借金を滞納しているにもかかわらず、金融機関からの電話や通知を無視していたら、ある日特別送達や裁判所と書かれた封筒が届くことがあります。
嫌な予感がしながらも、おそるおそる通知を開封すると、物々しい文章で支払い期限が定められていたり、訴訟について書いてあったり。
とはいえ支払いがどうしてもできない状況だと、どうしていいかわからないのではないでしょうか。
そこでこの記事では、
- 借金を滞納して差し押さえになるまでの流れ
- 裁判所から通知が来たらどうすればいいのか?
- 借金を減らすために有効な債務整理の方法
などなど、裁判所から通知が来たときにどうすればいいのか解説します。
この記事を読めば、裁判所から通知が来ても、どのような手段を取ればよいのかわかるようになり、滞納している借金を返済できる可能性も高くなります。
借金を滞納したらどうなる?差し押さえまでの流れを解説!
借金を返済できずに滞納し続けた場合、債権者の判断により最終的には裁判所から差し押さえをされてしまいます。
借金の滞納から差し押さえまでは以下のように進んでいきます。
- 金融機関などの債権者から督促の電話がかかってくる
- 金融機関などの債権者から督促状が定期的に届き続ける
- 金融機関などの債権者から内容証明郵便が届く
- 裁判を起こされる
- 判決確定後、差し押さえをされる
1.返済に遅れると金融機関などの債権者から督促の電話がかかってくるようになる
借金の返済に遅れて、電話などで連絡をしなかった場合、返済日の翌日〜数日後に金融機関などの債権者から督促の電話がひっきりなしにかかるようになります。
ただ、この時点では、まだ金融機関などの債権者からの督促も厳しくないので、いつまでに返済できるのか説明をすれば、大きな問題にはなりません。状況を説明すれば猶予をしてくれる場合もあります。
しかし、金融機関などの債権者からかかってくる電話に出なかったり、返済の約束をしたにもかかわらず破った場合、事態はさらに悪化します。
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2.金融機関などの債権者から督促状が届く
金融機関などの債権者からの督促の電話を無視し続けると、おおむね1週間〜1か月以内に、自宅に金融機関などの債権者からの督促状が届きます。
督促状には、以下の内容が記載されています。
- 払っていない金額と利息
- 遅延損害金の合計額
- 返済期日
支払いに1日でも遅れた場合、遅延損害金も請求されます。支払いが遅れれば、その分最終的に返済しなければならない借金が増えていくので注意が必要です。最初は滞納分のみですが、最終的には一括請求に切り替わる場合もあります。
督促状にあるように、きちんと借金の返済をすれば、おおごとにはなりません。
ただし、督促状が届いたにもかかわらず、無視をした場合、金融機関はさらに強い法的措置を取ります。
3.借金滞納から2〜3か月で内容証明郵便が届く
借金を滞納して2〜3か月が経過する頃には、金融機関などの債権者から内容証明郵便が送られてきます。内容証明郵便を送られてきたら、金融機関などの債権者は裁判を起こすことを検討している可能性が高いです。いわば最後通知です。
内容証明郵便には、
- 滞納している借金の金額と利息
- 遅延損害金の合計額
- 滞納している借金を一括で支払うことを請求する旨
が記載されています。
そのため、送られてきた内容証明を無視した場合、ほぼ裁判に発展すると考えて間違いありません。
4.金融機関から裁判を起こされる
内容証明を無視すると、裁判所から特別送達と書かれた封筒が送られてきます。送られてくる書類は、訴状か支払督促のどちらかです。
どちらの書類が届いた場合も、絶対に無視をしてはなりません。無視をすると、裁判を起こした金融機関などの債権者の主張が全面的に認められてしまいます。
そのため、裁判所から届いた書類を無視すると大変なことになります。
5.判決が確定し、財産を差し押さえられる
裁判所からの書類を無視すると、遅くとも1か月以内には裁判所からの差し押さえ命令が行われます。
その結果、給料や車・自宅などが差し押さえられてしまうのです。借金の返済ができずに困っていたとしても、差し押さえという事態は避けなければなりません。
なるべく裁判所から書類が届いたタイミングで手を打つ必要があります。
裁判所から書類が届いたら、どんな書類か確認するべき
この記事を読んでいる方のなかには、金融機関などの債権者からの督促を無視をした結果、急に裁判所から書類が届いて焦っている方もいるかもしれません。
裁判所から通知が送られてきたときに、まずやるべきことは送られてきた書類を確認することです。
裁判所から送られてくる書類は、訴状か支払督促のいずれかです。
訴状が送られてきたら借金をしている金融機関と話し合いをする
裁判所から送られてきた書類が訴状の場合、すでに裁判を起こされているため、裁判所で行われる口頭弁論に出席して、金融機関などの債権者と話し合いをする必要があります。
そして、口頭弁論当日までに答弁書を作成して裁判所に提出しなければなりません。
(引用元:裁判所ホームページ)
答弁書には、
- 訴状で届いた内容に間違いがないか
- 借金をした方の言い分
- どのような解決方法を希望するか
を記載します。
もし、訴状を無視した場合や口頭弁論に出席しなかった場合は、金融機関などの債権者の主張が全面的に認められるため、差し押さえの手続きが進みます。
支払督促が送られてきたら2週間以内に異議申し立てを行う
裁判所から送られてきた書類が支払督促の場合は、まだ裁判は起こされていません。
しかし、支払督促は金融機関などの債権者が裁判所に対して、差し押さえをして欲しいと申し立てた場合に送られてくる書類です。
そのため、支払督促が送られてきたら2週間以内に異議申し立てをする必要があります。
(引用元:裁判所ホームページ)
もし、異議申し立てをしなかった場合、金融機関の主張が認められます。そして、裁判所から仮執行宣言がされ、差し押さえが執行されるのです。
訴状と支払督促支払い申立書の違いは2つあります。
訴状 | 支払督促 | |
---|---|---|
裁判 | すでに起こされている | まだ起こされていない |
金融機関などの債権者の主張が通るタイミング | 口頭弁論終了後 | 2週間の間に異議申立書を提出しないだけで認められる |
訴状が届いた場合、口頭弁論を行わなければ金融機関などの債権者の主張は通りません。しかし、支払督促は異議申し立てをしなければ、すぐに金融機関などの債権者の主張が通ります。
つまり、訴状よりも支払督促の方が、差し押さえまで早く手続きが進むのです。
裁判所からの訴状や支払督促を無視すると、差し押さえをされる
裁判所からの訴状や支払督促も無視した場合、差し押さえをされます。では、差し押さえをされるとどのような状況になるのでしょうか?
訴状や支払督促を無視し続けると裁判所からの命令で差押えをされる
訴状や支払督促を無視し続けると「借金を一括で支払え」という金融機関などの債権者の主張が全面的に認められます。
さらに、裁判所から判決書や仮執行付支払督促が届き、差し押さえ命令と呼ばれる書類も届きます。
給料が差し押さえられることで、会社にも借金を滞納していたことがばれる
差し押さえをされる場合、その対象になるのは給料です。給料については、民事執行法第百五十二条二項にもある通り、原則手取り額の4分の1までが差し押さえ対象です。
民事執行法第百五十二条 次に掲げる債権については、その支払期に受けるべき給付の四分の三に相当する部分(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは、政令で定める額に相当する部分)は、差し押さえてはならない。
二項 給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権
(データ引用元:民事執行法第百五十二条および二項|e-Gov)
ただし、給与の4分の1が33万円を超える場合は、33万円を超えるすべての金額が差し押さえの対象になるので注意が必要です。
さらに、裁判所は、給料の差し押さえが行われる前に差し押さえ通知書を勤務先の会社に送ります。その結果、会社の社長や従業員にも借金をしていることがばれてしまいます。
車や現金など財産が差し押さえの対象です。
差し押さえの対象は給料だけに留まりません。以下のような財産も差し押さえの対象に含まれます。
- 銀行口座の預金
- 自宅
- 車など
優先的に、差し押さえの対象になるのは、給料と銀行に預けているお金です。一方で、自宅や車などを金融機関に差し押さえられるケースは多くありません。なぜなら、自宅などの不動産や車は、現金よりも売却する手間とコストがかかるから。
そのため、給料と預金を足しても借金を全額返済できない場合に、差し押さえの対象になることがあります。
家族が所有するものは差し押さえの対象外
差し押さえと聞くと、何から何まで持っていかれるイメージがありますが、差し押さえできないものもあります。たとえば、家族が所有するものや家族名義の銀行預金は対象外です。
また、民事執行法第131条では、差し押さえできないものが決められており、以下のようなものは差し押さえの対象外です。
- 差し押さえをした後に入金されたお金
- 家にある家電や家具
- 衣類
- 標準世帯の2か月分の必要生計費を勘案して政令で定めた金額
- 約1か月の食料や調理器具
このように生活に必要なものまで差し押さえになることはありません。
ただ、差し押さえが執行されれば、勤務先や家族だけでなく、近所の方にもばれるため、これまで通りの生活をすることが難しくなるでしょう。
借金の返済ができる状況でなくとも、差し押さえをされないように手を打つ必要があります。
また借金をした場合の差し押さえについては借金差し押さえの記事でも詳しく解説していまるので、ぜひ読んでみて下さい。
借金の時効まで待てば借金を帳消しにはできないのか?
実は借金を滞納しても借金を帳消しにできるケースもあります。
消滅時効の援用にあてはまるケースであれば、裁判所から訴状や支払督促が届いても、借金を返済する必要がないのです。
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金融機関からの借金なら5年経過で支払わなくて良い
まず、借金の時効は消費者金融やクレジットカード会社などから借り入れた場合は、5年間と決められています。
第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
(データ引用元:民法第百六十六条一項|e-Gov)
そして、以下の条件を満たせば、消滅時効の援用が認められます。
- 最後の返済から5年以上経過している
- 裁判を起こされていない
- 借金があることを承認していない
条件を満たしていれば、裁判所から訴状や支払督促が届いても、時効援用により借金を返済する必要がないと主張することで、借金の支払いをしなくても良いのです。
なお、時効援用を主張する場合は、訴状と支払督促で主張するタイミングが違います。
訴状の場合 | 同封されている答弁書で消滅時効を援用すると主張 |
---|---|
支払督促の場合 | 書面が来て2週間以内に異議申し立てをする。異議申立書の中で消滅時効を援用すると主張する |
消滅時効援用の主張が認められれば、相手方が裁判を取り下げてきます。そして、消滅時効援用の内容証明郵便を送るか、債務不存在の証明をもらいます。
時効前に裁判を起こされて時効援用にならないケースがほとんど
現実問題、時効援用を狙おうとしても、なかなかうまくいかないケースがほとんどです。というのも、時効があることは、多くの金融機関も知っているから。
実際に、5年近く督促や取り立てがなかったのに、時効ぎりぎりになって訴状や支払督促を行う金融機関などの債権者も多いです。
また、時効援用条件のうち、相手方への借金があることを承認していないという条件には注意が必要です。
たとえば、金融機関などの債権者から借金の支払いを命じられたときに、以下のように対応を間違えると、借金があることを承認することになってしまいます。
- 借金の一部を支払った
- 今後借金を支払う念書を書いた
- 借金の返済を猶予してもらえるように交渉した
特に、金融機関などの債権者から返済の電話がかかってきたときに「来月には支払うので待っていただけませんか?」「今お金を返すために準備をしているので・・・」と発言すれば、消滅時効の援用が使えなくなります。
このように裁判所から訴状や支払督促の通知が届いても、金融機関などの債権者に焦って電話をかけてしまうと借金が時効を迎えていても、返済することになりかねません。
困ったときは、金融機関などの債権者に相談するのではなく、弁護士や司法書士に相談すべきです。
裁判所から通知が来たら債務整理をするべき3つの理由
裁判所から通知が来たけど、借金返済ができそうにない場合は、債務整理をするべきです。債務整理をするべき理由は3つあります。
- 借金の減額や利息の支払いを止められる
- 督促や取り立てが止まる
- 新たな気持ちでリスタートできる
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借金の減額や利息の支払いを止められる
債務整理をすると、借金の減額をしたり利息の支払いを止めたりできます。
過払い金請求 | 利息制限法を超える年利で借金をしていた場合に支払いすぎた借金を取り戻せる |
---|---|
任意整理 | ・借金の利息の免除 ・将来発生する利息の免除 ・遅延損害金の免除 ・月々の返済額を減らす |
特定調停 | ・利息制限法を超える年利で借金をしていた場合は借金が減額される可能性がある ・借金を無理のない金額で分割払いできる |
個人再生 | 借金額を5分の1〜10分の1前後減らせる |
自己破産 | 借金をすべて帳消しにできる |
そのため、借金を返済したいけど、借金が膨らみすぎた場合や毎月の返済金額が多すぎて支払えない場合は、すぐにでも利用すべきです。
督促や取り立てが止まる
債務整理の手続きを自分で行った場合、督促や取り立ては止まりません。しかし、弁護士や司法書士に依頼した場合、督促が止まります。
なぜなら、貸金業法第二十一条一項九号により、受任通知を受けた業者は、取り立てや督促ができなくなるからです。
貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たつて、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。
債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士若しくは弁護士法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること。
(データ引用元:貸金業法21条1項|e-Gov)
もし、この法律を破って督促や取り立てをすると、業務の停止や貸金業登録の取り消しなど厳しい処分が言い渡されます。
勤務先や自宅に借金の督促や取り立てが来て困っている場合でも、債務整理をすることで、督促や取り立てに悩まされることがなくなります。
弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると督促や取り立てが止まる早く督促や取り立てを止めてもらうためにも、弁護士や司法書士に相談しましょう。
新たな気持ちでリスタートできる
債務整理を行えば借金の整理ができるので、新たな気持ちで生活をリスタートできます。
- 借金の督促や取り立てによる精神的な不安
- 借金をなかなか返済できないという焦り
- 整理した借金を返済する強い決意
さらに、弁護士に債務整理の依頼を行えば、
- 債権者との交渉
- 支払いの管理
- 返済計画
などなど、借金の返済をする際に面倒な作業も代行してくれます。
そのため、自分からさまざまな手続きをする必要がないので、精神的にも楽な気持ちで債務整理を行えます。
- 過払い金請求
- 任意整理
- 特定調停
- 個人再生
- 自己破産
債務整理は全部で5種類あり、借金の状況や家庭環境によってどの債務整理を選ぶか決めましょう。
過払い金がある場合は過払い金請求を行う
過払い金請求とは、過去に利息制限法を超える利率で借金をしていた場合、利息制限法を超えて支払っていたお金を取り戻す方法です。
10年以上前からの借金がある場合は、過払い金請求ができるか確認を行いましょう。現在も借金がある状態の方が過払い金請求を利用できる条件は以下の2つ。
- 借金完済日から10年が経過していない
- 借り入れしたときに利息が利息上限法の上限である15%〜20%を超えている
利息制限法に定められている年利の上限は、借金をする金額によって違います。
借金額 | 利息制限法によって定められている年利 |
---|---|
10万円未満 | 年20.0% |
10万円以上100万円未満 | 年18.0% |
100万円以上 | 年15.0% |
また、過払い金請求をするためには、支払い過ぎた借金がないか引き直し計算をしなければなりません。
ただ、自分で引き直し計算をやる場合、計算が面倒なため時間がかかるので、弁護士に依頼をすれば、0円〜数千円前後の値段で行ってくれます。
借金返済中の過払い金請求については過払い金請求返済中の記事で詳しく解説しています。
任意整理を行う
任意整理とは、裁判所を介さずに金融機関など債権者と交渉して、将来発生する利息を免除したり、毎月の支払額を減らしたりする方法です。
任意整理を行うことで、3年〜5年かけて借金を返済できるようになるため、借金返済の目処が立てやすくなります。
他の債務整理方法と比較しても、もっとも費用がかからない点もメリットの一つです。ただし、元々の借金自体を減額できるケースは少なく、返済もきちんと行わなければなりません。
特定調停を行う
特定調停とは、裁判所の調停委員が借金をした方と金融機関など債権者との仲介を行い、借金返済を行う計画を立てる方法です。
毎月の返済金額を下げられるので、より返済がしやすくなります。
ただし、交渉が不成立になるケースや金融機関など債権者からの督促や取り立てが止まるまでに時間がかかる点がデメリットです。
個人再生を行う
個人再生とは、裁判所を通じて、借金の金額を減らしてもらう方法です。おおむね借金を5分の1前後に減額でき、最大で10分の1まで減額できます。そして減額された金額を原則3年かけて返済します。
自己破産とは違い、住宅ローンを残したまま返済が可能な点もメリットです。ただし、以下のようなデメリットもあるので注意が必要です。
- 50万円以上の費用がかかることが多い
- 大量の書類を用意しなければならない
- 借金に保証人がいる場合は、保証人が返済しなくてはならなくなる
借金を返せない場合は自己破産する
借金額が大きすぎる場合は、自己破産を選択する方法もあります。自己破産をすれば、滞納した借金を返済する必要がありません。
ただし、自己破産をすると、
- 自宅
- 車
- 時価20万円を超えるもの
などをすべて差し押さえられます。ただ、必要最低限の財産は処分されず、旅行や引っ越しも可能です。
このように借金の返済が難しい場合でも、債務整理を行えば、借金の負担を大幅に減らせます。まずは弁護士に相談をしてみてはいかがでしょうか?
債務整理の相談は弁護士が良い4つの理由!
債務整理の相談を行う場合、弁護士や司法書士に相談ができます。ただ、結論からいうと、司法書士よりも弁護士に相談をしたほうが良いです。その理由について解説します。
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借金が140万円を超えても貸金業者との交渉をしてくれる
弁護士は、裁判を行う場合、借金額が大きい場合でも貸金業者など債権者との交渉や裁判などを行ってくれます。
しかし、司法書士の場合は、司法書士法3条と裁判所法第33条1項1号により、訴訟できる金額は140万円までと決められています。
そのため、借金が140万円を超える裁判では、裁判を行うことや貸金業者との交渉もできません。
業務 | 弁護士 | 司法書士 | |
---|---|---|---|
借金が140万円を超える | 債務整理の相談 | ◯ | ✕ |
裁判の代理 | ◯ | ✕ | |
貸金業者との交渉 | ◯ | ✕ | |
借金が140万円未満 | 債務整理の相談 | ◯ | ◯ |
裁判の代理 | ◯ | ◯ | |
貸金業者との交渉 | ◯ | ◯ |
そのため、借金の金額が140万円を超える場合は、弁護士にしか相談ができないのです。
過払い金請求の手続きが早くできることがある
過払い金請求では、弁護士も司法書士も手続きのスピードに大きな違いはありません。しかし、過払い金が140万円を超えた場合は、地方裁判所で裁判ができる弁護士の方が早く過払い金請求ができます。
弁護士が地方裁判所で裁判を提起すると、相手方の金融機関など債権者も弁護士費用がもったいないので早めに和解に応じる傾向があるからです。
過払い金請求の手続きをする場合は、弁護士に依頼した方が良いです。
過払い金額に関係なく回収ができる
弁護士に過払い金請求の依頼をした場合、過払い金額に関係なく回収ができます。一方、司法書士に過払い金請求の依頼をする場合は注意が必要です。
その理由は、過払い金が140万円を超えてしまうと、書類の作成しかできなくなり、自分で訴訟をするか弁護士に依頼しなければならなくなるから。
そのため、過払い金が140万円を超える場合は、最初から弁護士に依頼したほうが良いです。
裁判の手続きをすべて弁護士がやってくれる
弁護士に依頼すれば、金額にかかわらず、法律相談から裁判の手続きをすべて行ってくれるので安心です。
しかし、司法書士に依頼した場合、借金額が140万円を超えるケースでは、法律相談・裁判の代理・貸金業者など債権者との交渉ができません。
このように、借金額が140万円を超えるようであれば、弁護士に相談をした方が良いです。
また、借金額が140万円未満でも、簡易裁判所で敗訴した金融機関など債権者が控訴し、地方裁判所で裁判を行う場合、司法書士では裁判の代行ができなくなります。
そのため、法律相談から裁判までの手続きをすべて行ってくれる弁護士に依頼したほうが良いのです。
おわりに
裁判所から突然の書類が届くと誰でも焦ります。ただ、このまま借金を滞納したままでは、給料や預金を差し押さえられる可能性が高いです。
借金の返済が難しい場合でも一人で抱え込むことはありません。まずは、弁護士に相談してみてはどうでしょうか?
過去には、過払い金が借金額を上回り、借金の完済どころか、過払い金が返還された方もいます。
特に長期間借金の返済に悩まされている場合は、過払い金請求をすることによって、支払いすぎたお金を取り戻せるかもしれません。