当な理由がなく借金の返済を要求することをはじめ、電話やファックス、電報などで連絡をとることや訪問を行うことが禁止されていることによるものです。

そのため、借金問題の解決に向けて具体的に行動を起こしたい場合には、直接、弁護士へ相談を行うのが向いています。

とはいえ、弁護士に相談するとなると費用面が心配になるかもしれません。

弁護士に相談や債務整理の依頼を行うと、相談料や着手金、成功報酬などの費用がかかることが一般的です。

しかし、借金問題を取り扱う弁護士事務所の中には、相談料を無料としているところもあるため、まずは相談してみましょう。

任意整理の弁護士依頼でかかる費用

任意整理を行うための費用として弁護士への報酬が発生します。

しかし、借金返済に追われていて手持ちのお金がないからといって、あきらめる必要はありません。弁護士費用がすぐに用意できなくても、対処する方法があります。

任意整理の費用相場

弁護士に任意整理を依頼した場合の報酬の費用相場は、着手金として貸金業者1社あたり3~5万円、成功報酬として減額できた金額の10%~20%が目安です。

弁護士は貸金業者1社ごとに交渉を行っていくため、借入先が多いほど着手金が必要になります。

たとえば、2社から200万円を借りていて、140万円まで減額できたケースでは、報酬は12万円~22万円が目安です。

弁護士に個人再生や自己破産を依頼した場合には、弁護士への報酬に加えて、裁判所費用も発生します。最低でも個人再生は50万円以上、自己破産は30万円以上かかります。

借入先の貸金業者の件数や借金の減額幅にもよりますが、債務整理の中では任意整理が最も費用がかからない傾向があります。

すぐに弁護士費用を準備できない場合の対処法

すぐに任意整理の弁護士費用を用意できない場合も、無理なく支払う方法はあります。

一時的に返済を止めた分の費用を充てる方法や法テラスを利用する方法、弁護士事務所に分割払いで支払いを行うといった方法が挙げられます。

多くの人がとる手段は、一時的に返済を止めた分の費用を充てる方法です。

弁護士に任意整理を依頼して、弁護士から貸金業者へ通知がいくと、借金の返済の督促がストップします。そこで、手続きが終わるまでの3ヵ月程度の期間は、これまで月々返済していたお金を弁護士への支払いに充てることが可能です。

また、法テラスでは、資産や収入が一定水準の人は無料の法律相談が利用できるだけではなく、裁判による勝訴や和解、調停、示談などによる解決、自己破産の免責の見込みがある場合は、弁護士費用の立替制度を利用することが可能です。

返済は契約の2ヵ月後から始まりますが、生活保護を受けている場合は、立替金の全額または一部が免除されるケースもあります。

それから、借金問題を取り扱う弁護士事務所の多くは、報酬の分割払いに対応しています。任意整理の場合で36回払いまで分割できるケースが一般的ですので相談してみましょう。

まとめ

借金問題は素人判断で判断して解決しようとするのは危険な行為です。

既に借金が大きく膨らんでしまっている人は公的機関に相談してみるのが先決です。任意整理などの交渉を自分でやるのは難しいものがあり、債務整理は自分でやろうとすると、失敗してしまうリスクがあります。

弁護士は法的に借金の減額や免除をするサポートが可能です。自力での解決を目指さず、法律の専門知識や借金問題のノウハウがある弁護士に相談しましょう。